LIFESTYLE
:菊池亜希子さん「リンネルは丸ごと受け入れてくれる居場所」【リンネル創刊15周年リレーインタビュー vol.2】
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:リンネルの15周年を記念し、ゆかりのある皆さまへのインタビュー企画を連載中!
今回お話を伺ったのは、リンネル創刊当初から誌面を一緒に盛り上げてくれた菊池亜希子さん!
おしゃれのこと、暮らしのこと。どちらも自分らしく楽しむ菊池さんの姿は、リンネルにとってお手本的存在。ともに歩んできた15年を語ってくださいました。
今回お話を伺ったのは…
菊池亜希子さん PROFILE

「リンネル」のおかげで自分自身の解像度が上がりました

BLACK SWAN CREAM PUFFS !!
―創刊当時から、「リンネル」にとって菊池さんはファッションとライフスタイルのお手本的存在でした。
3号目で菊池さんを深掘りする「A to Z」企画に出演が決まったときは、編集部が沸き立ったのを覚えています
こちらのほうこそ嬉しかったことを覚えています。
16歳でモデルデビューして、ストリート系からモード系まで、さまざまな雑誌に出させてもらうなかで、だんだんと自分の個性とか居場所を考えるようになって。
やっと定まってきたころで「リンネル」に声をかけてもらったんです。
「好きなものをそのまま紹介して大丈夫です!」って言ってもらえて、自分の居場所としていいんだってことが嬉しかったですね。
― 久しぶりに見返してみて、どうですか?
全然変わってない! 今も使っているアイテムもあるし、紹介した本は今でも読み返します。
好きな世界観やときめく基準は変わってないですね。
そして当時から「リンネル」には暮らしを大切にするマインドが共通していれば、ファッションの方向性が違っても大丈夫っていう雰囲気がありましたね。
自分の軸を持っていて、それが素敵な人というのを大事にしているんだなって。
全部私服で登場した A to Z 企画!

誌面を見ながら、「相変わらずフリルも好き。新しく始めた服作りのプロジェクト「fofofofa」にもそれは生かされてます」と
菊池さん。そして、愛犬のワカメちゃんも元気だったころ。
「この日ワカメは撮影中にスタジオを脱走したんですよ。ワカメ~」と舞台裏を懐かしみながら、ホロリ。
連載「またたび」、「へそまがり」もスタート

―その後始まった連載「またたび」では、さまざまな場所へ行っていただきました。
行き先を一緒に考えるのが楽しかったですね。
30歳前後で仕事が忙しい時期だったので、この旅の時間があったからこそ生き延びることができた。
東京から離れて、別の街で暮らす人に会って、話を聞くことがインプットの時間になりました。
それが別の仕事にも活かされた気がします。
日常に戻るためにも旅に出ることがいい循環になっていました。
―この15年の間に結婚され、お子さんも生まれて。ライフスタイルの変化のなかで次の連載「へそまがり」が始まりましたね。
編集長の西山さんに「今の丸裸な気持ちを書いてほしい」とお題をいただいて。
目まぐるしく日々が変わるなかでのファッションに対する悩みや、子育てと仕事の悩みなど正直に書かせてもらいました。
常に曲がり道を行く自分の性分を表現して、「へそまがり」というタイトルをつけました。
考えすぎちゃう自分を、めんどくさいなとも思うんですけど、それもひっくるめて自分だよねって。
―毎月3000字に及ぶ原稿、生みの苦しみはなかったですか?
それはそれは結構なカロリーでした(笑)。でも、原稿のために、日々の出来事やそのときに感じたこと、違和感などをメモするようになって。
「この気持ちの正体ってなんだろう」と、思うことをそのままにしないで、決着をつけるみたいな役割がこの連載にはありました。
自分の思いを整理する意味でも、宝物のような時間でしたね。
自分自身の解像度がすごく上がった気がします。
―編集部では読みながら涙することもありました。
言葉選びはすごく大事にしていました。予定調和で出てくる言い回しではなくて、自分の言葉に変換して。
書きながら「心地いい音」を探すような。
それを引っ張り出すのに苦労しましたが、読んだ方から感想をいただいて励みになりました。
書いていることは私の個人的な事柄なのに、近い距離で読んでくださって、自分ごととして受け取っていただけたのは嬉しかったですね。
連載スタートはなんと2013年から!

