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今、あらためて考えたい。平和を教えてくれるおすすめの絵本 今、あらためて考えたい。平和を教えてくれるおすすめの絵本

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日常がどれほど貴重で美しく、温かいか。今ほど切実に感じたことはないかもしれません。シンプルなメッセージが響く「絵本」を通して、今いちど平和について考えてみませんか。7名のセレクターが選ぶ、平和を教えてくれる絵本14冊をここでご紹介します。

目次
今、あらためて考えたい。平和を教えてくれるおすすめの絵本
  1. 菊池亜希子さんが選んだおすすめ絵本
  2. 高山なおみさんが選んだおすすめ絵本
  3. 若木信吾さんが選んだおすすめ絵本
  4. 佐々木 信さんが選んだおすすめ絵本
  5. tupera tuperaさんのおすすめ絵本
  6. 吉村 祥さんが選んだおすすめ絵本
  7. 山村光春さんが選んだおすすめ絵本
  8. おすすめの絵本を教えてくれた7名profile

菊池亜希子さんが選んだおすすめ絵本

『よるのかえりみち』

絵本『よるのかえりみち』
みやこしあきこ/¥1,430(偕成社)

「たくさん遊んで眠くなったうさぎの子どもが、母親に抱っこされて家路に就く。自分にとって帰るべき大切な場所があるように、夜闇に浮かぶ美しい家々の明かりの数だけ守られるべき暮らしがあること、他人の大切なものに想像力をはたらかす大切さを教えてくれる。シンプルな物語ですが、静かでやさしい絵本です。夜、娘を抱っこして歩いていると、『よるのかえりみちみたいだね』と、ぎゅうと首にしがみついてきます」

『ともだちつれてよろしいですか』

絵本『ともだちつれてよろしいですか』
ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ 作、ベニ・モントレソール 絵、わたなべしげお 訳/¥1,650(童話館出版)

「王様との食事会に友だちを連れて行こうとする“ぼく”。王様は『ともだちのともだちなら大歓迎』と迎え入れます。友だちの友だちまで愛することは案外難しいものですが、それができれば世界の悲しい争いは減るのでは、と思います」


高山なおみさんが選んだおすすめ絵本

『森のおくから』

絵本『森のおくから』
レベッカ・ボンド 作、もりうちすみこ 訳/¥1,540(ゴブリン書房)

「山火事のために湖へと避難した人々のもとに、炎と煙をぬけて森の動物たちが集まってきます。『ぬれた動物のからだから、ゆげが立ちのぼり、つよいにおいがします。呼吸とともに、胸のあたりがふくらんだり、へこんだりするのもわかります』。大きくて凶暴な動物も、小さくてか弱い動物も、いろいろな国の言葉を話す人間たちもみな、命を守るということの前では清らかで、犯しがたく、とても生々しいのだと思います」

『わたしが 山おくに すんでいたころ』

絵本『わたしが 山おくに すんでいたころ』
シンシア・ライラント 文、ダイアン・グッド 絵、もりうちすみこ 訳/¥1,540(ゴブリン書房)

「真夜中の草むらをトイレまでついてきてくれた祖母。日曜日は教会に変わる学校に集う村人たち。祖父母に預けられた少女の静かであたたかな思い出が、山奥で共生する人々の地面とつながっているような歓びの日々を教えてくれます」


若木信吾さんが選んだおすすめ絵本

『はじまりの日』

ホフディランの絵本『はじまりの日』
ボブ・ディラン 作、ポール・ロジャース 絵、アーサー・ビナード 訳/¥1,760(岩崎書店)

「美しくシンプルな祈りの言葉が希望ある絵と同居している、とても勇気をもらえる絵本です。1974年に発表され、老若男女に世界中で歌われてきたボブ・ディランの原曲『Forever Young』は、それほど若くないひとに送られた歌かと思っていましたが、むしろ子どもたちに送るメッセージあふれる本に生まれ変わっています。爽やかな絵と、アメリカ生まれの日本語詩人による翻訳の力だと思います」

『しあわせなときの地図』

絵本『しあわせなときの地図』
フラン・ヌニョ 文、ズザンナ・セレイ 絵、宇野和美 訳/¥1,540(ほるぷ出版)

「戦争により、生まれ育ったまちから逃げることになった少女の物語。戦争反対や平和がテーマというより、不可避なことに対して非力な子どもが自分の人生を肯定するためおこした精一杯の行動を描いた、勇気をくれる本です」


佐々木 信さんが選んだおすすめ絵本

『みどりのゆび 愛蔵版』

絵本みどりのゆび 愛蔵版
モーリス・ドリュオン 作、ジャクリーヌ・デュエーム 絵、安東次男 訳/¥2,860(岩波書店)

「絵本というより児童文学ですが、いま子どもたちに読んでほしい一冊です。主人公・チトのおとうさんは、おとうさんのおとうさんから引き継いで、大砲や鉄砲を製造する工場を営んでいます。大人たちは『戦争をのぞむ人間はひとりもいない。だが戦争はけっしてなくならない……』と言いますが、チトはどうしたら戦争がなくなるかを考え、そして行動を始めます。この本が、こんなにリアルに響くことになるなんて」

『しあわせハンス』

しあわせハンス絵本
グリム 作、フェリクス・ホフマン 絵、せたていじ 訳/¥1,430(福音館書店)

