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【映画『アアルト』監督インタビュー】 生誕125周年にひもとく、アルヴァ・アアルトの人生 【映画『アアルト』監督インタビュー】 生誕125周年にひもとく、アルヴァ・アアルトの人生

フィンランドを代表する建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルト。生誕125周年にあたり、アアルトの数多くの作品や妻のアイノとの手紙のやり取りなどを通して、彼の人生を描いたドキュメンタリー映画『アアルト』が現在公開中です。アルヴァ・アアルトはどんな人だったのでしょう、また人に寄り添うようなアアルトのデザインはどのようにして生まれたのでしょうか? 監督のヴィルピ・スータリさんにお話を伺いました。

目次
【映画『アアルト』監督インタビュー】 生誕125周年にひもとく、アルヴァ・アアルトの人生
  1. 子どもの頃から、アアルトの映画を作りたかった
  2. モダンで時代の先駆者だった、最初の妻アイノ
  3. もう一人の妻、アルヴァの晩年を支えたエリッサ
  4. よりよい暮らしのための建築を考え続けたアアルト
  5. 映画『アアルト』
  6. PROFILE

子どもの頃から、アアルトの映画を作りたかった

アアルト
アルヴァ・アアルト

アルヴァ・アアルトの知られざる素顔と、アルヴァと同じく建築家だった最初の妻アイノとの愛の物語を描いた初めてとなる本作。貴重な家族写真やアルバム、過去のインタビュー、アイノとの手紙のやり取り、同世代を生きた建築家たちの証言などを盛り込みながら、7か国で撮影された映像を通してアアルトの人生をひもときます。

監督した、フィンランドのヴィルピ・スータリさんは、子どもの頃からアアルトの映画を作ろうと考えていたといいます。

「私はロヴァニエミという小さな街で育ちましたが、そこにはアアルトの建築物がいくつかあるんです。そのひとつが市立図書館。大好きでよく通っていました。ロヴァニエミは戦後、アアルトやほかの建築家たちが集まって再建した街なので、私たちにとってアアルトはとても重要な存在で、家庭でもいつも話題になっていました。無意識のうちに、アアルト建築の持つ温かさに惹かれていたんですね」

ヴィ―プリ(現ロシアのヴィボルグ)の図書館

やはり本国フィンランドでも有名で大きな存在だというアアルト。

「フィンランド人の家には、花器やグラスウェアなど何かしらアアルトのものがあるので、皆、彼の建築や家具、デザインについて意見を持っています。それだけ親しまれているからこそ、本当の姿を見たいと思いました。それをまとめるためには、私自身が映像作家として成熟し、自信を持って作る必要があります。30年以上ドキュメンタリー映画を作ってきて、今なら徹底的なリサーチと、それに基づく自分なりの意見を映画に反映することができると思い、ようやく作ることにしたんです」

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