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:【奈緒さんが初めて旅したフィンランド #2】 古い館で念願のカレリアパイ作り! 北欧テキスタイル、アアルト建築の魅力に触れる体験
北欧
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奈緒さんがめぐるフィンランド旅連載、第2回。
今回は、西側の内陸にあるセイナヨキへ足を延ばし、伝統料理「カレリアパイ」作りに挑戦。
ゆっくりと流れる時間のなか、自分の手で生地をのばし、かたちを整え、焼き上げる。
みんなで作り、同じ時間を味わった体験が奈緒さんにとって特別な思い出となりました。
古いお屋敷で習う
フィンランドの伝統料理
コッコラの古い木造住宅が並ぶ一角に、19世紀に建てられたノスタルジックで立派なお屋敷があります。手入れの行き届いたその家で迎えてくれたのは、カタリーナさんと、高校生の孫イーダさん。完全予約制で訪れる人々に食事やコーヒータイムのお料理を提供しているのだとか。

エッグバターを作りながら、先生と冗談を言い合う。
「フィンランドの衣食住を体験したい」という奈緒さんは、このお屋敷で伝統料理「カレリアパイ」の作り方を教わることに。ライ麦の生地で“ミルク粥”を包んで焼き、バターとゆで卵を混ぜた“エッグバター”をのせる一品で、奈緒さんにとっては特別な料理。

「家でずっと餃子を作っていた時期があって。そのとき鍛えた包み方が役に立ちました(笑)」と手際のよすぎる奈緒さん。
「フィンランドに着いて、一番最初に食べたのがカレリアパイなんです。コーディネーターの森下さんから『伝統的なフィンランドのお料理なんですよ』と教えていただいたので、まさか自分で作らせていただけるなんて嬉しい」と、笑顔でエプロンを装着。カレリアパイ用のめん棒で生地をのばし、ミルク粥を器用に包むと、「ひとつめから完璧!」と先生に褒められます。イーダさんにも「奈緒を見本に作ってみたら」と声がかかり、みんなで笑いながら手を動かす時間が流れます。フィンランドでは「すべて同じでなくていい」という考えがあり、カレリアパイの形も人によって少しずつ違っていいのだそう。

275度のオーブンで焼き上げたカレリアパイ。中に入れるミルク粥は、クリスマスをはじめ、少し特別なときにいただきます。長時間お米を牛乳で炊く気が遠くなる作業を、カタリーナさんのご主人が担当してくれました。
焼き上がったカレリアパイは、お庭でいただくことに。 陶器のカップにフィンランドの国花でもあるすずらんの絵柄があしらわれたお皿。夏のカフェのようにセッティングされたテーブルの上で、美しい草花とりんごの木を眺めながら、お茶の時間が始まります。盛り上がったのはムーミンキャラクターの原語と日本語の違い。たとえば、「ニョロニョロ」はフィンランドだと「ハッティヴァッティ」という名前なのです。

19世紀から残されている立派なお庭。リンゴの木を見ながら、「世界中にリンゴのことわざがあるのが興味深くて。フィンランドにもリンゴを使ったことわざはありますか?」と質問。「リンゴの実はリンゴの木から遠くへは落ちない(蛙の子は蛙)」を教わりました。
ゆっくりとした時間に、自分で作ったカレリアパイ。 大切に受け継がれてきた味と空間に「すごく思い出に残る体験ができました」と奈緒さん。
「一番最初に知ったフィンランドの味を、みんなで作ってお庭で食べることができて、本当に贅沢でした。今後どこでカレリアパイを食べても、この美味しさを超えることはないんだろうな。そう思うぐらい、輝いた時間でした」
1925年創業の
老舗リサイクル糸メーカー
今年で100周年を迎えるリサイクル「糸」のメーカー、Lankavaを訪れました。Lankavaでは、アパレル工場で洋服を作る際に捨てられてしまうコットンを集めて糸を製造。 編み物教室も開いているということで、奈緒さんもリサイクルコットンのマクラメでブレスレット作りに挑戦。「シンプルな作業だから無心になれますね」と黙々と向き合い、あっという間に完成。お友達にあげることが多いことから、フィンランドでは「友情ブレスレット」と呼ばれているのだそう。

「編み物熱が高まりました」と、自分用に購入する糸を物色中。
「私もよくTシャツヤーン(Tシャツを細かくカットして作る編み糸)で編み物をしていたので、リサイクルの糸に愛着がわきました。糸の中にちょっと違う色が入っていたりするのが、味があってかわいいですよね」
天然素材にこだわった
テキスタイルメーカー

6月のフィンランドはタンポポが咲き誇ります。セイナヨキへの道中、車を降りて「タンポポ休憩」。
1973 年に創業し、現在は4代目だというテキスタイルメーカーLapuan Kankurit。
大事にしている3つのことは「フィンランドの伝統的な織り方で作られていること」「トップデザイナーによるすばらしいデザインであること」「リネンやウールなどフィンランドに昔から受け継がれている素材であること」だそう。