右)連載「またたび」で出会った人からたくさんのものを吸収し、今の自分があると菊池さん。
「会いたかった作り手さんにも会え、今でも交流が続いています」
左)日々考えたことをメモに取り、2~3か月寝かせたところで執筆したという連載「へそまがり」。
「今は書く代わりに、夫に聞いてもらってます(苦笑)」
\後半はアトリエへ!/
ここからは公私ともに交流のある滝口和代さんと
振り返る15年とこれから。


菊池亜希子さんとは2023年にゆるりとものづくりプロジェクト「fofofofa」を始動。
「リンネル」から繋がった二人で健やかな服作りを始めました!
―5年の間で菊池さんにとっての大きな変化といえば?
家族ができたことは大きな変化ですよね。
子育ては子どもの目線を通して、自分も子ども時代をもう一度やっているようで楽しいです。
やることも考えることも倍なんですけど。
日々がすごい愛おしい、はかないものだと思いながら、子どもたちに挟まれて寝るのが幸せですね。
そして今だけを生きている子どもたちを見ていると、私も「今」を生きなきゃって思うようになったかな。
今、自分が楽しいほうを選ぼうって。
―そんななかで始まったのが、滝口和代さんとのもの作りのプロジェクト「fofofofa」なんですね
菊池さん和代ちんとは、ずいぶん前に雑誌の企画でご一緒して仲よくなりました。
共通の友人が多かったり、子どもも同じ年だったりして。
滝口さん育ての悩みとかもよく相談したよね。
背格好が似ていることもあって、着ている服をみて「それどこの? 私もほしい〜」って言ったりして。
菊池さん和代ちんは洋服に関してすごくオタクで。
リネンの服の風合いを出すために、洗って絞って部屋にかけてるとか! 刺激をいっぱいくれる存在でした。
滝口さんnest Robeでコラボ企画があったときには、一緒に工場まで行くほど、あっこちゃんのもの作りの熱意はすごくて。
「やりたい」「ほしい」「作りたい」っていうテンションと歩幅が一緒なんだと思います。
菊池さん自然な流れで「こんな服あったらいいよね」という話になって。
マイペースに作りたいものを作れたらいいよねって話すようになったんです。
別注したお揃いのオールインワンです

ひと口に白い生地といっても数十種類。手と目で確かめながら生地を選ぶところから服作りは始まる。
写真右で2人が着ているのは毎シーズン別注しているYARMOのオールインワン。
「イギリスのおばあちゃんたちが作る老舗メーカーとのものづくりをしています」
お互いの経験が「fofofofa」として結ばれた

―「fofofofa」はあくまでマイペースに、ということを大事にしていると。
菊池さん純粋に作りたいものがあるとか、紹介したいものがあるとか。
心を突き動かす何かがあるかどうかを大切にしていますね。
無理はしない。お互いに「いいね」と思えるものだけ作る
滝口さんお互い仕事はあるし、ブランドとして回していくことを主軸におくと無
理が生じてくる。楽しく始めたことが「仕事」になってしまうのは本末転倒だから。
―菊池さんはたくさんの服を見て、着て、伝えてきた経験。
滝口さんは服を作り、伝えてきた経験。お互いがそれぞれの道で極めてきたことが、結ばれた感じですね。
滝口さん
大勢の人に手に取ってもらえる服かというと、そうじゃないかもしれなけど、自分たちにとってはものすごく必要で。
たとえば白い生地ひとつ選ぶのも、制作までの過程も大変なんですけど、「辛い」になったら意味がないと常に思ってますね。
菊池さんおしゃれが好きでもの作りに興味があるという、ポジティブな気持ちをエネルギーにする企画なのに、そもそも苦しんでたらねって。
責任を持ってやるけど「楽しい」が先、というか。
滝口さん
健やかに。それぞれの仕事でヒーヒー言ってるときも、お互いに背中をさすり合うみたいな。
菊池さん
それぞれの場所での素敵な出会いを共有しながら、輪を広げていく。
少しずつ続けていけたらいいなと思います。

右はソンブレロをかぶって音楽を奏でる人物が刺しゅうされた「マリアッチデニム」。
山形のお母さんたちによる手刺しゅうだとか。「実は師範にもなれる技術を持った方々なんです」。
左は菊池さんのフリル好きが高じて作ったフリルのブラウス。
リンネル読者にメッセージ

―最後に15年目を迎える「リンネル」へメッセージをお願いします!
少しずつ変化しながらも、「リンネル」にはずっと変わらない空気感があって。
相変わらずの安心感がほっとさせてくれます。
そして一緒に時代を乗り越えてきた同級生のような心強い存在です。
だからこれからも、ずっと変わらずにいてください!
今回、取材した場所は……
今回、菊池さんが15年を振り返る際の取材場所にと選んだ「POPPY」は、家族や友人たちとともに訪れるお気に入りのお店。
後半は、「自分らしくいられる場所」として菊池さんのアトリエにお邪魔しました!
<strong>「POPPY COFFEE and BAKERY」</strong>
住所:東京都世田谷区弦巻2丁目8-17
電話:03-6413-0208
営業時間:11:00~17:00 水木休
https://www.instagram.com/poppy_tsurumaki/?hl=ja
リンネル創刊15周年記念インタビューをもっとチェック!
photograph: Isao Hashinoki text: Masaki Takeda(Mineosha)
リンネル2025年6月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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きくち・あきこ/俳優、モデル。モデルデビュー後、俳優として映画、ドラマ、舞台、CMなどで活躍。現在放送中のTBS系日曜劇場「キャスター」に出演する。文筆家でもあり、著書に『へそまがり』(宝島社)など多数。最新刊『菊池亜希子のありが10(とう)ふく、みせて!』(扶桑社)が発売中。