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:NISA、iDeCoのメリットとおすすめの投資先は? 資産の備え方をお金のプロに聞きました:将来の不安を解消するマネープラン⑤
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:将来の暮らしに向けて、資産を蓄えたい人におすすめなのが、「NISA」と「iDeCo」の投資制度。その特徴やメリット・デメリット、賢い投資先をお金のプロであるファイナンシャル・プランナーの丸山晴美さんが解説します。
教えてくれたのは…丸山晴美さん
NISAのメリットは?
「NISA(ニーサ)」とは、少額から投資を行う人のために2014年1月からスタートした少額投資非課税制度のこと。
2024年1月に制度が大幅に変更となり、投資の上限額が広がったり、非課税期間が無期限になるなど、より柔軟に利用しやすくなりました。
NISAのメリット①
無期限で、税金を引かれずに
投資の利益を100%受け取れる
通常、株や投資信託などで得た利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で運用して出た利益には税金がかかりません(非課税)。
例えば、株式投資をして10万円の利益が出た場合、NISA口座以外の証券口座の場合、約2万円の税金が引かれて手元に残るのは約8万円。一方、NISA口座で出た利益の場合はまるっと10万円が手元に残るということ。
さらに、NISAには非課税期間の縛りがなく、一生涯ずっと非課税の恩恵が受けられるので、コツコツ運用し続ければ、老後資金をより長持ちさせることができます。
NISAのメリット②
年間投資額が最大360万円!
資産が増える可能性が拡大
NISAには、金融庁の基準を満たした投資信託の商品が対象となる「つみたて投資枠」(年120万円まで)と、個別株、投資信託などに幅広く投資できる「成長投資枠」(年240万円まで)があります。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用することが可能で、合わせると年間360万円まで投資ができます。
生涯で投資できる金額は1800万円まで(そのうち「成長投資枠」は1200万円まで)。旧NISAに比べて投資できるお金が増額した分、非課税のメリットも大きくなります。
NISAでは何に投資すればいい?
投資初心者は、「長期・積立・分散」に適した投資信託を選ぶのがベター。
投資信託は、「インデックス・ファンド」と「アクティブ・ファンド」に分類できます。「インデックス・ファンド」は、日経平均株価やTOPIXといった指数に連動した投資信託。一方、指数を上回る、または指数に捉われずにリターンの獲得を目指す投資信託が「アクティブ・ファンド」です。
iDeCoのメリットは?
「iDeCo(イデコ)」は、正式には「個人型確定拠出年金」といい、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に、掛金と運用方法を決めて長期運用する私的年金制度の一つ。
職種や雇用形態を問わず、公的年金の被保険者であれば、原則誰でも加入できます。
iDeCoのメリット
掛金が所得控除の対象になり、
運用利益にも税金がかからない!
iDeCoで積み立てた資産を引き出せるのは、原則60歳以降になります。10年以上の加入期間が必要で、職業などによって掛金の上限が異なります。
iDeCoの掛金の全額が所得控除の対象となり、年間の所得税と住民税の負担を減らせます。さらに、運用期間中の利益に対する税金が非課税、受け取り方によって税制優遇があるなど、節税効果が大きいのが魅力!
iDeCoでは何に投資すればいい?
iDeCoで積み立てする商品は、元本割れのリスクがない定期預金や保険、元本割れのリスクが伴う債券や投資信託、株式など、幅広い金融商品から選ぶことができます。
iDeCoの場合も、NISAと同様、「長期・積立・分散」に適した投資信託の商品を選ぶのがおすすめです。
「iDeCoは、原則60歳まで引き出せないため、リスクを抑えて安定的な資産づくりをしたい場合は、貯蓄型保険、債券などを選ぶという手も。運用する商品は、途中で変更することもできます」
※投資には、投資先の値動きにより、元本割れなどのリスクが常にあることを理解して、ご自身の責任において行うようにしてください。また、投資商品を購入するには、証券会社の口座が必要になります
リポートした人 Profile
マネーライター みとも はやみ
編集プロダクション、出版社の勤務を経て、2011年よりフリーランスで活動。
20年以上、生活情報誌を中心に家計やりくりにまつわる記事の編集・取材・執筆に携わる。これまでに取材した実例は、延べ1000件以上。
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Illustration:Kayo Yamaguchi text & edit:Hayami Mitomo
※写真・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください
リンネル2025年3月号より
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「初心者の場合は、『つみたて投資枠』でも『成長投資枠』でも、長期・積立・分散に適したインデックス・ファンドの商品を選ぶといいでしょう。
インデックス・ファンドは、ほかの投資信託に比べて信託報酬などの手数料が安いので長期保有するのに向いています」