熊本県・甲佐町への移住生活が叶えてくれたのは、柔軟な働き方と心やすらぐ家時間の充実です――加藤理恵子さん。 緑豊かなこの土地で手に入れた、穏やかで満ち足りた日々についてお話を伺います。
豊かな緑と暮らしやすさを両立する、美しい街に魅せられて
加藤さんを甲佐町へと導いたのは、南北に流れる緑川の清らかさと、青々とした緑が織りなす景観の美しさだったそう。
「当時は熊本市でカフェを経営していたのですが、甲佐町で暮らすスタッフの家に何度か足を運ぶうち、ロケーションに心を奪われてしまって。ここで暮らす生活がくっきりとイメージできました」。
住宅兼店舗として暮らすのにぴったりな、古民家との出会いも気持ちを後押しし、10年前に移住。
歩くたびに知らない景色を発見できる甲佐町は、いまも新鮮な魅力であふれています。
「先日も近所に秘境をみつけました。たくさんの自然と巡り会える場所でありながら、熊本市内まで車で30分ほどなので買い物などに困ることもありません。そんなバランスのよさも暮らしやすさの理由です」。緑の癒やしと、穏やかに流れる時間。そして、自分らしい家。理想の暮らしを手に入れたいま、愛猫のコトブキと縁側でのんびりたわむれるのが、何よりお気に入りの過ごし方だそうです。
熊本県・甲佐町
人口約1万人。熊本県の中心に位置する。豊かな自然に囲まれた町の中心を「緑川」が流れており、その流域に広がる田園地帯でゆったりとした暮らしが営まれている。近年は地元住民や移住者による感度の高いショップも増え、観光スポットとしても魅力。
加藤理恵子さん
熊本市内でカフェを経営したのち、理想の暮らしを求めて甲佐町への移住を決意。移住と同時に住居の1階にカフェ「diningspace欒時」をオープンさせ、今年で移住生活10年目になる。
日常の延長に仕事がある、そんなスタイルが暮らしやすい
2階は住居で1階がカフェ。プライベートと仕事の境界線が曖昧な暮らしのおかげで、生活リズムが心地よいものに変化したそう。「以前は深夜まで仕事をし、家に帰れば寝るだけという状態で体調を崩すこともありました。いまは好きな時間に仕込みができるし、家事との両立も楽です」。無理のないペースで働けるようになり、自分の時間を持てるようになったと話します。
野菜は採れたてで栄養たっぷりの、新鮮なものが手に入ります
自らリノベーションした現在の住宅兼カフェ。キッチンも客席も、築70年以上の古民家のレトロ感を生かしつつ、温かみのある空間に。
お店で提供する料理には、なるべく甲佐町や県内で採れた野菜を使用。この日のランチプレートのキッシュは甲佐町特産のニラ入り。
DATA
diningspace欒時
熊本県上益城郡甲佐町緑町17-3
096-284-1523
\加藤さんの/甲佐町での暮らしのお気に入り
休日の河原でのひととき
川の流れをのんびり眺めながら散歩します
自宅兼カフェのすぐ裏には見晴らしのよい河川敷があります。「河岸に腰掛けて、ラジコンで遊ぶ夫と会話しながらお酒を飲んだり、空を眺めるのも至福のとき。四季折々の景色を楽しむことができる大好きな場所です」
町の人とのさわやかな交流
ご近所さんからお裾分けをいただくこともしばしば。季節によってさまざまな旬のものを届けてくれ、どれも格別においしいのだそう。
「野菜や果物、お花のほか、絵を描いていただいたこともあります」
蚤の市への出店
「甲佐蚤の市」は、移住1年目の年にスタートしたイベントで、加藤さんのカフェも毎年参加。当初は10店舗ほどが参加する小さな催しでしたが今では約150店舗が出店する一大イベントに成長。「街が賑わう様子を見ると胸が熱くなります」
甲佐町への移住のすすめ
空き家の改修費用を一部助成しています
甲佐町空き家バンク制度を通じて空き家を購入、または賃貸契約した人が、家の改修や不要物の撤去を行う場合に経費の一部を助成。最大50万円まで支給しています。住まいに関するサポートが充実しているので安心して移住することができます。
「空き家バンク」が利用できます
町内にある賃貸、または売買ができる空き家(空き地、空き店舗、併用住宅を含む)を登録。甲佐町への移住や起業を検討し、空き家の利用を希望する人に向けて、最新の物件情報を甲佐町公式ホームページにて公開しています。
定住促進助成金を最大100万円支給
若者や子育て世代の定住を促進する甲佐町では、町内に新たに土地を取得し、住居用住宅(土地付き建売含む)を建設し定住した人に、最大で100万円を支給。また、未就学児の子どもがいる場合、ひとりあたり最大10万円を加算。
移住支援金を最大100万円支給
東京23区に在住、または通勤していた人のうち、甲佐町に移住し、マッチングサイト「ワンストップジョブサイトくまもと」に掲載された対象企業の求人に応募し、就業した人に、移住支援金(単身60万円、世帯100万円)を支給します。
【お問い合わせ】
甲佐町役場 地域振興課
TEL:096-234-1154
メールアドレス:chiiki01@kosa.kumamoto.jp
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
photograph:Mari Yoshioka
text:Ai Watanabe
illustration:Kayo Yamaguchi
(提供:甲佐町役場 地域振興課)
(リンネル 2021年12月号)
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