CULTURE

【映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』】 共同経営者のミカ・ラッティさんが語る、アキ・カウリスマキ監督とフィンランド・カルッキラ 【映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』】 共同経営者のミカ・ラッティさんが語る、アキ・カウリスマキ監督とフィンランド・カルッキラ

フィンランドの自然豊かな小さな町・カルッキラに、映画監督のアキ・カウリスマキを中心に作られた初めての映画館「キノ・ライカ」。
その開館に至るまでを追ったドキュメンタリー映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』が、現在公開中です。
アキ監督と共に映画館を共同経営する、ミカ・ラッティさんにカルッキラの町の魅力や、現在のキノ・ライカについて、たっぷりお話を伺いました。

ミカ・ラッティさん profile

カルッキラ在住の作家・詩人でありキノ・ライカの共同経営者。キノ・ ライカを始める以前はアキ・カウリスマキとともに自主上映サークル 「キノ・イグルー」を運営していた。

目次
  1. 初めての映画館が誕生した町、カルッキラ
  2. 発案から開館までわずか半年! みんなで作った映画館
  3. オープンから3年。現在のキノ・ライカは?
  4. カルッキラでのおすすめの過ごし方

初めての映画館が誕生した町、カルッキラ

工場跡に作られた「キノ・ライカ」。© 43eParallele

「キノ・ライカ」が誕生したのは、フィンランドのヘルシンキから車で約1時間の場所に位置する、鉄鋼の町カルッキラ。劇中にもここに暮らす人々がたくさん登場します。今回お話を聞いた、作家のミカ・ラッティさんもその一人。

「人口は9000人ほどの、200年以上の歴史を持つ今でも稼働する鋳物工場を中心に発展した、工業と産業、自然と文化がある町です。首都へのアクセスもよく、実際にヘルシンキまで通勤している人も結構います。ヘルシンキと比べると人が少ないということもありますが、プロジェクトを実現しやすい、物事がうまく進みやすいというのはいえるかなと思います」

アキ・カウリスマキ監督と写る、ミカ・ラッティさん(左)。

家族と20年、カルッキラに暮らしているというミカさん。アキ監督も35年以上この町に暮らしているそう。

「アキとカルッキラで、『Kino Iglu(キノ・イグルー)』という映画サークルを運営していて、ここ10年ほどは理事長をしていました。35mmフィルムの映写機で映画を上映したり、プレゼンターやゲストを呼んでイベントをしたり。そこでアキと友達になりました」

芸術家が多く暮らすというカルッキラ。映画館ができたことで移住してきた人もいるのだとか。

「キノ・ライカができたことで、カルッキラの町に文化に触れるものが増え、ポジティブに変わったと実感するときがあります。映画を見にきたり、バーに集まったり、ゆったりとした生活をする人も出てきています。アキが言うには、“ヘルシンキはカルッキラの港”だと。映画の中でも言っていますが、カルッキラの町に何かしてあげたいという気持ちがあり、映画館を作ることによって恩返しができるのではという思いはありました」

カルッキラは森と湖のある、自然豊かな小さな町。右に写るのは、『希望のかなた』『枯れ葉』に出演した女優のヌップ・コイヴさん。© 43eParallele

次のページ発案から開館までわずか半年! みんなで作った映画館

Related Article
おすすめ記事

リンネル最新号&付録

  • リンネル 最新号
  • リンネル 最新号
  • リンネル 最新号
  • リンネル 最新号
  • リンネル 最新号
  • リンネル 最新号

2025年2月号

おしゃれな人の冬の装い&持ちもの大調査

付録
miffy[ミッフィー]
眠るミッフィーがかわいい
ふわもちぐっすり枕

特別価格:1,480円(税込) / 表紙:河合優実 /
2024年12月19日(木)発売 ※一部の地域では発売日が異なります

VIEW MORE