「家事をやらなきゃ……」という思いが強いと、かえっておっくうになって後まわしになりがち。でも、生活スタイルに合った工夫で、家事はぐっと省力化できます。2002年から2020年までドイツで暮らしたフリーライター・久保田由希さんは、ドイツの合理的な考え方で家事の負担を減らしています。ドイツ流のテクニックとは?
それって本当に必要?
ドイツ流の合理的家事
もともと家事があまり得意ではなかったという久保田さん。「ドイツで暮らしてみると、日本では生活必需品になっているものが、なくても暮らせることに気づきました。特に変わったのは、食生活です」。ドイツでは一日のメインの食事は昼で、朝と夜は、栄養がつまったドイツパン、ハム、チーズなどの冷たい食事が当たり前。それをまね、主食+1品にしたら、手間が減ってずいぶん気がラクになりました。週末には、友だちと料理を楽しむなどメリハリをつけ、家事にわずらわされなくなりました。
ドイツ流の合理的家事のテクニック
<テクニック1>
朝食のメニューは
ドイツパンが中心
ドイツはパンの種類が豊富で、どっしりとしてフルーツやナッツが入って栄養豊富なので、1枚でもおなかがいっぱいに。朝食はパンにクリームチーズやハムをのせて、コーヒーと一緒にいただきます。
<テクニック2>
簡単でヘルシーなオーブン料理
ドイツの家庭には必ずあるビルトインのオーブン。よく作るのが、ズッキーニやジャガイモ、ニンジンを薄く切って並べ、オリーブオイル、塩とオレガノなどのスパイスで味をつけたグリル料理。ドイツは野菜の味が濃いので、それだけで美味。
<テクニック3>
スープはたくさん作って3段活用
夕食の定番は、ジャガイモ、ニンジン、玉ネギなどの野菜を小さく切って、野菜ブイヨンで煮込んだスープ。ごはんを入れてリゾットにしたり、トマトを入れて味を変えたりして2~3日は食べます。
<テクニック4>
効率よく調理するため、
DIYで使いやすい構成に
ドイツでは作りつけのキッチン収納がないことが多いため、自分で買ったりDIYすることが常識です。でも、これがキッチンの使い方を見直すチャンスに。久保田さんは、手の届く場所にスパイス用の棚板をつけ、食器入れは本棚を活用していました。
久保田さん流・3つのマイルール
<ルール1>
主食+1品でOKとする
「朝はパン、夜はごはんと具だくさんのスープというのがほとんど。作るときも数食分まとめて作ります。ドイツでの暮らしには電子レンジがなかったので、残ったごはんはおにぎりにして、翌朝いただきます。買い物も週に2~3回で、ドイツは食材が安いこともあり、食費はあまりかかりません」
<ルール2>
人と比べないようにする
「家の中のことでも、つい人と比べて『手を抜きすぎ?』と気にする日本と違い、ドイツでは人目をあまり気にしません。だから、自分にとって何が必要か、何を大切にしたいかを、見つめ直すことができます。必要最小限のものしか持たなくなれば、考え方もシンプルになるはず」
<ルール3>
ときには外注化してみる
「家事は生活していくうえでの基本ですが、目的ではないはず。オンとオフをしっかり分ける風習のドイツでは、気軽にハウスキーパーにお願いして、その分を自分の時間として大切にしています。最近は日本でも気軽に外注さんにお願いできるようになりましたし、ときには人に頼ることもおすすめです」
教えてくれた
久保田由希さん profile
photograph:Jun Fujiwara,Hiroshi Matsui,Noriko Yoshimura text:Ema Tanaka,Azusa Shimokawa,Rie Suzuki web edit:Riho Abe
リンネル2018年2月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
Latest News
LIFESTYLE
リンネル最新号&付録
2025年1月号
暮らしの道具大賞2024
- 付録
- marble SUD[マーブルシュッド]
ボアバッグ&
リング付きちょうちょ柄丸ポーチ
特別価格:1,520円(税込) / 表紙:上白石萌音 /
2024年11月20日(水)発売 ※一部の地域では発売日が異なります