大橋トリオ & THE CHARM PARK「音楽を通じて会話する様子を残したかった」/アルバム『Trio & Charm』インタビュー 大橋トリオ & THE CHARM PARK「音楽を通じて会話する様子を残したかった」/アルバム『Trio & Charm』インタビュー
アコースティックギターをメインにしたシンプルなサウンドで、温かみのあるサウンドを作りだしている、大橋トリオさんとTHE CHARM PARKさんが初のコラボ・アルバムをリリース。その制作秘話や、最近の暮らしのこだわりなどをおうかがいしました。
ライブで恒例のふたりのセッションを作品に
大橋トリオさん(以下大橋):CHARMくんとは、ライブでセッションをすることが多くて、それをいつか作品にすることができたらという話は以前からしていました。今回、ふたりのタイミングがあって実現したという感じですね。
THE CHARM PARKさん(以下CHARM):大橋さんの音楽はずっと好きで聴いていました。北米で一番耳にしていたといえるくらいに。やがて、日本で活動をするようになり、幸いにも大橋さんのサポートで一緒にツアーを廻らせていただくようになりました。そこで、ふたりでセッションするのが、恒例になっていったのです。それが積み重なっていくうちに、音楽を通じて会話をしている様子を作品として残しておきたいという思いが強くなり、今回のアルバムが完成しました。
━━アルバムを作るにあたり、テーマやルールを設けたりしましたか?
CHARM:このふたりでしか作れないような音楽を作らなきゃいけないなという気持ちはありましたね。
大橋:ライブでちゃんと演奏できるように、無茶なことはしないようにも心がけましたね。
━━確かに。おふたりの息のあった雰囲気が伝わってくるものでありながらも、丁寧に音楽を奏でている姿も感じるサウンドになっていますよね。
大橋:そうですね。一緒に演奏する機会が多いので、馴れ合いにならないように、ひとつひとつの音を吟味しながら制作していきましたね。
━━結果、陽だまりのような温かみのある楽曲ばかりが収録されていますね。書き下ろし曲はもちろん、お互いの楽曲のセルフカバー、さらにカバー曲などで構成されています。
大橋:まず、カバー曲を収録したいという話になり、そこからオリジナルも制作しましょうという流れになったという感じですね。CHARMくんが、2曲目に収録されている「The Yonder」を制作して、じゃあ自分はこういうものを作ったらいいのかなとか考えながら、自然とバランスをとりながら、アルバム全体が完成していったという感じですね。
━━「The Yonder」は、どういうきっかけで生まれたものなのでしょう?
CHARM:ふたりのアコースティック・ギターと声しか入っていない楽曲ですね。Yonderという言葉は、アメリカ南部でビヨンド(その先)という意味で使われている方言みたいなものです。いろんなとらえ方をしていただきたいのですが、新しい世界を感じていただけるような楽曲にしようと心がけて、制作しました。
大橋:アコースティック・ギターでセッションするにあたって、絶対に入れたいと思う要素を表現できた楽曲になったと思います。
━━おふたりの息のあった雰囲気が伝わってきますね。冒頭のインスト曲「16mm」も、セッションしている風景が見えてくるような仕上がりです。
大橋:あれは最後の最後に何か入れた方がいいと思って、無理やり作ったという感じでして(苦笑)。締め切りまで、1日か2日くらいしかないなかで楽曲を制作するのは、意外とアイデアの火がつくところがありまして。時間をかけてじっくり作るよさもあるのですが、締め切りが迫っていると、自分のインスピレーションを、一番反映できるところがあるのかもしれませんね。
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