俳優・安藤玉恵さん「目に入る色や匂い、身体の記憶だと思います」/はじめての著書『とんかつ屋のたまちゃん』 俳優・安藤玉恵さん「目に入る色や匂い、身体の記憶だと思います」/はじめての著書『とんかつ屋のたまちゃん』
脇役にも主役の人生がある
確かにこの本では、男も女も全員が実にイキイキと“人生の肯定感”に彩られながら呼吸しています。取材が行われたのはまさに、ご実家のとんかつ屋「どん平」でした。撮影のために味のある店内を眺めながら、ふと、大黒柱としてこの店を切り盛りし、明治から平成まで102年を生き抜いたというおばあちゃん「あや子さん」はまさにここにいたんだなあ……と気づきました。“尾久のジュリー”と呼ばれたサービス精神旺盛の父・一男さんも、体が弱くても根性みなぎる母・カツ子さんも、ここで日々を過ごしたかと思うと、とっても感慨深い空間。現在は安藤さんのお兄さんが、日々美味しいとんかつを揚げています。
「祖母が“どしっ”と座っている写真も残っていて、とにかくかっこいいんですよ。面白かったのが、『花と龍』で演じた女性、マンさんの古い写真を見ると、全く同じ座り方をしていたこと。明治の女はたくましいです。今回本を書いて思い至ったのは、いつも役を考えるときに『身近な人で誰に近いかな』と考えていたこと。なんせ、祖母、母、そして、たくさんのおばたちもみんな近所に住んでいたんです。まわりにあらゆる女性のタイプがいるのでモデルに困らないんです(笑)。主人公じゃない役でも、その人物の人生があるはずじゃないですか。物語では脇役だとしても、その人が主役の人生が存在する。そういうつもりで毎回役を生きています」
時にはロシアのしっかり者の女性や、ドイツ人の7歳の少女(!)だって自然体で演じてしまう安藤さん。彼女が生きるフィクションがいつだって「信じられる」秘密が、分かったような気がしました。
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