子どもと暮らし

夏休みで乱れる子どもの睡眠は、親の生活サイクルの見直しがカギに 夏休みで乱れる子どもの睡眠は、親の生活サイクルの見直しがカギに

夏休みもそろそろ終盤。学校や幼稚園がないからと、ついつい子どもの生活サイクルが乱れてしまっていませんか? 大人の睡眠負債(慢性的な睡眠不足で、心身に負荷がかかる状態)が話題になるこの頃ですが、子どもの睡眠負債はより深刻かも? スタンフォード大学で睡眠を研究している西野精治先生にお聞きしました。

目次
夏休みで乱れる子どもの睡眠は、親の生活サイクルの見直しがカギに
  1. 日本の子どもの多くが睡眠負債を抱えていた!
  2. 睡眠サイクルは12歳までに完成。脳の成長のために必要な子どもの睡眠
  3. まずは大人の睡眠を正すことが、子どもの睡眠力をはぐくむ
  4. 教えてくれたのは…西野精治先生

日本の子どもの多くが、睡眠負債を抱えていた!

大人の睡眠負債が世界ワースト1位の日本。実はこれは子どもも同じです。
ブレインスリープの調査では、子どもの理想の睡眠時間は3~5歳は10~13時間半、6~9歳は9~11時間。しかし、調査結果ではどの年代でも世界の標準よりも1時間ほど不足していたのです。

子どもの睡眠時間が足りないと、
●昼間に眠くなる
●イライラする、切れやすくなる
●授業に集中できない、先生の話が理解できない
●やる気が低下する
●倦怠感などの身体症状が出る
と、心配なことばかりです。

睡眠サイクルは12歳までに完成。脳の成長のために必要な子どもの睡眠

調査で、特に睡眠負債が多かったのが、5~6歳の子ども。小学校に上がる前後でお昼寝もなくなり、学校に合わせて朝も早起きになることが影響しています。

「実は、大人と子どもでは睡眠のパターンが違っています。赤ちゃんの頃は夢見のレム睡眠を繰り返している状態。実は、このレム睡眠が脳の発達に必要だという説があります」と、西野先生。

「そして、年齢があがるにつれて深い眠りのノンレム睡眠が増えて、12歳ごろにやっと、およそ90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す大人の睡眠パターンに近づいてきます。ですから、日中連続して長く起きていられるようになったとしても、12歳くらいまではまだまだ大人より長い睡眠が脳の成長のためにも必要なのです」。

まずは大人の睡眠を正すことが、子どもの睡眠力をはぐくむ

「日本の子どもの睡眠時間が少ないのは、やはり大人の生活サイクルに引きずられているからだと考えられます。大人が遅くまで起きていると子どもも自然と夜更かしに。睡眠不足の子どもは、学校の欠席も多く、風邪をひいたり頭痛になる頻度も多いことが分かっています」

まだまだ、夜更かししたい大人も、子どものためにはいったん家事や仕事の手を止めて。一緒に布団に入って読み聞かせをしたり、今日のできごとを話したりするのも大事な時間です。ついつい寝落ちしてしまう……という親は、早起きして朝の時間を有効活用するのがおすすめ。日の出の早い夏こそ、親子ともども睡眠サイクルを見直すチャンスです!

教えてくれたのは…西野精治先生

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スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠・生体リズム研究所所長。医師、医学博士。2000年にナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止める。2007年、日本人として初めて、スタンフォード大学医学部教授に就任し、睡眠、覚醒のメカニズムについて研究。株式会社ブレインスリープの最高研究顧問も務めている。『スタンフォードの眠れる教室』(幻冬舎)ほか、著書多数。

text:Ema Tanaka illustration:Kayo Yamaguchi
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