CULTURE

中村倫也さん「文章は音色。自分らしいフレーズを大切にしたい」/新刊『THE やんごとなき雑炊』インタビュー 中村倫也さん「文章は音色。自分らしいフレーズを大切にしたい」/新刊『THE やんごとなき雑炊』インタビュー

あえてレシピ通りに作らない「ただの俺」シリーズ

━━全20個のレシピのなかで、中村さん本来の自由な料理スタイルを披露しているのが『ただの俺』シリーズ。先生の指導を受けずに一人で作ったもので、お手本とは全く違う出来上がりが楽しくて興味をそそられます。さらに、最後の一つは書籍撮り下ろしで、中村さん自身が考えた雑炊レシピを紹介。

 

「『ただの俺』は、先生のレシピのまんま作ったら意味がないじゃないですか。だから、テーマだけ見て、後は食材を選んで自分流にアレンジしました。罠のように関係ない食材も置いてあるから、本当に自由に好きなように(笑)。先回りしてゴマをするすり鉢を出されても、『いらん、いらん』ってね。頭の中でイメージした味になるから自分としてはおいしいんですが、本音をいえば、自分の枠を超えてないから学びが少ないし、タイトルをつけるのも難しかったですね」

 

━━料理のプロセスと雑談がクロスオーバーする誌面からは中村さんのお茶目な一面や遊び心が垣間見え、俳優業のときとはまた違う顔を見せています。ショートエッセイは料理を手掛かりに、自身のルーツを振り返ったり、日常の出来事に思いを寄せたりと、生き方や日々の生活の思考にも触れられるのが魅力です。

 

「ショートエッセイでは食べた雑炊にまつわるものや頭にポンと浮かんだものを書いていたんですが、『ただの俺』のときはそれも難しくて。料理が俺流な分、いろいろなことを引っ張ってきて頑張って書きました。後半は、ささやかに深く掘ったようなことも書いているんですけど、僕の中ではメインはあくまでも雑炊で、エッセイは主張しすぎないお供のようなものかな」

中村倫也さん『THE やんごとなき雑炊』

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