北欧
:世界中のサンタが北欧に集う「世界サンタ会議」に密着 in 夏のデンマーク【前編】
北欧
:2025年7月、デンマーク北部の街・オールボーで「世界サンタクロース会議」が開催されました。1957年に始まったこの歴史あるイベントは、世界各地のサンタさんやミセスサンタさんが一堂に集い、交流する特別な集いです。
今回は、サンタクロースの世界を撮影することをライフワークとしている写真家・角田明子さんが現地からレポート。夏の青空の下、世界中のサンタさんたちが笑顔で集い、やさしさと喜びを分かち合う光景をお届けします。
こちらの前編では、角田さんがサンタの世界に魅了されたきっかけや、これまでの世界サンタクロース会議についても教えていただきました。
サンタ会議をレポートしてくれるのは…
フォトグラファー・角田明子さん
「穏やかで優しい時間と希望の光」をテーマに広告、雑誌などさまざまな分野で幅広く活動中。サンタの世界に魅了され、サンタクロースたちの撮影をライフワークにしている。Instagram(@akiko_tsunoda)では、サンタクロースの愛らしい写真を定期的に更新中!
サンタの世界に魅了された理由
きっかけは、子どもが小学生だった頃に聞かれた、ある質問から……
はじめまして。写真家の角田明子と申します。
普段は『リンネル』をはじめ雑誌や広告で撮影をしていますが、もうひとつのライフワークが「サンタクロースの世界を撮影すること」です。
2023年に参加した世界サンタ会議にて。世界のサンタさんたちとの集合写真
サンタクロースに魅了されたきっかけは14年前。当時、小学生だった子どもたちに「サンタさんって本当にいるの?」と聞かれて、答えに迷ってしまいました。
そこで、以前読んだ、グリーンランド国際サンタクロース協会公認サンタクロース・パラダイス山元さんの著書『サンタクロース公式ブック〜クリスマスの正しい過ごし方〜』に登場していた、世界サンタクロース会議のことを思い出しました。
写真家としても惹かれる光景に、「一度サンタさんに会って聞いてみよう」とカメラを持ってデンマークへ。
幸運にもサンタファミリーと出会い、それ以降はイベントなどで写真係として呼んでいただいたり、私も撮影をお願いしたり、サンタさんとの交流が始まりました。
2011年に初めて訪れた世界サンタ会議にて。このときの出会いをきっかけにサンタクロースの世界に入り込みました!
クリスマスシーズンだけでなく、一年を通してやさしさや喜びを分かち合う心「サンタスピリット」を届け、サンタとしての暮らし=サンタライフを心から楽しむ彼らの姿に、とても惹かれます。
私はその世界を、子どもたちはもちろん、多くの人々や他のサンタさんたちにも伝えたくて、“PRESS for Santa Claus(サンタさんのためのプレス)”としてサンタさんの活動や思いを記録し続けています。
「世界サンタクロース会議」って?
世界サンタクロース会議は、1957年にコペンハーゲンの遊園地・バッケンで始まりました。
残念ながらコロナ禍には一時中断されたこともありましたが、現在は、デンマーク・ユトランド半島北部の街オールボーや、カナダ・ナイアガラなどでサンタクロース会議が開催されています。
会議には、世界中からサンタクロースが集まります。
コロナ禍直前の2019年のサンタ会議にて。アルネ・ヤコブセンがデザインを手がけたベルビュー・ビーチでの記念写真
デンマーク、アメリカ、カナダ、日本、ヨーロッパ各国など、多様な国々から参加者が訪れています。
アメリカ、イギリス、カナダ、フィンランド、日本、デンマークのサンタさん
北欧発祥の妖精・ニッセ。サンタさんをそっと手伝う、小さなお助け係たち
会議の主な目的は、サンタクロース同士の交流と情報共有、そしてクリスマスシーズンに向けた準備、さらにサンタスピリットの普及です。
コペンハーゲンで開催されていた頃の会議では、クリスマスプレゼントの選び方や、「日本の高価なゲーム機はプレゼントとしてふさわしいか」といった倫理的・社会的なテーマ、また「最近は煙突が小さくなっているため、子どもたちから15〜20枚もらっていたクッキーの数を少し控えよう」といった健康対策など、サンタの仕事に関わる、さまざまな実務的な問題が話し合われていました。
世界サンタ会議の会場として長い歴史を見守ってきたコペンハーゲン郊外にあるバッケン遊園地。ズラリと並ぶ切り株の椅子には、長年にわたり参加しているサンタさんの名が刻まれたネームプレートがついていましたが、コロナ禍の影響でこの会場はなくなってしまいました。
また、参加者は開催地でのパレードや街歩き、ワークショップなどを通じて地域の子どもたちと交流し、地域貢献や慈善活動にも積極的に関わります。
単なる職務会議ではなく、人々に喜びを届ける知恵と工夫を分かち合う、サンタさんたちの想いがあふれる心あたたまる国際交流の場となっています。
\過去のサンタ会議の様子はこんな感じ!/
コロナ禍後は規模こそ小さくなったものの、その分サンタさん同士や人々との距離が近づき、より温かく、心に残るイベントになっています。
コロナ禍後、2023年カナダのオンタリオ州ナイアガラで開催された世界サンタ会議にて
真夏に広がるサンタスピリット
「世界サンタ会議」現地レポ
今年7月、私はカメラを手に北欧デンマークへ。
目的はもちろん、世界サンタクロース会議です。開催地は昨年から、コペンハーゲン郊外からユトランド半島北部のオールボーへと引き継がれました。会議自体は再開していましたが、私の参加はコロナ禍前の2019年以来、6年ぶりとなります。
久しぶりの再会に、喜びあふれるサンタさんやニッセ、街のみんな
久しぶりに再会したサンタさんやお手伝いニッセたち、新たに出会えたサンタファミリーも。皆さん、こだわりの衣装に身を包み、変わらぬ笑顔を交わすだけで心が弾みます。
喜びの再会を果たした後は、みんなで街の中心地にツリーを運び、オールボーの人々と夏のクリスマス会が始まりました。
歌が得意なサンタさんがクリスマスソングを奏で、みんなで輪になって踊る光景に、子どもも大人も自然と笑顔に。
サンタさんたちが「HoHoHo!」と声をあげながらオールボーの街を歩く
オールボーの街をパレード中のミセスサンタさん
みんなで楽しんだ後は、サンタさんたちが街をパレード。
「HoHoHo!」という掛け声が町中に響き渡り、まるで真夏にクリスマスの魔法にかかったようで、心が温かくなりました。
記事後編では、サンタ会議の期間中に、サンタさんたちと訪れたオールボー周辺のおすすめスポットをご紹介します。
美しい街並みや地元の人々との温かな交流もたっぷりとお届け。どうぞお楽しみに!
photograph & text:Akiko Tsunoda edit:Riho Abe Special Thanks:グリーンランド国際サンタクロース協会、Dansk Julemands Laug、The Santa Family
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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