高温と湿気で気力も体力も奪われた今夏。秋は、夏に失った潤いを取り戻す絶好の機会。漢方薬剤師・末次真緒先生に夏の消耗を補う養生スープを教えていただきました。
冬の冷えに備えて、秋こそしっかり食事を摂ろう!
うだるような猛暑がおさまり、心身ともに少しずつ落ち着いてくる秋。この時期に、夏の暑さで消耗した体力をいかに回復させられるかが、きたる冬を健やかに乗り切るための鍵だと話す漢方薬剤師の末次先生。
「夏に気力と体力が奪われ、潤い不足のまま秋を過ごすと体内の乾燥はさらに進み、喉や肺などの呼吸器系に影響が出ることが増えます。それを避けるためには、津液(体液)や気を補うことが大切。幸い実りの秋と言われるこの時期は、栄養が詰まった食材がどんどん出てきます。体に潤いを与える食材を取り入れたスープで、日々の食卓から体を整えていきましょう」
末次先生の提案する養生スープは鶏肉や生姜、絹ごし豆腐などの普段よく使う身近な食材に、クコの実や本葛などの薬膳食材を加えた簡単なもの。自宅でも気軽に調理できることが魅力です。
鶏肉と豆腐の養生スープ
水だけでは補えない潤いを体の内側からチャージしてくれる初秋に摂るべき食材がたっぷり! 鶏肉と豆腐の養生スープを召し上がれ。
材 料 (二人分)
鶏ひき肉… 100g
水… 400mL
塩… ふたつまみほど
生姜(すりおろす)… ひとかけ
えのき(細かく切る)… 1/4株
クコの実… 10~20粒
本葛(少量の水に溶かす)… 20~30g
絹ごし豆腐(1㎝角に切る)… 半丁
作り方
1.鍋にひき肉と水を入れて混ぜ、強火にかけアクが出てき
たらしっかりとる。
2.アクを取り除くと透明なスープになるので、そこに塩を
入れて味を決める。
3.生姜・クコの実・えのきを入れて中火で5分煮る。
4.本葛を少量の水で溶いてスープに入れ、とろみをつける。
5.豆腐を入れ、温まったら出来上がり。
乾燥が進む秋に摂るべき潤い食材はコレ!
内臓を温めて気力・体力や血を補う鶏肉、胃腸を整える生姜、免疫力を高めるエノキ、血の巡りやホルモンバランスの調整に役立つ葛、疲労回復に役立つ豆腐、滋養強壮のためのクコの実をスープに取り入れて。
お話を伺ったのは……末次真緒先生
PROFILE
病院・漢方薬局勤務を経て、漢方カウンセリングや漢方フットケアをスタート。季節や体調に合わせた漢方講座やワークショップも開催。現在、オンライン漢方カウンセリングも実施。
cooking&recipe:Maho Suetsugu(Kampo Life Design) photograph:Miho Kakuta text:Tokiko Nitta web edit:Liniere.jp
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