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浜島直子さん新刊インタビュー! 読むほどに心が整う、喜怒哀楽36篇のエッセイ集『キドアイラク譚』発売 浜島直子さん新刊インタビュー! 読むほどに心が整う、喜怒哀楽36篇のエッセイ集『キドアイラク譚』発売

リンネル編集部
浜島直子『キドアイラク譚』リンネルインタビュー

「もう、感無量です。喜怒哀楽でいうと“喜”ですね」。そう、両頰に手を当てながらうっとり語ってくれたのは“はまじ”の愛称で親しまれる、モデルの浜島直子さん。
取材時は新刊『キドアイラク譚』の発売前日。心境をうかがったところ“書く”に向きあった日々のことを、うんと教えていただきました。

目次
  1. こんなつまらない自分でも『書く』ことで、別にだめじゃないよなって思えるんです
  2. 新著『キドアイラク譚』
  3. お話を伺ったのは……浜島直子さん

こんなつまらない自分でも『書く』ことで、別にだめじゃないよなって思えるんです

「書くことは、喋ることと使っている脳みそが違う。奥にある感情に、深く潜っていくような感覚なんです。なのでそれが外に出て、読み手に伝わって、初めて完結するものだと思うので。行ってらっしゃい!という気持ちです」

本に書かれているのは、息子さんや飼っているワンちゃんへの「これぞ愛!」なエピソードや、じわんと胸に迫るお母さんとの思い出など。誰にでも起きているであろう、ふとした日常のよしなしごと。それを「キドアイラク(喜怒哀楽)」のカテゴリに分けて展開していきます。

「ひとつの出来事のどこを切り取って、どういう距離感、温度感で書こうかと、自分なりに味つけをして。毎回、出来事を、それぞれの部屋に整理整頓するように、どのカテゴリに入れようかと考えるのが楽しくて」

たとえば、と教えてくれたのが、お子さんが夜中にゲボをした時のエピソード。本来ならば「哀(アイ)」に入りそうな出来事ですが、あえて「楽(ラク)」のカテゴリに入れ、おもしろおかしく綴っています。「マーライオンのようにゲボを噴射し」などといった表現の愉快さったら!

「自分の感情を取り出した時に、それを100%ぶつけるというより読み手に受け取りやすくなるようにしているのかもしれません」

文体も、ベースはやさしい語り口ですが、突如詩のような文章があったり。また短篇小説のような、深い余韻のある一篇が差し込まれたり。いろいろな引き出しがあるのも、飽きずについ読んでしまう理由です。

「ただ、自分が本を出せるなんて本当に夢にも思っていなくて。未だに日記もブログもやったことがないですし、これといった趣味も特技もない、つまらない人間だなと思うんですけど、今は『書く』というツールを得たことで、それでも別にだめじゃないよなって思える。ゆっくり潜り込んで見つめあうことで、いろんなことが昇華されて、傾いていたバランスを戻せる。たった数分間の出来事でも、新たな物語に昇華できるのがうれしいし、自分にマルをあげたい、そう思えるようになったんです」

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