「奉公を終えたハンスは、故郷へ帰る道すがら、出会う人々と物々交換をしながら次々とほしいものを手に入れていきますが……あれあれ?家に着く頃にはほとんど何も持っていませんでした。さて、ハンスはどんな旅をしたのでしょう」


tupera tuperaさんのおすすめ絵本

『ほら、ここにいるよ このちきゅうで くらすためのメモ』

絵本『ほら、ここにいるよ このちきゅうで くらすためのメモ』
オリヴァー・ジェファーズ 作、tupera tupera 訳/¥1,760(ほるぷ出版)

「この地球にやって来てまだ間もない子どもたちにも届くように、軽やかに地球を一周しながら、この星の多様性、大切さ美しさを、そっと寄り添うように教えてくれる一冊。人生はあっという間だけれど、いろんな可能性に満ちている。そしてあなたはひとりではなく、たくさんのひとと繋がっている。動物も人間も地球上に住むみんなが繋がりながら、この美しい星を守っていかなければいけないですよね」

『きみとぼくがつくるもの』

絵本きみとぼくがつくるもの
オリヴァー・ジェファーズ 作、tupera tupera 訳/¥1,760(ほるぷ出版)

「心地よく暮らし、そして人生を楽しむために、いろんなものを作りながら生きていく私たち。でも、自分の価値観のなかに閉じこもらないよう、遠い世界にも目を向けること、ときに逃げることも大事だと、温かく伝えてくれます」


吉村 祥さんが選んだおすすめ絵本

『世界のあいさつ』

絵本世界のあいさつ
長 新太/¥1,430(福音館書店)

「おじさんが猫と連れ立って、おもむろに世界のあいさつを体験しにいく、不思議で楽しい絵本。泣きさけぶ、笑いころげる、舌をペロリと出す……世界のさまざまなあいさつが紹介されます。日本で、いま住んでいるまちで暮らして当たり前に思っていることは、ほかのまち、ほかの国では、もしかすると当たり前ではないかもしれなくて。そんなことを楽しんでいけたらいいなと思います。絵がとにかく素晴らしいです」

『りんごかもしれない』

絵本りんごかもしれない
ヨシタケシンスケ/¥1,540(ブロンズ新社)

「子どもたちには、難しいかもしれないけれど、物事を決めつけずにいろんな角度から見てほしい。違っていてもいいから、臨機応変につねに考えを巡らせてほしい。そう思っています。想像する楽しさを教えてくれる絵本です」


山村光春さんが選んだおすすめ絵本

『海峡のまちのハリル』

絵本海峡のまちのハリル
末沢寧史 文、小林 豊 絵/¥2,970(三輪舎)

「生まれた国も境遇も違うふたりの少年たちが海峡のまちで出会い、友情を深め、自分を見つめ直していく。違う民族、違う国の人と出会うときのおっかなびっくり、でもどうしようもなく惹かれ胸を焦がす気持ちは、『違う』からこそ、また違うといっても『分かちあえる』ところがあるからこそ花開くのだということを、あらためて気づかせてくれた絵本。絵、文章、そして印刷。それぞれの職人仕事のものすごさにも圧倒されます」

『ともだち』

大橋歩の絵本ともだち
大橋 歩/¥1,980(LITTLE 文庫)

「国家や民族という単位を『ひと』にたとえて考えると、平和への思いは自分ごとになりやすい。関係性の始まりであり、究極のかたちでもあるともだちのよさ、その神髄が、ファニィな犬の絵とともにシンプルに描かれた絵本です」


おすすめの絵本を教えてくれた7名profile

菊池亜希子が紹介する絵本
菊池亜希子さん
モデル・女優。また、『菊池亜希子ムックマッシュ』(小学館)や書き下ろし絵本が入った『絵本のはなし』(白泉社)、イラストエッセイ『へそまがり』(宝島社)『おなかのおと』(文藝春秋)など、著書も多数。
高山なおみ
高山なおみさん
料理家・文筆家。日々の実感をもとに、料理本、エッセイ、絵本を多数手がける。近著に『自炊。何にしようか』(朝日新聞出版)、『日めくりだより』(扶桑社)、『帰ってきた日々ごはん〈10〉』(アノニマ・スタジオ)など。
若木信吾
若木信吾さん
写真家。ロチェスター工科大学写真学科卒業。映画製作、書店経営など幅広く活動する。発行人を務める出版社・ヤングトゥリーから、2018年に絵本レーベル・若芽舎をスタート。
佐々木 信
佐々木 信さん
グラフィックデザイナー。3KG代表。現在は札幌に在住し、子どもと、子どもを育てる大人に向けた新聞『庭しんぶん』を毎月発行する。
tupera tuperaの絵本
tupera tupera
亀山達矢と中川敦子によるユニット。絵本、イラストレーション、工作、ワークショップ、アートディレクションなど、幅広く活動。『かおノート』(コクヨ)『しろくまのパンツ』(ブロンズ新社)『パンダ銭湯』(絵本館)『やさいさん』(学研プラス)など著書多数。
吉村 祥
吉村 祥さん
FOLK old book store店主。大阪・北浜で古本、新本、個人出版本、服、食器、雑貨などを販売。 2021年12月、隣に児童書を中心にした子どもの本屋ぽてとをオープン。
山村光春
山村光春さん
BOOKLUCK代表。『リンネル』BOOKページを担当。カフェやインテリア、雑貨、デザインなど暮らしまわりを中心に編集・執筆をおこなう。東京・福岡で2拠点生活中。

edit & text:Mitsuharu Yamamura(BOOKLUCK), Masahiro Kosaka web edit:Riho Abe
リンネル2022年7月号より
※写真・文章の無断転載はご遠慮ください

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