心と体のケア

体も心も入浴ケアが効果的! 正しいお風呂の入り方 体も心も入浴ケアが効果的! 正しいお風呂の入り方

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朝晩の気温差に対応できなかったり、体調を崩しがちなこのシーズン。元気に過ごすカギは、毎日のお風呂の入り方にありました。正しい入浴方法を、温泉療法専門医で博士(医学)の早坂信哉先生に教えてもらいました。

目次
体も心も入浴ケアが効果的! 正しいお風呂の入り方
  1. 正しい入浴習慣で、自律神経のバランスを整える
  2. 疲れを癒やす、正しいお風呂の入り方
  3. 知って得するお風呂の豆知識
  4. 教えてくれた、早坂信哉先生 profile

1.正しい入浴習慣で
自律神経のバランスを整える

気温が下がってくると、温かいお風呂につかる時間が恋しくなります。しかし、早坂先生によると、この時期の入浴にはそれだけではない健康効果があるのだとか。

「暑い時期は、部屋の外と中の気温差が激しくなり、それに体を適応させるため自律神経がフル稼働。さらに秋になると昼夜の寒暖差も加わり、だるさに加えてふわふわするめまいが起こるなど、自律神経の乱れによる不調が出やすくなります。自律神経の働きを整えるのに、簡単な方法がお風呂。現代の生活では緊張を高める交感神経が優位になりがちですが、毎晩38~40℃のお湯につかることで副交感神経の働きを優位にし、自律神経のリズムを整えることができるのです」

入浴せずにシャワーだけですませると、交感神経優位の状態が続きがちなことも疲れの原因に。実は、入浴習慣は日本人の健康長寿とも大きな関係があるといいます。「研究によると、毎日入浴する人は、週に0~2回しかお風呂に入らない人よりも要介護認定を受けるリスクが3割ほど減ることがわかりました。同じく、ほぼ毎日お風呂に入る人は、週に2回以下の人より心筋梗塞や脳出血を起こすリスクが35%低いというデータが出ています」。涼しくなってくる今の時期こそ、自身の入浴習慣の見直しどきかもしれません。

さらに気になるのは、入浴と幸福度の関係。湯船に入ると、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンであるコルチゾールが減り、逆にストレスを緩和する幸せホルモンのオキシトシンが増えるといいます。「2012年に行われた調査では、毎日お風呂に入っている人はそうでない人よりも、幸福度が高い人の割合が10%ほど多いことがわかっています」

コロナ禍で長期間、目に見えないストレスにさらされている今、知らず知らずのうちに体も心も緊張状態に陥っている人が増えています。忙しい中でも毎日しっかりお風呂に入り、体と心をいたわる時間を持ちたいものです。


2.疲れを癒やす、
正しいお風呂の入り方

自律神経を整え、疲労を回復する入浴のカギは、湯温と時間、そして入浴のタイミング。血流アップで疲れを取り、心地よい睡眠の下準備を。

<STEP 1>
基本は40℃、10分、全身浴
あつ湯は避けて副交感神経優位に

お湯に入ることで得られるのが温熱効果。しかし、42℃以上の熱すぎるお湯では交感神経のスイッチが入り、体が緊張状態に。血圧が過度に上昇し、血栓ができやすくなることも。最適なのは40℃のお湯に10分間つかること。副交感神経が優位に働くことに加え、体温が0.5~1℃上がり、血流がよくなります。半身浴は体を温めるのに時間がかかり、関節や筋肉をゆるませる浮力や水圧の効果も下がるため、全身浴がおすすめ。

<STEP 2>
水温38℃で20~30分、
炭酸系入浴剤を入れるのも◎

40℃でも熱く感じるような日や、お風呂に長くつかりたい人は、38℃のお湯で20~30分入るのがおすすめ。40℃のお湯に10分入るのと同じ温熱効果が得られます。このとき、炭酸系の入浴剤を入れると血流改善効果がアップ。家にある重曹とクエン酸を使えば自家製入浴剤を作ることもできます。重曹とクエン酸を2:1の割合でビニール袋に入れ、混ぜてからお湯に。炭酸の泡が出て、血流がアップします。

