LIFESTYLE
:【女子旅 広島県 福山・尾道】 瀬戸内ならではの特別な体験4選! 16人乗り自転車にフライパンづくり、魚さばきにクルーズも
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:美しい海と島々に囲まれ、瀬戸内海の雄大な景色を堪能できる広島県。広島県の東部に位置し、昔ながらの風光明媚な町・福山と、世界中からサイクリストが集まる坂の町・尾道を訪れ、ここでしか体験できない、とっておきスポットを巡りました。
備後フィッシュを味わい尽くす、魚さばき体験
まず訪れたのは、築100年を超える大きな古民家をリノベーションした、一棟貸しの宿泊施設「せとうち母家 Setouchi OMOYA」。間伐材を使うなど、アップサイクルを意識した空間デザインも魅力です。
古着からできた、サステナブルでアートなソファ。
廃材を使った、ユニークな装飾があちこちに。
宿泊する人はオプションで、サウナや無農薬有機肥料で育てた野菜の収穫、敷地内で育てたミツバチの採蜜まで、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。
そのなかのひとつが、料理人の原薗和也さんによる魚さばき体験。地元でとれた新鮮な魚を自分でさばいて、食べることができます。この日さばいたのはマダイ。初めて魚をさばく人にも、真横で実演して丁寧に教えてくれました。
教えてくれるのは、さすらいの料理人こと原薗さん。
立派なマダイを一人一匹さばくことができます。
潮の流れや波の高さが比較的ゆるやかで、多くの魚が産卵にくる瀬戸内海。四季折々に味わえる多彩な魚は、「瀬戸内さかな」と呼ばれています。
その中でも備後圏域の瀬戸内海側4市(福山市、三原市、尾道市、岡山県笠岡市)で水揚げされた、漁師さん1000人が選んだおいしい魚、全27種類が「備後フィッシュ」として認定され、季節ごとの魚を楽しむことができます。
この日はマダイのほか、ねぶと(テンジクダイ)、ネズッポ(メゴチ)、ハモ、ブトエビ(サルエビ)、チイチイイカ(べイカ)など、初めて目にするものも含め、この土地ならではの魚がずらり。ただ食べるだけではなく、自分でさばいたお刺身を食べるのは格別な味わいです。
せとうち母家 Setouchi OMOYA 魚さばき体験
広島県福山市熊野町丙900 インクロッチェ(株)敷地内
Tel : 084-959-0747
宿泊料金:1日1組限定。¥48,000〜(最大12人まで宿泊可)
魚さばき体験:一人¥6,500〜(2時間)
https://setouchiomoya.com/
伝統的な技法「鍛造」で、フライパンづくり
続いては、100年以上変わらない、船の錨をつくる伝統的手法「鍛造(たんぞう)」を体験。
2017年に、日本には数社しかない鍛造の技術を持つ鉄工所が廃業を決めたことから、その技術を残すためにそのまま引き継いだ鉄鋼メーカー「三暁」。2022年にフラッグシップショップ「santo」としてオープンし、オリジナルの商品の販売や鍛造の体験コースを開催しています。
鍛造とは熱した鉄を叩いて成形をする、瀬戸内の歴史ある港町・鞆の浦(とものうら)に伝わる技術のこと。この体験では、フライパンやトレイ、お香立てなど、さまざまな種類から好きなものを選んでつくることができます。
フライパンは丸型と角型、片手と両手があります。角型のフライパンが、一番難易度が高いそう。
高温の鉄を叩く作業は危なくない? と心配に思う人もいるかもしれません。けが防止のため、また服が汚れないように、デニムでできた作業服とヘルメット、耳栓まで用意されているので大丈夫。硬い金属を曲げるのには大きな力が必要ですが、熱するとやわらかくなり、小さな力でも形をつくることができます。
好きな形の金属を選んだら、1000℃以上に熱し、ハンマーで叩いて成形。それを3回程度繰り返します。まんべんなく叩いて、好みの形になればOK。最後にスタッフさんが研磨し、選んだアルファベットや数字の刻印をしてくれて、世界に一つだけの作品が完成します。
ほめ上手なスタッフさんが、手取り足取り教えてくれます。
熱々に熱された金属を叩くのは楽しく、ストレス発散にもなりそう。
完成したフライパン(Mサイズ)丸型。¥12,800
