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:東京・池袋の喫茶店「珈琲専門館 伯爵 池袋北口店」のプリン:空想喫茶トラノコクさんのあの店この店、喫茶訪問日記 #08
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いつも素敵な喫茶店やカフェへアンテナを張り巡らせている空想喫茶トラノコクさんが、気になるあの店この店を巡る連載。
8回目は、東京・池袋の喫茶店「珈琲専門館 伯爵 池袋北口店」。採れたてのたまごを使った、昔ながらの固めプリンを目当てに訪れる人も多いという、名店の魅力をお届けします。
空想喫茶トラノコクさん

「こんな居場所があったらいいな」という会話から生まれた架空の喫茶店。SNSで素敵な喫茶店の紹介や、喫茶店レシピの発信を行う。著書『至福のチーズケーキ本』(エムディエヌコーポレーション)が発売中。

珈琲専門館 伯爵 池袋北口店

東京・池袋にある喫茶店。広い店内に広がるクラシカルでゴージャスな世界。1976年の創業で、コーヒーを中心に池袋の中で多くの人に愛される喫茶店。
shop information
東京都豊島区西池袋1-29-1 ホテルサンシティ池袋 2F
TEL:03-3988-4997
営業時間:月〜土:8:00 – 23:30
日・祝:8:00 – 23:00
優雅な空間が広がる、クラシカルな店内へ
池袋駅北口を出てすぐ、階段を上がれば赤い看板が視界に入る。天井には豪華なシャンデリアやランプが輝き、ゆったりと広がった客席には柔らかな暖色の灯りが心を落ち着かせる。

駅前の喧騒とドア一枚で世界が切り替わる、懐かしさも詰まったクラシカルな喫茶だ。

かつては卓上でゲームを楽しめた名残りのある机
創業は1976年。夜通し営業していた時代も長かったが、現在は朝8:00から23:30。
通勤前の一杯から遅めの夜ごはんまで、時間帯が変わった今でも変わらず出迎えてくれる。

珈琲専門店は色濃く、いまもメニューには豆の種類が多く並ぶ。生産地ごとに異なる風味や香りの立ち上がりを楽しめるのが、この店の確かな魅力。

黒い液面にステンドグラスの色が淡く揺れるのも、ここならではの小さな贅沢だ。10年ほど前からは海外の紹介サイトをきっかけに遠方からの来訪も増え、駅前という立地ゆえ客層は幅広い。近隣大学の学生の姿も珍しくない。

王道メニューの〆には、昔ながらのプリンを
食事は時代とともに更新されてきた。かつて供された生姜焼きに代わり、いまはナポリタンやオムライス、サンドイッチといった“喫茶の王道”が主役を張る。

締めにおすすめしたいのがプリン。前日に採れた卵で仕込み、ぎゅっと芯のある固さに。スプーンを入れるとしっとりとほどけていき、卵のコクとほろ苦いカラメルが静かに重なっていく。

美味しくてどこか懐かしい、記憶に長く残る一口。駅前でコーヒー一杯をと思って入っても、やっぱりデザートまで頼みたくなる。

空間は「広く、落ち着く」。天井が高く通路もゆったり。ステンドグラスやシャンデリア、赤い椅子の意匠は品のよさを保ちながら、打ち合わせをする人、本を開く人、世間話に来る人など、多様な人たちがお店を賑わせる。
半世紀近くを越えてきた積み重ねが、お店のひとつひとつに宿る。
かつて飲み屋の灯りが落ちた深夜、終電を逃し腰を下ろす人々を受け止めてきたように、時代が変わった今も、温かく見守ってくれる安らぎの場所だ。
どんな人も受け止めてくれる、温かくて落ち着くお店!

クリエイター・
空想喫茶トラノコクさん

「こんな居場所があったらいいな」という会話から生まれた架空の喫茶店。SNSで素敵な喫茶店の紹介や、喫茶店レシピの発信を行う。著書『至福のチーズケーキ本』(エムディエヌコーポレーション)が発売中。
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photograph & illustration & text : toranocoku
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珈琲はもちろん、懐かしい気持ちになれる固めプリンにも注目!