CULTURE

「もしかしたらこのまま死ぬかも」人気マンガ家・雁 須磨子さんが「女子マンガ」を通して伝えたいこととは? 「もしかしたらこのまま死ぬかも」人気マンガ家・雁 須磨子さんが「女子マンガ」を通して伝えたいこととは?

人間のダメなところを読んでホッとしてもらいたい

―雁さんがマンガを描く上で大切にしていることは、詳細をきちんと描くことだといいます。

「マンガを読むときに雰囲気で流してしまわないよう、通帳が出てきたらちゃんと額面を描いたり、自分が読みたいと思うところをちゃんと描くように意識しています。もちろんすべてを網羅するのは難しいですが、聞いて描けるところはできるだけ聞いて、詳しい人が読んだときに表現が変ではないか気をつけています。

でも物語なので、嘘や誇張もあっていいと思うんです。マンガとして自分がおもしろいと思えるかどうかが大切。私はマンガのなかに自分のダメなところが出ることが多いので、ダメなところ、いやらしいところをを見て、〝このくらい思ってもいいんじゃないの?〞とホッとしてもらえたらいいですね」

―そんな雁さんが思う、女子マンガの魅力とは?

「方向性もさまざまですが、瞬間に深くフォーカスして、感情をピン留めするのが秀逸。瞬間の切り取り方に多種多様な『私も』がいくつもあって、共感できるのが女性の豊かさだと感じます。

私のマンガは年齢を問わず、まずは女性の方に読んでもらいたい。男性の方にも知ってもらいたいですし、若い女性にも読んでもらって、40代、いろいろなことがあるけど、いいことも楽しいこともあるんだよと伝えたいです」

『あした死ぬには、』地元の同級生の塔子と久しぶりに会うシーン。「わかる」が詰まっています。

地元の同級生の塔子と久しぶりに会うシーン。「わかる」が詰まっています。


実体験を基に描かれる40代女性のリアル
『あした死ぬには、』¥1,320(太田出版)

40代女性のリアルが凝縮!『あした死ぬには、』(太田出版)
映画宣伝会社に勤める、42歳の本奈多子。ある日突然、心臓の動悸が止まらず、更年期障害に悩まされるようになり……。
健康、仕事、友情、恋愛、老親問題。40代で直面する心身の変化や、日々の悩みを細やかに描く。
2020年に第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門賞受賞。全4巻。

©雁須磨子/太田出版

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text:Mayumi Akagi

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2025年6月20日(金)発売 ※一部の地域では発売日が異なります

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