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災害時の備えは万全? シーン別危機管理マニュアル 災害時の備えは万全? シーン別危機管理マニュアル

連載 #防災

これだけは知っておこう! 大切な人と自分を守る応急処置

応急処置を覚えることで互いに助け合えると強調する防災士の小川さんに、処置の方法を教えていただきました。

ケガをしたときの基礎的な対処の知識を

これまで数々の被災地を訪れ、その様子のドキュメンタリー映画も製作している小川さん。災害前は「死んでしまうか」「無傷で生き残るか」のどちらかしか想像していない人が多いそう。

「止血や骨折の応急処置なんて怖くてできない、と思うかもしれません。ですが、自分が多量の出血をしていたとして、家族が止血方法を知らなければ命を落とすことになります。家族が骨折したとして、骨折の固定法を知らなければその家族は置き去りにして避難しなければなりません。実際に阪神・淡路大震災でも、家族や近隣の人がすぐに応急処置をした例が多く、生き延びた人が何万人といます。お互いに助け合って生き残るためにも止血、骨折の処置の方法は知っておいてほしいのです」

【止血方法】

大量出血は命とりに。まずは、止血方法から。

直接圧迫止血法
どんな大出血でもほとんどこの方法で止血できます。まず、感染予防のため、ビニール袋などで手を覆って、血に触れないように。傷口を覆えるくらいのガーゼ、タオルをあて、その上から強く押さえます。傷口を心臓より高い位置に上げることで出血量が抑えられます。
関節圧迫止血法
直接圧迫止血法のガーゼなどが準備ができる前や使えない場合は、関節圧迫止血法を。出血箇所から心臓に近い動脈(止血点)を指でしっかり押さえます。直接圧迫止血法を始めたら、関節圧迫止血法は中止します。

【骨折したときの応急処置】

骨折は副木をして固定が基本。副木がなければ、傘など長い棒状のもので代用を。

肘を骨折した場合
3か所ほど副木と腕をガーゼなどで結んで固定します。ショックや痛みによる顔面蒼白や震え、冷や汗が見られたら毛布などで温めましょう。
下肢を骨折した場合
膝まわり、足首まわりにやわらかいタオル、ガーゼなどをあて、木や傘を足に添え、包帯などで太もも、膝まわり、足首まわりを固定します。痛がる場所は避けて固定を。
手首、前腕を骨折した場合
上腕を骨折した場合

骨折の基本ですが、傷口から骨が見えるか、突き出ているかを確認します。見える場合は、まず傷口にガーゼなどをあて、その上から包帯でぐるぐる巻きに。骨が突き出ていたら、そのまわりにガーゼなどを積み重ね、骨を圧迫しないようにします。ケガをした場所に副木をあててガーゼや包帯などで固定します。適当な木がなければ、段ボール、雑誌、傘などで代用を。

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