CULTURE

ハナレグミ永積崇さんインタビュー ハナレグミ永積崇さんインタビュー

ハナレグミの永積崇さんに、最新アルバム『発光帯』についてお話を伺いました。個性豊かなクリエイターたちが参加した本作の魅力に迫ります。


この世界にあふれる光を残しておきたいと思いました

「最近は、人との出会いを大切にするようになりましたね。
以前は知らない人たちのなかに入ることを億劫に感じていたんですけど、
現在の状況になったことで、いつ人と会えるかわからなくなったし。
また、日々おもしろいことが、色やカタチを変えて起こっている。
それは音楽だけではなく、他の分野においても。
それを体感しておきたいなって思います」
日常の何気ない景色をかけがえのないものに変えてくれる楽曲を
多数発表している、ハナレグミの永積崇さん。
最新アルバム『発光帯』は、この期間のさまざまな「出会い」のなかで
紡がれた言葉や旋律がちりばめられた内容に。
「自由に人と会うことができなくなった期間、
街を歩くと植物や光が、いつもより綺麗に感じられたんです。
それと同時に、この時間や出会いって簡単に過ぎていくものというか、
新鮮に感じた景色は、いつか当たり前のものになっていくんだろうなって。
だったら、通り過ぎていく瞬間をフィルムカメラに収めようと思ったんです。
起伏のない生活に、シャッターを切る音が
少し時間をとどめてくれるような気がしたので」

あらゆるものが重なり合って生まれる光

現在ではカメラを手放せない生活になっているという永積さん。
アルバムタイトルも、瞬間を撮りためていくなかで思い浮かんだのだとか。
「新しいもの・古くからあるもの、すべてが同じ時間に混在していて、
それらが重なることで輝きが生まれていることに気づいたというか。
時間をくり返していくごとに、食べ物が『発酵』していくように、
いつか味わい深い光が発せられる。
そんな光が帯のように、この世界にたくさん存在していることに気づいて、
このタイトルが思い浮かびました」
アルバムはアコースティックの音色にじっくり浸れる楽曲から、
ヒップホップの要素を感じるアグレッシブなものまで、
曲ごとに異なる光を放っています。
そしてどの楽曲にもさまざまな経験を重ねた、
現在の永積さんだからこそ生み出せる輝きがあふれています。
「今回の収録曲はカラフルなんですけど、
中心部分は変わらない場所にいるんだなと感じられる楽曲が多く
収められているなと思います。
また、ライヴで体感できなくても楽しんでもらえる
歌やサウンドを作ることに時間をかけました。
その結果、いちリスナーとして音楽をじっくり感じていただける
アルバムに仕上がったのかなと思います」
やさしい永積さんの声にいつまでも包まれていたい気分になる1枚です。

『発光帯』
ハナレグミ/¥5,500(初回限定盤)、¥3,300(通常盤)/スピードスター
タイトル曲は、レキシの池田貴史さんが作曲・プロデュース、クラムボンの原田郁子さんが作詞した楽曲。他にも奥田民生さん、映画監督の沖田修一さんなど、個性豊かなクリエイターの方々が参加。またアルバム・ジャケットをはじめとするビジュアルは永積さんが撮影したもの。写真を見ながら耳にすると、楽曲の世界がより心に深く響くはず。

ハナレグミ

  • 永積崇による音楽プロジェクト。2002年より活動を開始、同年1stアルバム『音タイム』を発表する。以降、その温かみのある声とメロディが人気に。*5月には待望のZeppTour開催決定!

Photograph:Miho Kakuta styling:Takashi Nii hair & make-up:nico text:Takahisa Matsunaga web edit:Liniere.jp
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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