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:【内田彩仍さん連載:明日もいい日になりますように】 「第26回 2月はそらの月」
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丁寧な暮らしぶりやセンス溢れる素敵な着こなしで人気を集める内田彩仍さん。日々のなかで内田さんが見つけた小さな幸せや、暮らしの工夫をお届けします。2月22日は猫の日……ということで、今回は愛猫そらとの心温まる日々の写真がたくさん! 「明日もいい日になりそう」と、皆さまが穏やかに前を向けますように。
内田彩仍さん Profile

私の住む福岡では先週は雪で、立春を過ぎてもまだまだ寒いと思っていたらここ何日か急に暖かくなり、出かけるのに何を着たらいいのか迷ってしまいます。寒暖差の激しいこの頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
毎年、一足早く春の訪れを感じさせてくれる庭の水仙も、年明けから冷え込む日が多かったからか、やっと数輪咲きました。このまま暖かくなってくれるといいですね。

2月は猫と暮らしている方にはお馴染みの「猫の日」がありますが、我が家では愛猫そらの誕生月でもあります。
保護猫なので、正確な日はわからないのですが、動物病院に連れて行った時に体格などからおおよその日付を教えてもらって、2月28日に決めました。

保護された時のそら。面会する前にこの画像を送ってもらいました。保護した場所が交通量の多いバイパス沿いだったと聞き、「ひとりで心細かったろうな」と思うと、すごくいとおしく感じて、我が家に来てくれたら大切に育てようと決めました。

バタバタと迎える準備をしてそらが我が家に来た日。面会に行った時に怖がりさんだと思ったので、落ち着いて過ごしてもらえるようにとリビングに子猫用のケージを用意しました。
迎えた初日。
昼間は無理をさせない程度に遊んだり、おやつをあげたり。徐々に馴染んでいってもらえたらと思い、できるだけ怖がらせないように付かず離れずの状態で過ごしました。
夜になりもうそろそろ眠る頃だと思い、ゆっくり過ごせるようそらをケージに入れてケージに目隠し布をかけたところ、この細い柵の間をくぐり抜けて抜け出してきたのです。
突然のことに驚いて、内臓が破裂していないかとすごく心配になって、ネットで調べたり、保護活動をしている友人に連絡したり。心臓バクバクで慌てふためいたのを覚えています。


ちょうどコロナ禍で夫も私も家に居たため、そらとの暮らしを最優先にして日々過ごすうちに3日ほどで私たちにも慣れてくれて、私の足に戯れながら眠ったり、夫の手に猫パンチしながら遊んだり。すっかりうちの子になりました。

そらに初めてプレゼントした首輪。同じ布でサイズを変えて作ってもらい、そらが大きくなるたびに付け替えて。今も全て大切にとってあります。

そんなそらも今年5歳になります。
早いような、ずっとそばにいるようなちょっと変な感覚ですが、私たちにとってなくてはならない存在になりました。



怖がりなので安心して過ごしてもらいたくて甘やかして育てたこともあり、すごく甘えん坊な猫になりました。
庭の掃除をしていたらずっと窓越しに眺めているし、パソコンで原稿を書いていたら、猫パンチしながらちょっかいを出して邪魔をしてくる。ちょっと面倒に感じることもあるけれど、いつもかまっていてほしいチャーミングな子に育ちました。



そんなそらには待ち上手なところもあって、食事の支度をしていると、キッチンのそばで待っていたり、寝室にあるドレッサーで、私が身支度をしている時には、ベッドの上でのんびり待機。アイロンを掛けている時も「まだ終わらないのか」という顔をしながらもいつもそばにいてくれます。

それでも痺れを切らすと、ものすごく大きな声で「かまってー」と鳴き始め、ゴロンとお腹を見せて可愛いポーズ。こんなあざといところもそらの魅力です(笑)。


けれどちょっと意地悪なところもあるのです。そらのトイレ掃除をしていたら、トイレを動かせないように邪魔をしたり、洗濯物を畳もうとしたら遊んでもらっている気分なのか、畳んでいる手に戦いを挑んできたり。手が傷だらけになるので、これだけはやめてくれたらいいのになあ。


猫との暮らしももう35年ほど経ちました。
そらは我が家の3代目の猫なのですが、これまでの猫と違うのは、声がとても大きいことと、おもちゃで遊ぶのが本当に好きなこと。1時間ほど続けても飽きないので、やめどきがわからないのが困りものです。

怖がりなところは以前居た猫と一緒で。人が来ると初めのうちは私の後ろに隠れていたり、「ピンポーン」とチャイムがなると、慌ててベッドに潜り込んだり。そんな内弁慶なところも、また可愛いのです。


今年の冬はとても寒くて、毎晩オイルヒーターをつけて寝ているのですが、そらは寝室よりもリビングで寝るほうが心地いいようで、電気代節約のために私たちもリビングに布団を敷いて寝ています。
ふと「重いなあ」と思って目を覚ますと、私の足の間でうーんと伸びて寝ているそら。身動き取れず窮屈なのですが、クスッと笑ってしまうほど幸せで、冬ならではのこんなご褒美も嬉しい限りです。
そらと共に過ごす穏やかな暮らしが長く続くよう心から願っています。

2月には私にとってもうひとつ大切にしていることがあります。
それは節分に今年の目標を便箋一枚分に書き記して心に刻むこと。長年の習慣なのですが、毎年少しずつ書くことが違っていて、今年書いた目標はたわいない日常のことばかり。家族が健康に過ごせますようにとか、穏やかな心持ちでいようとか。そらにも愛されているといつも感じてほしいから、「日々笑顔で過ごそう」とも記しました。
どれもささやかな目標ですがこれが一番難しい。忘れそうになった時は、畳んでお守り袋に入れている書いた紙を広げてみるようにしています。

いつも撮影してくれているカメラマンさんのお子さんが折ってくれた猫の折り紙。偶然にもそらと同じ誕生日で嬉しい発見でした。仁菜ちゃんありがとう。そして誕生日おめでとう。
春光うららかな温かな日々を待ち侘びながら、
皆さまも私も、明日もいい日になりますように。
photograph: Kyoko Omori text: Ayano Uchida
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