家の中には家事にはカウントされない、でも確実に負担になる仕事がたくさん。家事動線を考えた配置やもの選びによって、格段に家事が楽になり、ストレスも軽減されます。暮らし上手な整理収納アドバイザー・七尾亜紀子さんに、家事動線のアイデアを教えてもらいました。
七尾さんの動線作りは、
ワンオペ育児をいかにうまく回すかを追求
夫が単身赴任のため、基本的にワンオペ育児の七尾さん。考えずに体が動き、いかに楽に家事ができるか常に考えているそう。「子どもにもやってもらえるよう届きやすい場所に置いたり、使う場所の近くにモノを置いたり。とにかくアクション数を減らす動線を優先します」。あると便利と思ったものはDIYすることも。目から鱗のアイデアが満載です。
家事動線のアイデア 【キッチン編】
七尾さんのキッチンは、「棚のモノの出し入れ」を減らす、移動ゼロを目指した工夫がいっぱい!
<IDEA 1>
振り返った先に調味料
調味料はお揃いの瓶に詰め替えて、冷蔵庫のポケットに収納。振り返ってすぐ取れる場所で便利。賞味期限も書いておくとなお◎。
<IDEA 2>
1軍道具はしまわない
コンロ周りは使い勝手を重視して、よく使うキッチンツールや鍋などはあえて出しっぱなしに。色はモノトーンに統一してスッキリと。
<IDEA 3>
1軍食器を目線の手前に
食器棚は使用頻度で、手前はよく使う1軍、奥は2軍と使い分け。2種類までしか重ねないことで奥の食器も取り出しやすくしています。
<IDEA 4>
食洗機基点で考える
道具選びの基準は食洗機対応と、見た目。スノーピークの菜箸や、取っ手の取れる鍋、汁椀は木製でも食洗機OKのものを採用。洗剤は隣の引き出しに収納して取りやすく。
<IDEA 5>
すぐ使うものは棚に入れない
朝食に食べるパンやフルーツ、賞味期限が近い食品などは、食べ忘れないよう蓋付きの収納ケースに入れて。デンマーク・ステルトン社のブレッドボックスは、蓋がカッティングボードにもなり、シンプルなデザインなので、出していても邪魔になりません。
<IDEA 6>
ゴミ袋はつっぱり棒で1枚ずつめくる
意外と手間どるゴミ袋の取り出し作業。ゴミ袋のすぐ上につっぱり棒2本で収納し、ワンアクションで1枚ずつ取れるように工夫。
<IDEA 7>
エプロンは台所の中央に
エプロンは食器棚の引き出し中段に、ケースで仕切って収納。キッチンの真ん中にあるため、移動しなくてもさっと取り出せます。
家事動線のアイデア 【ダイニング編】
家族のものが集約されるダイニングは、見せると隠すのバランスがセンスの見せどころ。お皿やお箸、お茶など「ママ、あれどこ~?」と子どもに聞かれることを減らしたい!
<IDEA 1>
収納力のあるチェストで
出しっぱなしを解消
ごちゃごちゃしがちなダイニングは、チェストの引き出しに郵便物や書類、薬関係を仕分けて収納すればすっきり。テーブルの上はさっと汚れをふきとれるウェットティッシュケースのみの状態をキープ。
<IDEA 2>
使う場所の近くに余白を持たせて収納
キャビネットは、使用頻度によって引き出しごとに使い分け。使いやすい左側によく使う文具、薬類などを入れて。引き出しの中は収納ケースで小分けにして、ひと目でわかる収納を。
<IDEA 3>
子どもが自分でやる仕組みをつくる
子どもたちが配膳したり、すぐ片付けられるように、テーブル下にランチョンマットを収納。また子どものお茶セットやカトラリーはキッチンカウンターに置き、子どもたちがダイニングにいても、お手伝いしやすい環境に。ちょっとした工夫で負担軽減。
子どものやる気スイッチを押す、お手伝い稼ぎ
家事動線のアイデア 【リビング編】
靴下やおもちゃ、上着…リビングに散乱するあらゆるモノを片付けるのはストレスのひとつ。すっきりまとめるアイデアをご紹介。
<IDEA 1>
増え続ける写真は
ラベリングしてさっとしまえる場所に
見た目が統一されていると、すっきり見えるという七尾さん。増え続ける写真は、無印良品のアルバムに入れてラベリング。見えない場所にしまいこまないのがためこみ予防に。
<IDEA 2>
ちょいかけフックで
ちょい置きさせない
玄関からリビングまでの動線上に、一時置きできるフックを取りつけたことで、 服のちょい置きを解消。 雨に濡れたときや、お客さまの服をかけるコートハンガーにも使えて重宝。
<IDEA 3>
浅いおもちゃ箱でちらかり予防
おもちゃ収納は子どもの目にもわかりやすく、片付けやすいと好評のOURHOMEの桐の箱を活用。大きすぎず浅いので、無駄なおもちゃの取り出しやちらかりの予防にもなるそう。
家事動線のアイデア 【ランドリー編】
干す、たたむ、しまう…。洗濯は回すだけで終わりじゃない! 七尾さんも苦手だという洗濯は、スムーズな動線で面倒くささを回避。
<IDEA 1>
洗濯にまつわる動作を
極力減らす
【脱いでから、しまうまでのスムーズな段取り】
①洗い物は、直接洗濯機に
狭い洗面所には汚れ物入れを置かず、洗濯機に直接入れて、汚れ物入れから洗濯機に入れる作業をカット。夜のうちに洗濯するので、濡れたものがあっても問題なしです。
↓
②夜に乾燥機をかけて干す時間を短縮
干すのに時間をかけたくないという七尾さん。ほとんど外干しはせず、ドラム式洗濯機で乾燥までかけます。夜のうちに洗濯機をまわして、朝には完了。
↓
③朝、乾燥が終わった服をかごに入れる
忙しい朝はたたむ時間がないので、とりあえずかごに入れて洗濯機の上に。そのひと手間が、たたむときの作業を少しだけ楽にしてくれます。
↓
④かごに入れて移動してしまう
かごごとリビングに移動してたたみます。かごに入れていると、しまうのも便利。「たたんだら全部かごに入れて、それぞれの収納場所に運びます」。何往復もせず1回で完了!
<IDEA 2>
アイロンがけは洗面台で
アイロンがけは、洗濯機を置いている洗面台にアイロン台を置いてさっと済ませます。アイロン台は洗濯機の隣の隙間に立て、アイロンは鏡の裏に収納。移動距離も少なく省スペースに。
家事動線のアイデア 【おでかけ編】
おでかけ準備も帰宅時の荷物の片付けも、段取りが大切です。忘れ物、探し物はなし! おでかけのときにも無駄に動かなくてもすむ動線づくり。
<IDEA 1>
帰ったらそのままリビング収納へ直行
衣類は寝室のクローゼットの中にありますが、コートなどのアウターだけは、帰ってすぐに向かうリビングのクローゼットに収納。バッグや時計などの置き場をこの場所に集約。忘れ物防止にも。
子どもたちが帰宅したときは.....
profile
七尾亜紀子さん
photograph:Nozomi Nishi text:Mayumi Akagi web edit & text:Riho Abe
リンネル2020年6月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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