【内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように】 「第8回 落ち葉掃きをしながら」 【内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように】 「第8回 落ち葉掃きをしながら」
丁寧な暮らしぶりやセンス溢れる素敵な着こなしで人気を集める内田彩仍さん。日々のなかで内田さんが見つけた小さな幸せや、暮らしの工夫をお届けします。第8回は、この時季ならではの庭仕事、落ち葉掃きに関するエピソード。「明日もいい日になりそう」と、皆さまが穏やかに前を向けますように。
内田彩仍さん Profile
日増しに秋の深まりを感じる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
最近、周りに風邪引きさんが増えて、「まだ寒暖差に慣れていないからなあ」と思っていたところ、夫も風邪を引いてしまい。私がちょうど忙しい時期だったので、うつらないよう一週間ほど寝床を寝室からリビングに移して眠るようにしました。少し寒くなったことで、愛猫そらが私の足の間で寝たり、夜中に布団に潜り込んだのか、朝起きると胸の上で寝ていたり。思いがけず幸せな朝時間をもらいました。寒暖の差が激しい時節柄、皆さまくれぐれもご自愛くださいね。
朝晩冷え込むようになると、周りの木々が色づき始め、わが家の秋は、落ち葉掃きに始まり、落ち葉掃きで終わる気がします。街路樹の桜と2階の窓からいつも心地よく眺めている柿の木の落ち葉。ここのところ2~3日に一度ほど、時間のあるときに外を掃いているのですが、30分ほどチャチャッと、という日もあれば、2時間ほどかけてじっくり丁寧に掃く日も。どちらの日も、通りすがりの方から必ずと言っていいほど「大変ですねー」と声をかけられるから、私も「そうですねー。大変です」と答えています(笑)。落ち葉掃きも3年目ですが、この会話がこの時季の合言葉になっているようで、ちょっと面白いのです。
日々、無心で掃き続ける日もあれば、考え事をしながら行うことも。毎年、今頃から来年の秋に発売予定の本の打ち合わせを始めるので、どんな内容にしようかと自分の心の声に耳を傾けながらの落ち葉掃き。単純作業の繰り返しだからか、掃こうと思うときは気持ちにゆとりがあるからなのか、自分の気持ちに素直になれて、大抵ふっといいアイデアが湧いてくるのです。
先日は、夫と共に落ち葉掃きをすることに。前日風が強かったせいか、庭のあちらこちらに落ち葉が。それを見かねた夫が「一緒にやろうか」と言ってくれて共同作業することになりました。落ち葉掃除のために購入したブロワーで、私が葉を草木の間から掻き出したり、散らばっている葉を集めたり。それを夫が掃いてかごにまとめるという作業を繰り返しながら、あっという間にゴミ袋2袋分の落ち葉を掃き終えました。
とはいえ、数年前の私なら、庭仕事は何となく自分でやるものと考えていて、ふたりで作業をしながらも「手伝ってもらっている」という気持ちがどうしても拭えず、作業中も居心地が悪かった気がします。最近は、「ひとりでできなかったり、大変だったりすることは、どしどし甘えていこう」と素直に思えるようになり、随分楽になりました。ここに感謝の気持ちさえあれば、何事もうまくいくような気がします。時折、夫には感謝するのをつい忘れてしまうこともありますが(笑)。これからも助け合いながら暮らしていこうと思います。
このブログが公開される10月26日は、私の新刊の発売日となります。ちょうど一年前から、相談をしたり、打ち合わせを重ねたりしながら、進めてきた本がやっと形になりました。うれしくもあり、ちょっと身の引き締まるような思いも感じつつ、関わってくださった方々にはとても感謝しています。一年かけて大切に作った本。よろしければご覧いただけると幸いです。
これからも、あまり気負うことなく日々を楽しみながら暮らせるように、皆さまも私も明日もいい日になりますように。
※「内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように」は11月から隔週更新となります。次回の公開は11月9日です。内田さんの素敵な暮らしぶりを綴ったほっとあたたまる文章と美しい写真を、これからもお楽しみに!
photograph: Kyoko Omori text: Ayano Uchida
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください
内田 彩仍エッセイスト・スタイリスト
福岡県在住。夫と愛猫そらと暮らす。雑誌などで紹介される丁寧でセンスのある暮らしぶりが人気。 『内田彩仍さんと作った 白のキャンバストートバッグBOOK』(宝島社)、『幸せな心持ち』(主婦と生活社)など著書多数。 新刊『衣食住、暮らしに寄り添うもの選び』(集英社)が10月25日に発売。
リンネル.jpでは、日々の中で見つけた小さな幸せを綴る「明日もいい日になりますように」を連載中。
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