世田谷・松陰神社で花屋『duft』を営む若井ちえみさん。お店は、削ぎ落とされたシンプルな空間に、個性のある花が並んでいます。そんな若井さんのこだわりや好きなものとは?
“好き”を追求すると 自分らしさにつながる
「現代アートの簡単に理解ができないところが好きですが、花もきれいにまとめすぎるより、あえて色も形も異なるものや、一見合わなそうなものを組み合わせたり、同じ花でも丈の合わせ方やバランスを崩して、見え方の可能性を探るのが好きです」と話します。
オープン当初は自分の店らしさについて、模索していたのだとか。「最初とは扱っている花や花の作り方も全然違うし、周囲から影響を受けて“私はこういうものが好き”とわかってきました。これからも変化し続けたいですね」
年数を重ねて、 ますます溢れる花への想い
色や形、模様などそれぞれに個性があるところに、花のおもしろさを感じているという若井さん。「生産者さんを訪ね、どのように生えているか、育てられているかお話を聞くようになり、いろいろな花に触れることで、どんどん興味が増してきた気がします。自宅に飾って花の変化を見ていると気づかされることも多く、お客さんにも正確な情報を伝えたいですね。どんな花でも素敵に見せられるお店でありたいなと思います」
花の可能性を広げる、 花器の素晴らしさ
店内にはいろいろな形、色の、なかなか見ることができない個性的な花器がずらり。国、年代もさまざまなヴィンテージのものや、作家による花器を集めているそう。「最初は透明の花器を扱っていましたが、色のある花器を使い始めたら、こんなに花の見え方が変わるんだと驚きました。花に合うかどうかは好みで、花器にはいろいろな可能性があります。花と一緒に買いたいという人には、花を合わせながら様々な可能性を一緒に考えます」
ファッションが教えてくれる色合わせの楽しさ
この日は、花が大きくプリントされた「Meryll Rogge(メリルロッゲ)」のワンピースに、「PAULA CANOVAS DEL VAS(ポーラ カノヴァス デル ヴァス)」のヒールを合わせて。
「セレクトショップで働く夫と知り合って、洋服の幅が広がりました。服の色の合わせ方、変わった組み合わせなどから刺激を受けて、花の選び方も変わり自分らしさになっていったと思います。お店ではお気に入りの服を着て、テンションを上げたいです」
花作りのインスピレーションをくれる建築デザインの写真集
内装は花が際立つ美術館のようにしたいと相談し、教えてもらったのがドイツの“バウハウス”。「花のことで迷ったら、建築の写真集を見て、何が好きかを確認することも。ジャンルを問わず、広く興味を持ち続けたいです」
『duft』オーナー・若井ちえみさん profile
photograph:Masanori Kaneshita text:Mayumi Akagi web edit:Riho Abe
リンネル2022年3月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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