私は丸型のフライパンをセレクト。ハンマーで叩いた凹凸が味わい深い表情に。お肉などを焼くときれいな焼き目がつき、おいしく焼くことができるそう。無塗装ですぐ持ち帰ることができますが、オプションで油ならし(+¥900)もしてくれるので、鉄のフライパンが初めてという人にもおすすめです。
入り口は焚き火バーとして月一でイベントも開催。また木・金・土・日曜はギャラリーとしての営業も。
santo(株式会社三暁) 鍛造体験
広島県福山市鞆町後地26-30
営業:11:00〜18:00(鍛造体験は、サイト内カレンダーより要予約)
月〜水曜休み
鍛造体験:トレイ・お香立て ¥11,200、フライパン¥12,800ほか
予約:https://sangyoco.co.jp/experience/
16人乗りの自転車で、尾道の今昔を巡るツアーへ
次の体験は、オランダからやってきた16人乗りの自転車「ICHIROKU ONOMICHI」に乗って、尾道を巡る「尾道今昔ツアー」。一般的な自転車とは違い、ハンドルをにぎる必要がなく、同乗する人みんなで力を合わせてペダルを漕ぎます。
観光客がなかなか足を踏み入れない、尾道市街地の東側エリアを散策。江戸時代から続く歓楽街・新開や、映画『東京物語』のロケ地など、見どころがたくさん。
「尾道造酢」のいちじく酢を使ったサイダーと、地元のベーカリー「パン屋航路」のクロワッサンを食べながら。
約440年前から、この地でお酢を作り続ける「尾道造酢」。
りんごやいちじく、パパイヤ、トマト、橙の皮などを使ったさまざまなお酢が。
ツアーの途中では、通常は一般公開されていない日本最古の酢蔵「尾道造酢」を見学。温暖な気候と良質な水に恵まれた尾道だからこそ続く、造酢の歴史と醸造過程を学ぶことができます。
代々守り継がれてきた「酢酸菌」から生まれる酢をベースに、尾道では定番の「そのまんま酢のもの」や尾道産のいちじくや柿など、フルーツを使ったさまざまな種類のお酢は購入することも可能。
尾道が初めてという人はもちろん、リピーターの人も楽しめる、ディープなツアーです。
BETTER BICYCLES 尾道今昔ツアー
広島県尾道市土堂二丁目10−24 2F ONOMICHI SHARE内
Tel : 0848-38-2912
営業時間:10:00〜18:00
水曜休み
※ツアーは要予約。実施日は金曜13:00〜(90分程度)。
料金¥3,300(1ドリンク、クロワッサン付き)
https://better-bicycles.com
瀬戸内海の美しい島を海の上から楽しむ、ナイトクルージング
最後に向かったのは、福山市・鞆の浦で営む旅館「あぶと本館」が運営する、クルージングツアー。
1570年に建立され、女性にご利益があるといわれる阿伏兎観音(磐台寺観音堂)から弁天島、古い街並みが残り、映画『崖の上のポニョ』のモデルとされる鞆の浦港、美しい内海大橋、巨大な造船を間近で見ることができる常石造船沖までをまわる、約1時間のコースです。
鞆の浦港では、宮崎駿監督が『崖の上のポニョ』を構想する際、滞在したと言われる宿も。
国内外の大型貨物船は迫力満点。
全長832mの大きな内海大橋。橋の中央から大きく曲がっているのが特徴。
ツアーの最後には、夕日が海に沈む美しい景色も。
ツアーは旅館に宿泊する人以外も参加可能。しまなみ海道や因島大橋を巡る90分のコースもあるそう。
ガイドを聞きながら、瀬戸内の美しい島々や橋、雄大な景色を海の上から楽しむことができ、ひと味違う観光を楽しみたい人にはぴったりです。
旅館 あぶと本館 瀬戸内クルージング
広島県福山市沼隈町能登原阿伏兎1416-7
Tel:084-987-0416(11:00〜15:00、17:00〜22:00)
旅客運賃:¥17,600(9名以下、貸切運賃、10名以上なら一人¥1,760)
https://www.abuto.com/honkan/cruising.html
さまざまな体験が楽しめる広島県・福山と尾道。「食べもの編」では、おいしい食べものを巡る旅をご紹介します。
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photograph:Hiroshi Kikui,Mayumi Akagi edit & text :Mayumi Akagi
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