CULTURE
:King & Prince髙橋海人さんが語る創作の源「美術館巡りが生む、新たなインスピレーション」/『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』
CULTURE
:King & Princeとして活動する一方、アートの分野でも才能を発揮する髙橋海人さん。
描く楽しさを原動力に、美術館やギャラリーへ足を運び、日々インプットを重ねています。
公式アンバサダーを務めた『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』では、北斎の作品からどんな刺激を受けたのでしょうか。
北斎の絵を見た瞬間、
「うわ、描きたい!」と思いました
葛飾北斎『椿説弓張月』続編 巻之三 浦上蒼穹堂蔵
「描きたい! とインスピレーションが湧くのは、これまでの自分の人生になかったものや、想像を超えたものに出会ったとき。『今、俺の世界がめっちゃ広がってる!』とワクワクしながら描いています」
お姉さんの影響で、子どもの頃から絵を描くのが好きだったという髙橋海人さん。King & Princeとして活動しながら、ラグジュアリーブランドで自身の描いたペイズリーのアイテムを発表したり、曲にインスパイアされたキャラクターを描いたりと、アートの分野でも才能を発揮してきました。インプットのために、時間を見つけて美術館やギャラリーへ足を運ぶことも多いそう。
「仕事の合間に、最寄りのコンビニを探す感覚で『近くでなにか展示をやってないかな?』と検索して、気になったものを観に行きます。ジャンルを問わずいろんな作品を見て、『自分だったらこのテーマをどう表現するだろう?』と考えるのが勉強になりますね。そんなふうにフットワークが軽くなったのは、大人になってから。もっと若い頃からこの楽しみを知っておけば良かったな…とも思いますけどね。最近行ったのは、『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』。AIやゲームの世界をアートに落とし込んでいて、現代だからこその新しい発想に触れて刺激を受けました」
「いつか美術館に関連した仕事ができたら」と思っていたという髙橋さん。その願いが実を結び、『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』の公式アンバサダーを務めることに。
「北斎の娘を主人公にした『おーい、応為』という映画で、僕は渓斎英泉という北斎の弟子を演じているんです。その映画の公開を控えたタイミングで、偶然、今回のアンバサダーのお話をいただいたので、びっくりすると同時にめちゃくちゃうれしかったですね」
北斎の芸術に深く触れて
親近感が湧きました
本展は北斎の作品のなかでも、「集中線」「ギャグ描写」など、現代のマンガやアニメの原点ともいえる表現に着目するという、新しい演出で行われるもの。実際の作品を目にして、大きなエネルギーを感じると同時に、それまで抱いていた北斎への印象も変わったと話します。
「描くことに対してストイックなあまり、苦悩の人生を送った高尚な芸術家…というイメージでしたけど、北斎の芸術に深く触れて、その印象が変わりました。意外と僕たちと同じような感覚で、楽しみながら絵を描いて、見る人を楽しませようとしていたのかも。絵が大好きな楽しいおじちゃんだったのかな? と親近感が湧きました」
葛飾北斎『唐詩選画本 七言律』 浦上蒼穹堂蔵
北斎の作品に刺激を受けて、髙橋さん自身も「すぐに自分も描きたい!」という心境に。
「いい絵やデザイン、色使いを見ると、自分の中にも取り入れたくなるんです。普段、僕はタブレットで描いていますが、やっぱりアナログの持つ“絵力”はすごい。線に魂が乗っているような感じがします。それに、当時はひとつの色を作るにも労力がかかりますよね。今のように自由に色を使えない中でも描こうとする、強いモチベーションを自分も持っていたい。画材をそろえて、旅行しながら描くようなこともやってみたいですね。反対に、江戸時代の浮世絵を現代に落とし込んで、デジタルで描いたらどうなるんだろう? という興味も湧いてきました」
これからも、「作ることの楽しさ」を大切にしていきたいと髙橋さん。
「普段の生活の中でも、何かアイデアがないかな? と探していることが多いんです。もともと多趣味なので、絵のスタイルも決まったものはなく、そのときどきで描きたいものを描いています。絵だけでなく、ダンスや歌、お芝居…と表現の手段がいくつもあるからこそ、ジャンルごとに違う人格がいるような感覚を持っています。もしかしたら、描きたいものに応じて画号を変えて、さまざまなスタイルに挑戦していた北斎とも、少しだけ通じる部分があるかもしれません」
Profile
髙橋 海人
1999年生まれ、神奈川県出身。2018年、King & PrinceのメンバーとしてCDデビュー。同年、ドラマ「部活、好きじゃなきゃダメですか?」で初主演を務める。主な出演作にドラマ「だが、情熱はある」「95」「わが家は楽し」「DOPE 麻薬取締部特捜課」、映画『アキラとあきら』『Dr.コトー診療所』など。10 月 17 日に公開の映画『おーい、応為』では初の時代劇に挑戦。11月14日に映画『君の顔では泣けない』が公開予定。
作品情報
『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』
生涯で3万点以上の作品を生み出し、93回の転居や30以上の画号を使い分けるなど、型破りな生き方でも知られる葛飾北斎。「集中線」「ギャグ描写」など、北斎の表現が現代のマンガ・アニメに与えた影響に着目。『北斎漫画』をはじめとする450点超の展示から、その独創性と斬新さを再発見できそうです。
会期:2025年9月13日(土)〜11月30日(日)
開館時間:10:00〜18:00
※金・土曜および祝前日は20:00まで開館
※最終入場は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
CREATIVE MUSEUM TOKYO
東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6階
『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』公式HP
photograph:Isao Hashinoki styling:Yurika Hashiba hair & make-up:Chihiro Tan(YKP) text:Hanae Kudo
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