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:【西オーストラリア州パースの旅】 知らなかった! コアラ、カンガルー、クオッカ……あの動物たちの意外なひみつを求めて(前編)
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新しい出会いは、日々をときめかせます。それが「動物」ならば、さらに癒やしもくれて、しかも「世界一幸せになれる」と聞けば、飛行機にのってどこへでも(ですよね)。
西オーストラリアの州都・パース。ここは、日本じゃきっとめったに出会えない! 珍しい動物たちとの遭遇率No.1。
しかも動物園だけでなく、郊外では道ばたでひょっこり、なんてこともしばしば。地中海性気候のあたたかな光に包まれるなか、ありのままの自然と動物に触れる旅。
前編では、オーストラリアならではの動物たちとふれあえるスポットを紹介しながら、そのユニークな生態に迫ります。
「世界一幸せな動物」の理由とは?
まずは今、もっとも旬! の癒やし系アニマル、クオッカ。

ほら、見て。くりっとつぶらな目、しゅるりと長い尻尾、きゅんと愛くるしいルックス。
さらに人気の理由はいつもニコニコしている(ように見える)口もと。そう「世界一幸せな動物」と呼ばれるゆえんです。
これは、顔の筋肉のつき方と、口の周りの毛の生え方によって、とくに下から見ると口角が上がって見えるよう。なもので、クオッカと一緒にセルフィーを撮り、SNSにアップする観光客たちが大続出!

さらに「あのK-POPアイドルに似ている」なんて噂も飛び交い、クオッカに会いに行くためにわざわざ旅をする人が、もっか急増中なのです。
クオッカがのびのび暮らす「夢の島」へ
ただ、このクオッカ。野生の姿に出会えるのは、オーストラリアでもたったひとつの島だけ。
それがフリーマントルから約30分 or パースから約1時間半、インド洋に浮かぶロットネスト島です。

あっちもこっちも! びっくりするほど島のいたるところでヨチヨチと歩き、葉っぱをむしゃむしゃ。その光景を見ているだけで、もうめろめろ。

そもそも「ロットネスト」という名前。17世紀にオランダ人探検家がこの島を発見した際、クオッカを巨大なネズミと勘違いし「ネズミの巣(Rattennest)」と名付けたことから付けられたとか。

数千年もの昔、海面の上昇で本土から切り離されたこの島は、砂浜や湿地、石灰岩などの多様な地形で降水量も安定しているため、植生が豊か。特にクオッカが好んで食べるティーツリーは、島全体に広く分布しています。
また本土にはキツネや猫などの天敵がいるのに対し、この島にはいません。
つまりクオッカにとってロットネスト島は安全で、ごはんにも困らない夢の島。だからこそ、こんなにものびのびとした、人懐っこい姿を見せてくれるのです。

フレンドリーで好奇心旺盛だけど、触ったりエサをあげたりはNG。そっと見守るのがルール。
約200種の動物たちと一度に出会う
オーストラリア固有のさまざまな動物たちに一度にふれあいたいなら、なにをおいても行くべきなのは「カバシャム・ワイルドライフ・パーク」でしょう。
場所はパース市内から車で約30分、約4000ヘクタールもの広さを誇る自然保護区、ホワイトマンパーク内にあります。

パース駅から電車(Midland Line)でBassendean駅まで行き、そこからバス(955番)に乗り換えて約16分、「Drumpellier Dr After Youle-Dean Rd」で下車後、徒歩約20分で到着。
ウォンバット、コアラ、カンガルーの“オージーアニマル御三家(ちなみに誰も言っていません)”をはじめ約200種、2000頭にもおよぶ動物たちが飼育されています。

カバシャム・ワイルドライフ・パークでは、さまざまなオウムの種類が飼育。中にはピンク色の羽を持つオウムも!

温和でおおらか、ユニークで愛くるしいルックスのウォンバット。飼育員さんが抱っこしている隣に座り、一緒に写真を撮ることもできます。
めずらしい白カンガルーを発見!
なかでも目玉は、なんといってもカンガルー!しかもエサやりができて、より近くでふれあえるのは、体験型パークならでは。

また出会ったとたん、ずきゅんと心を撃ち抜かれたのが、白カンガルー!

もとはレッドカンガルーの突然変異として生まれてきた白カンガルー。その美しくもこうごうしいお姿は、野生のなかにいると目立ってしまい、どうしても天敵からねらわれやすいということもあり、パーク内で保護されているとのこと。

園内には、まだ小さなカンガルーもいっぱい! 芝生の上で自由にのびのびとしている姿が見られます。
カンガルーは3匹同時に子育てする?

ここで耳にしたのは、びっくり仰天! カンガルーの生態。お母さんカンガルーは受精をしたあと、子宮の中で子どもの成長を一時的に止めておくことができるというのです。
これは胚休眠(はいきゅうみん)といい、外の世界を見て子育てのタイミングを調整し、生存率を上げるための特殊能力なのだそう。

そもそもカンガルーの出産は、とてもユニーク。まず妊娠期間がとても短く(約30日程度)、スーパー未熟児で生まれます。
小指の爪ほどのサイズ、まだ目も鼻もないという状態でお母さんのお腹のポケット(育児のう)に自力で!入り、その中で数か月間、ミルクを飲んで成長します。
ある程度大きくなると、赤ちゃんはポケットからひょっこり姿を現します。でもまだ完全な自立ではなく、お母さんの保護のもと、出たり入ったり。
ということで、子宮の中、ポケットの中もふくめると、3匹の子どもを同時に育てているかのように見えるのです。

乾燥した大地でも子孫を増やすため、あまたある動物のなかで最も進化してると言われるカンガルー。もしも地球が砂漠化すると、最後に生き残るのはカンガルーかも。
コアラが「平和主義者」といわれる本当のワケ
また忘れてはいけないのが、オーストラリアを代表する国民的アイコン、コアラ。

とりわけ繁殖が難しい動物とされているコアラですが、今年なんと9頭もの赤ちゃんがカバシャム・ワイルドライフ・パーク内に産まれ、にわかにベビーブームに。順調にコアラの数が増えているのでコアラ舎を増設し、快適に暮らせる準備を整えています。
さて、ここで質問。
コアラは平和主義者と呼ばれていますが、それはいったい、なぜでしょう? ただ癒やし系のルックスというだけでなく、そこには意外な理由が隠されていました。
コアラのエサは、ご存じユーカリ。実はこれ、多くの動物にとって毒となる物質がふくまれています。何百万年もの進化の過程でコアラはユーカリの毒素を分解し、栄養を摂ることができるようになりました。
ほぼ完全にユーカリの葉だけを食べて生きるコアラ。これによって成し得たのは、争いごとと縁遠いライフスタイル。他の草食動物とのエサの奪いあいを避け、木の上でゆっくり眠ることを選んだのです。

ちなみにコアラは一日のほとんど、20時間ほども眠っています。これはユーカリの毒を分解する体力が必要で、その疲れをとるためだとか。
穏やかで平和的な性質を持つコアラ。それにはこんなひみつがあったのです。
【information】
・西オーストラリア州政府観光局、ANA
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/area/australia/per/
・西オーストラリア州政府観光局の公式インスタグラム
西オーストラリアの魅力を写真で紹介しています。
https://instagram.com/westernaustralia/
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edit & text & photograph:Mitsuharu Yamamura(BOOKLUCK)
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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