<STEP 3>
疲労感が強い場合は
お風呂とシャワーで温冷交代浴を

温冷交代浴とは温かいお湯につかったあと、冷たい水につかることで、血管を広げたり収縮させたりして、疲労物質を除去する入浴法。アスリートが運動後に行うことでも知られています。家庭のお風呂で行うなら、40℃以上の湯船に3分間つかったあと、約30℃くらいの冷たいシャワーを浴びましょう。シャワーは手足の末端から体の中心部に向かって約1分間浴びます。以上を3クール行い、最後はもう一度温かい湯船に入り直し、血流をよくして終了です。

<STEP 4>
忙しいときはシャワー浴+足浴で
効率的に体温アップ

忙しくて入浴できなかったり、住宅事情でシャワー浴になってしまう人は、シャワーに足湯を組み合わせては。栓をした湯船の中でシャワーを浴びると、自然と足もとに温かいお湯がたまり、足浴に。シャワー単体よりも、体を効果的に温めることができます。しっかり疲れを取りたいなら、体の凝っている部分に水圧強めのシャワーを当てましょう。目が疲れたときに目のまわりにシャワーを当てると、眼精疲労の回復に役立つというデータも。

<STEP 5>
ぬる湯・入浴後10分以内の保湿で
乾燥した肌をケア

特に夏の紫外線などでダメージを受けた肌に、乾燥が直撃してくるこの時期。42℃以上の熱いお湯は、入浴後60分以上たったときの肌の水分量が少なくなることがわかっています。湯温はやはり38~40℃が適温です。肌のセラミドが入浴中に溶け出していくので、極端な長湯はNG。入浴によって肌の水分量が増えている、風呂上がりの10分以内に保湿しましょう。

<STEP 6>
眠る1時間半前に入浴し
快適な入眠を

不安の多い昨今、寝つきが悪くなっている人も増えています。安眠のカギは実は体温。いったん体温が上がったあと下がっていくときに、深い眠りに入ることがわかっています。そこで活用したいのがお風呂。寝つきたい時間の1時間半前に40℃のお風呂に入り、ほどよく体温が下がったタイミングでベッドへ。体温は手先、足先から放出されるので、眠るときは靴下を脱ぐのがおすすめ。


3.知って得するお風呂の豆知識

長時間たったお風呂の
追いだきは雑菌がいっぱい

前日のお風呂を追いだきして翌朝に入る人もいるかもしれません。「きれいに見えてもお風呂の残り湯には汚れや皮脂が溶け込んでおり、時間がたつ間に雑菌が増えていきます。浴槽内の菌は一晩で1000倍に増えるというデータもあるほど。皮膚の弱い人は要注意です」

子どもと入るときは
お湯の温度に注意

小学校低学年までの子どもは体温調節機能が未熟で熱中症になりやすいもの。「40℃くらいのお湯でも、肩までつかって100まで数える……などとやっていると、のぼせてしまいます。低めの湯温にするか、遊びながら立って入るのでも、ちょうどよいくらいです」

水分補給には
麦茶、牛乳、スポーツドリンクが〇

麦茶は汗と一緒に失われるミネラルを補給でき、血栓の予防にもなります。牛乳はたんぱく質が含まれる分、体内への吸収率がアップ。スポーツドリンクもブドウ糖が吸収を早めてくれるのでおすすめ。いずれも水よりすばやく吸収され、入浴後の水分補給に適しています。


教えてくれた
早坂信哉先生 profile

温泉療法専門医、博士(医学)。東京都市大学人間科学部長・教授。地域医療の経験から入浴の重要性に着目し、20年以上にわたり3万人以上の入浴を調査。著書に『入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)など多数。

photograph: Yumi Furuya illustration: Moe Itaba text: Ema Tanaka web edit & text:Riho Abe
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