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若いのに、最近もの忘れ増えていませんか? 若年層で急増中する「脳機能低下」の原因とは 若いのに、最近もの忘れ増えていませんか? 若年層で急増中する「脳機能低下」の原因とは

お昼に何を食べたか思い出せない、メモしたことを忘れる、 とっさに名詞が出てこず「あれ」ばかり言う……。 もしかして脳の認知機能が下がっているのかも。脳科学者の西 剛志先生に、脳の認知機能の衰えとその原因について教えていただきました。

目次
最近もの忘れ、増えていませんか? 若年層で急増中する「脳機能低下」の原因とは
  1. 教えてくれた 脳科学者・ 西 剛志先生 profile
  2. 早くて20〜30代から。脳機能が低下している人が急増中!
  3. 脳の老化度をチェック! こんな症状を感じたら要注意

教えてくれた 脳科学者・ 西 剛志先生 profile

西 剛志先生
脳科学者、分子生物学者。東京工業大学大学院非常勤講師や特許庁を経て、’08年に企業や個人をパワーアップさせる会社を設立。成功している人の脳科学的なノウハウや才能を引き出す方法を提供し、1万人以上をサポート。

早くて20〜30代から。脳機能が低下している人が急増中!

「若い世代の脳の認知機能が低下している背景には、現代人を取り巻く環境の変化や、コロナ禍による在宅勤務の普及や孤立などが考えられます。また、65歳未満で発症する若年性アルツハイマーと診断される人も増えています」と、脳科学者の西 剛志先生。

在宅勤務が脳の認知機能の低下に影響する理由は、脳の「場所細胞」が関係しています。ある研究によると、人は移動することで脳の海馬が活性化されて主観的幸福度が高まる一方、同じ場所に居続けると脳が刺激を感じなくなり、ボーッとして認知機能が下がるといいます。

脳の認知機能の衰えは、
スマートフォンの存在も一因に

「私たちが1日に得られる情報は膨大になり、知識が増えたことはメリットですが、処理しきれない情報がストレスに。また、SNSで常に人と自分を比べていると、主観的な幸福度が下がり、これもストレス=脳への負荷となるのです」

さらに、リンネル世代の女性を取り巻く環境も脳の認知機能の低下に拍車をかけています。

「仕事を持つ忙しい女性が増え、常に複数のことを同時にこなすマルチタスクを強いられている状態に。また、仕事を持つ女性が出産すると非常に負荷の高いマルチタスクが長期間続くことになり、脳の認知機能が下がって、集中力が続かないなどの支障をきたしてしまうのです」

ただ、一口に脳が衰えるといっても、そもそも機能によってピークを迎える年齢は異なります。情報処理のピークは18歳、人の名前を覚えるのは22歳など、記憶に関することは比較的早くピークを迎えますが、集中力は43歳、相手の気持ちを読むピークは48歳、さらに語彙力は67歳がピークになるなど、年齢を重ねることで、伸びていく能力も。また、嬉しいことに脳細胞は年齢を重ねても増えることがわかっています。

「若い人の認知機能が衰え始める一方で、80代、90代でも活動的な生活を送っている“スーパーエイジャー”もいます。脳の認知機能を衰えさせない鍵は、“やる気”の源であるドーパミンや、愛情ホルモンであるオキシトシンを減らさないことです」

ドーパミンは年齢とともに減少しますが、オキシトシンはむしろ増えていくことがわかっています。つまり、家族や友人など、人とのつながりを持つことが脳のためには大切なのです。脳の老化を遠ざける習慣を取り入れて、脳の認知機能を取り戻していきましょう。

<脳の各機能のピーク>
情報処理能力……18歳
人の名前を覚える力……22歳
顔を覚える力……32歳
集中力……43歳
相手の気持ちを読む力……48歳
語彙力……67歳

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