暑いこの季節は、涼しい美術館でアート鑑賞してみては? 『リンネル』のアート&イベント連載ページを担当しているライター赤木真弓さんおすすめの、見逃したくない注目のアート&イベントを厳選してご紹介します。
1. カルダー:そよぐ、感じる、日本
■動く彫刻、モビールで知られるカルダーの35年ぶりの個展
動く彫刻「モビール」で知られる、アメリカのモダンアートを代表する芸術家、アレクサンダー・カルダー。東京での開催は約35年ぶりとなる個展「カルダー:そよぐ、感じる、日本」が開催中です。
カルダーは1898年、アメリカ・ペンシルベニア州生まれ。1926年にパリに渡り、吊るされた抽象的な構成要素が、絶えず変化する調和のなかでバランスを保ちながら動く、「モビール」を発明。初期にはモーターで動く作品もありましたが、次第に機械駆動させることをやめ、気流や光、湿度、人間の相互作用に反応する作品を多く制作するようになりました。
1939年に代表作《ロブスターの罠と魚の尾》を発表。ジャン・アルプによって「スタビル」と名付けられた、静止した抽象的な作品も制作しています。そのほか、絵画、ドローイング、版画、宝飾品など数多くの作品を制作し、幅広い分野で活躍。1950年代以降になると、ボルトで固定した鉄板を使った壮大なスケールの屋外彫刻の制作に力を注ぎ、パブリック・アートも多く手がけました。
本展は「カルダーの芸術作品における、日本の伝統や美意識との永続的な共鳴」がテーマ。カルダー財団が所蔵する1920年代から1970年代までの作品約100点で構成され、代表作であるモビール、スタビル、スタンディング・モビールから油彩画、ドローイングまで幅広い作品が展示されています。
生前日本を訪れたことはなかったものの、20点以上の作品が日本国内18か所の美術館に所蔵されるほど、日本でも人気の高いカルダー。感性を刺激するカルダーの作品を体感して、その理由を探ってみては?
『カルダー:そよぐ、感じる、日本』
開催中~9月6日(金)/麻布台ヒルズ ギャラリー/10:00~18:00、金・土曜・祝前日は19:00まで ※入館は閉館30分前まで/一般¥1,500/https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/calder-ex/
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