少しずつ積み重ねていくことで、体も心も健やかになれるだけでなく自分を好きになれるのが漢方養生。 漢方養生とは春夏秋冬、朝昼晩、自然に沿った暮らしをすること。 山梨県で鍼灸院を営む夫婦のユニット、moxies（モクシーズ）さんに教えてもらいました。 毎日更新しますので、琴線に触れるものがあれば実践をしてみてくださいね。

5月30日
対照的だけど支えあう陰陽の考え方

やる気の“気”でおなじみの“気”について今日はお話ししましょう。

基本哲学の一つに“気”という思想があり、東洋医学にはさまざまな“気”が登場します。
気とは生命を動かすエネルギーであり、人間の体内をはじめ、地球上の自然など森羅万象にも存在しているとされます。
これらのエネルギーや物事は、すべて陰と陽に分けて考えることができます。
たとえば、春から夏にかけて人間や生き物たちが活発になることを「陽気が活発になる」、秋から冬に向かって寒くなり、内側へエネルギーを溜め込むことを「陰気が活発になる」といいます。
ほかにも、「男性は陽で、女性は陰」、「昼や太陽は陽で、夜や月は陰」などと分類されます。

また、 食材を陰陽論で考えるマクロビオテックの考え方もあります。
「夏にとれる野菜は陰性で、体を冷やす性質が強い」、「冬にとれる野菜は陽性で、体を温める性質が強い」などと考え、調和の取れた食事をつくります。
陽がなければ陰はなく、陰がなければ陽はありません。

このように陰陽は、対照的でありながら、相互的に共存し、季節のように常に変化しています。

健康とは陰と陽のバランスがうまく保てている状態。バランスが崩れた状態が未病の状態になり、病気に発展します。
自分の身の回りの陰陽を考え、偏りすぎないように意識するだけでも体のバランスは整えられます。
気づいたことから実践してコツコツと積み重ねていきましょう。

今日もよい一日をおすごしください。

※参考文献：『図説東洋医学』 （著／山田 光胤・代田 文彦・はやし浩司　学習研究社）、『全改訂版 薬膳漢方検定』（監修／薬日本堂　実業之日本社）

illutration：moxies　edit：Nao Yoshida

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