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上白石萌歌さんインタビュー 映画や音楽に救われた10代、今度はその恩返しをしたい 上白石萌歌さんインタビュー 映画や音楽に救われた10代、今度はその恩返しをしたい

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数々の映画作品に出演し、新たに歌手活動もスタートした上白石萌歌さんの10代を振り返っての想いとこれからしたいことについて伺いました。

目次
上白石萌歌さんインタビュー 映画や音楽に救われた10代、今度はその恩返しをしたい
  1. 上白石萌歌さん出演作インタビュー
  2. 出演作映画『子供はわかってあげない』
  3. お話を伺ったのは……上白石萌歌さん

上白石萌歌さん出演作インタビュー

10代最後に少女と大人の狭間を演じて

大きな瞳をくりくりと動かしながら、自分の言葉をゆっくりと紡いでいく上白石萌歌さん。間もなく公開の映画『子供はわかってあげない』で演じたハキハキと矢継ぎ早にしゃべる美波とは異なり、時折大人っぽさを宿した表情が印象的でした。

 この作品は多感な高校2年生の夏休み、家族の秘密を知ることで父親探しと初めての恋が動き出す甘酸っぱい青春映画。監督は『南極料理人』や『横道世之介』『モリのいる場所』で人気を博し、今や常に新作が待たれる沖田修一監督。かねてから沖田監督の大ファンだった上白石さんは、今回の出演でますます沖田ワールドに魅了されたといいます。「私の人生の映画ランキングでは、沖田監督の作品は常に上位。特に、そのなかでも『横道世之介』が大好きなんです。台本を渡されたときは“これが沖田監督の台本なんだ〜!”と感激して、一言一句逃すまいと読みふけりました(笑)。今までは一観客として沖田作品に魅了されてきた側ですが、今度は自分が出演にまわるので、絶対いいものにしたい!という思いが強かったですね。あと、沖田組の一員になれたという感動もひとしおでした」

 この作品を撮ったとき、上白石さんはちょうど10代最後。主人公と同じ10代を演じることについて、少女と大人の狭間に漂うみずみずしさや心が揺れ動く様子は、監督から演技
指導があったのでしょうか?

「撮影前にじっくりワークショップの時間を設けていただいたんです。“美波ってこういうイメージだよね”と、監督とイメージをすり合わせていけたのがありがたかったですね。このワークショップ中に私と相手役の細田佳央太さんとでセリフ練習もしていたのですが、なんとトランプやジェンガをしながらだったんです。遊びながら互いにセリフを言って、
ジェンガにも夢中になって……。そうすることで、だんだん自然体でしゃべれるようになっていって。細田さんは役の門司くんそのものだったので、彼がいなければ美波を演じきれなかったかもしれません。あと、作中での子役のみんなの表情を見てもらえればわかるのですが、子どもたちがみんなビックリするほど素なんです。休憩中に豊川悦司さんの背中によじのぼったりして。大先輩のトヨエツさんに対してまったく臆していない(笑)。そんな自由に振る舞える現場の空気をつくった沖田監督がすごいと思います。おかげで私も肩の力を抜いて撮影に入れました。スタッフのみなさんも常に笑顔で、毎日こんな楽しくていいのかな?と思っていたほど。ずっと沖田監督の世界に浸っていたくて、撮影が終わるのが寂しかったですね」

 高校2年という美波の役柄は上白石さんとも近い年齢だったのですが、彼女のことをどう思いました?

「無農薬の野菜みたいだなって思いました。太陽をたっぷり浴びて、のびのび育ったような女の子。変に手をかけられていない、泥まみれのような印象で、それがとても魅力的でした。あと、私が通っていた高校は屋上が立ち入り禁止だったので、屋上で青春を過ごせた美波がうらやましかったです。私も高校時代に屋上であんなことしたかった。まさに、キラキラ輝く10代でしか送れない、青春そのもの。それに、彼女みたいに水泳部に入って奮闘したかったですね。肌が真っ黒になるまで部活をしたかったです。立て続けに泳ぐ役をいただいているのですが、もともと水泳が大好きなんですよ。小さな頃からスイミングスクールへ通っていたので。そのときの経験が今回も活きてよかったです」

自分自身の奥行きが表れる歌手活動

そんな上白石さんは最近、歌の活動も始めたとのこと。歌手活動中のアーティスト名はadieu(アデュー)。お芝居をするときと歌うとき、自身のなかで何か区別していることはあ
るのでしょうか?

「芝居も歌も“表現”というレールの上では同じですが、歌うときは演じるとき以上に自分が出る気がします。芝居をするときは作中の役という“鎧”を借りればいいのですが、歌はそうはいかなくて。自分自身の奥行きや背景が根こそぎ出るように思います。ただ、幸いなことに、母が音楽の先生だったので、私にとっては歌や音楽が暮らしの一部でした。今もアコースティックギターを練習しているので、いつか弾き語りをしてみたいと思っています。やっぱり生の音楽のパワーは違うので、機会があればライブもしてみたい。私は10代の頃、音楽や映画、小説にたくさん救われてきました。今度はそれらを提供できる側になって、あのときの恩返しができたらいいなと思っています」

 若い頃から映画がお好きだったとのことですが、たとえば“元気になりたいときに観る作品”など、シチュエーションに合わせて決まった映画を観ることはありますか?

「実は、あるんです!(笑)。本当に気に入った作品はDVDを購入して、手元に置いておきます。“こういう気分のときは、この作品を観る”というように、シチュエーションやメンタルによって観る作品を自分のなかで決めていて。意外かもしれませんが、派手なアクション映画も観るんですよ。ちなみに、クランクアップのときに観る映画も決まっています。なので、今回の撮影が終わったときも、その映画をひとり鑑賞しました。初主演、お疲れさまの意味を込めて(笑)」

出演作映画『子供はわかってあげない』

監督:沖田修一/脚本:ふじきみつ彦/原作:田島列島/出演:上白石萌歌、細田佳央太、千葉雄大、古舘寛治、斉藤由貴、豊川悦司、配給:日活/8月20日(金)より全国ロードショー
©2020「子供はわかってあげない」製作委員会©田島列島/講談社

高校2年、水泳部女子の美波はある日、書道部男子のもじくんとの出会いをきっかけに幼い頃に別れた父親を探し始める。再び会えた父親にとまどいながらも、海辺の町で夏休みを一緒に過ごすことに。心地よい海風、さわやかに鳴る風鈴、そして驚くべき超能力。なにげにワケありの人々の事情をゆるやかにやさしく受け止めていく。明日に向かう勇気をくれるハートフルムービー。

お話を伺ったのは……上白石萌歌さん

上白石萌歌
PROFILE
かみしらいし・もか/2000年2月28日生まれ。鹿児島県出身。2011年第7回「東宝シンデレラ」オーディションにてグランプリを受賞し、デビュー。数多くのドラマ、映画、舞台に出演する傍ら、J-WAVE「GYAO! #LOVEFAV」でのラジオレギュラー出演や、adieuとしての音楽活動等、多方面での活躍を見せる今注目の若手女優。adieuとして2ndミニアルバム『adieu 2』を6月30日に発売。

photograph:Masahiro Tamura styling:Junko Okamoto hair & make-up:Tomoko Tominaga(allure) text:Tokiko Nitta web edit:Liniere.jp

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