案内してくれたオーナーのヤーナさん。
「伝統的な技法や自然な素材を、未来の世代に伝えていくことを大事にしているとお聞きして、本当に素敵だなと思いました」と奈緒さん。
「家族経営でやられているメーカーのものを購入するといつも思うんですが、きっと、自分の家族やお子さんが使ったらどうか、という目線が常にあるんだろうなと思うんですよね。すごく大切に作られたものなんだと気づかされます」

アアルト建築が息づく街
フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・ アアルト。 セイナヨキの中心には、彼が手がけた教会、図書館、市庁舎、劇場など6つの公共建築が集まり、今もなお地元の人々に利用されています。これらの建築群は「アアルトセンター」と呼ばれ、町のシンボル的存在になっています。
公式ガイド・タニヤさんの案内のもと、このアアルトセンターを訪れました。 限られた時間のなか、「まず、どの建物を見たいですか?」という問いに、即答で「劇場」と答えた奈緒さん。エントランスを抜けて劇場内に入ると、500席を備えた美しい木造の空間が広がっていました。ステージの上に立ち、「海を越えても、劇場という場所が街の真ん中にある。それを実感できたのが何より嬉しかったです。お客さんが帰ったあとの静けさや、ここで芝居をしたらどんな風になるだろうと、いろんな想像が広がって、劇場という空間の持つ魔法を改めて感じました」と感慨深く語ります。

劇場のステージから静かに客席を見つめる姿が印象的でした。
市庁舎と図書館を見学し、明るい自然光が降り注ぐ教会へ。内部は祭壇に向かって床がゆるやかに傾いており、タニヤさんいわく
「結婚式の際、新郎新婦が降りていくのは簡単。誓いをたてたあと、のぼっていくのは大変。人生の歩みみたいですよね(笑)」

パイプオルガンが響く荘厳な教会。「たまたま映画『ブルータリスト』を観たばかりなので、興味深かったです」と奈緒さん。
上空から見ると図書館の建物自体が「開いた本の形」になっていたり、照明や壁の配置が象徴的だったり、それぞれのデザインが意味を持ち、アアルトの思想が息づいている建築群。

アアルトデザインの机や本棚、照明に囲まれた図書館。居心地がいい、地元の人たちの憩いの場。
「建築って、作った人の思いを知ることができる手がかりなんだなと感じました。アアルトが建てた建物のひとつひとつが、ここで生きる人の暮らしと深く結びついている。その美しさが自然と街に溶け込んでいることに感動しましたし、地元の方が心からいいと思って私たちに伝えてくださっているのも嬉しかったです。 セイナヨキのこれまでの歴史が刻まれている場所なので、この街や文化を肌で感じることができました」
SEINÄJOKI
おすすめ旅リスト2選
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1
セイナヨキで一番のレストラン
Juurella


おいしいもの好きの地元の人々に愛されているレストラン。フィンランドの食材と旬を大切にした美味しい料理、美しいデザート、最高のワイン、そして居心地のいい空間。何度でも行きたくなる、地元らしさあふれるレストランのひとときが味わえる。
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2
ビュッフェも絶品の駅近ホテル
Hotel-Restaurant Alma


セイナヨキ駅から歩いてすぐの「Hotel-Restaurant Alma」は、1909年築の旧鉄道員集会所を改装したホテル。歴史ある空間で、居心地のいい客室と地元食材にこだわった料理が楽しめる。朝食とランチのビュッフェもおすすめ。
コッコラ・セイナヨキ・ヘルシンキを巡る
7日間の旅行日程
旅行料金:569,000円(2人部屋利用、燃油サーチャージ別途)
⚫︎出発日:2026年6月5日(金)
旅行料金:589,000円(2人部屋利用、燃油サーチャージ別途)
※上記のスケジュールは現地の事情や荒天などの事由により変更となる場合がございます。
俳優・
奈緒さん

1995年生まれ、福岡県出身。2018年、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロインの親友役に抜擢。2019年公開の『ハルカの陶』で映画初主演を果たす。近作に、『傲慢と善良』、ドラマ「春になったら」「東京サラダボウル」「塀の中の美容室」、舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』『大地の子』など。公開待機作に主演映画『死ねばいいのに』(金井純一監督・2026年7月3日公開)、主演映画『シャドウワーク』(吉野竜平監督・2026年公開)がある。2026年4月7日、初のフォトエッセイ『いつか』を出版。
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model:Nao photograph:Shinsaku Kato styling:Junko Okamoto hair & make-up:masaki text:Tomoko Ueda coordinate:Keiko Morishita special thanks:Finnair/Finntour/Visit Finland/Visit Kokkola/Visit Seinäjoki
リンネル2025年11月号
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
※掲載している情報は取材時のものです。現在は変更になっている場合があります
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