【映画『コール・ミー・ダンサー』インタビュー】 親子でぜひ観たい、インド人ダンサー、マニーシュ・チャウハンさんが夢を追いかけ続ける姿 【映画『コール・ミー・ダンサー』インタビュー】 親子でぜひ観たい、インド人ダンサー、マニーシュ・チャウハンさんが夢を追いかけ続ける姿
好きなことに対して、今できることをすべてする
イェフダさんが熱心に指導するもう一人の生徒、マニーシュさんより年下で才能に恵まれたアーミル・シャーさんは、英国ロイヤルバレエの目に留まり、インド人として初の入学が決定。一方のマニーシュさんは、大きなケガやコロナによる活動の自粛など、さまざまな困難が続きました。
「アーミルさんとはライバルでもあり、兄弟のような感じ。彼はすごく恵まれた足をしていましたが、僕は大技ができるのでそれを教えたり。僕は日本の漫画やアニメが大好きですが、漫画にもよくいいライバルが出てきますよね。お互いに切磋琢磨して、インスパイアしあって成長できる。そういう仲間でした。確かに他の人がアーミルと自分を比較することはありました。でも、イェフダさんにはインドでは君は最高のバレエダンサーにはなれるが、始めた時期も遅いし、足もバレエ向きではないから、アーミルのように国際的なバレエ学校でやっていくのは難しい”とはっきり言われていました。それは真実だとわかっていても、やっぱりモチベーションは落ちますよね」
「でも次の人生まで待っていられないし、やりたいことはすべて今やるべきだと僕は考えています。来年一歳若くなる訳ではなく今が一番若いのだから、今できることをすべてやるべきだと。もともとポジティブな方ですが、そう意識しています。例えばケガをしても、そこから何が学べるか、いいことがあるかもしれないというように、ただ辛いと悩んでいるよりは歩みを進めるほうが僕はいいと思っていて。だからダンスを続けられるんです。
僕の人生もたまたまボリウッド映画を観て大技をやりたいと思って、それがダンスにつながって。もともとダンスは苦手だったのですが、踊るようになったらNetflixの映画の話が来た。Netflixの作品(『バレエ:未来への扉』)にまさか自分が選ばれるなんて! 一つひとつの事象が次のことにつながっている、そういう人生なんです。
だから僕はとにかく夢を見据えて、自分の大好きなことに対して100%の努力をする。そうすれば必ず誰か見守ってくれる人がいて、きっと手を差し伸べて、導いてくれると思うんです」
夢を諦めず、未来を切り開こうとするマニーシュさんのひたむきな姿が印象的な本作。最後に、この映画を通して伝えたいことを教えてもらいました。
「この映画はとても普遍的な作品です。例えば大好きなものに対する情熱、粘り強く、最後まで諦めない気持ち。夢、希望、犠牲がテーマになっているけれど、同時に親子についての映画でもあると思っています。
特に親は子どもに、子どもは親に期待をする。そこに齟齬があったりもするんですよね。親も子どももお互いを思っているし、間違ってはいないんですよね。お互いのそのときの気持ちははっきりわからないから、子どもは親と対決するのではなく、どうしてなのかということを説明して説得することが大事だと思うし、親はもしかしたら自分に見えている世界の外に、いろいろな可能性があるかもしれない、と視野を広げたほうがいいですよね。夢を形にするためには親も子も力を合わせなくてはいけないと思うので、この映画がそんな親子の会話に繋がってくれたら嬉しいです」
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