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穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」【連載・第9回】日本に帰ってきても忘れたくないこと(後編) 穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」【連載・第9回】日本に帰ってきても忘れたくないこと(後編)

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ハリウッドドラマ FX「将軍 SHOGUN」の撮影のため、昨年9月から約8か月カナダのバンクーバーに滞在していた女優・穂志もえかさん。初めての海外生活で感じているさまざまなことを、リンネル.jpの連載で綴ってくださってきましたが、先月帰国されたということで、連載9回目は、前回に引き続き帰国後の心境について書いていただきました。

目次
穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」【連載・第9回】日本に帰ってきても忘れたくないこと(後編)
  1. 穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」第9回
  2. 穂志もえかさんプロフィール

穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」第9回

こんにちは、
皆様、お変わりないでしょうか?

私は、今までは当たり前で、気にもしなかった日本のあれこれに敏感になったり、
違和感を覚えるという面白い日々が続いています。

バンクーバーというもう一つの環境を知ったことにより、
客観性をもって日本を感じることができるようになったのかなと思っています。

渋谷の交差点って音が多い! 3方向の建物から音が降ってきてる!とか、
広告宣伝車の音にびっくりしたり、人の多さに眩暈がしたり。
(バンクーバーで街中の音といえば海鳥の声しか思い出せない)

渋谷の朝焼け。密集した建物ときれいな朝焼けのコントラストが東京らしい。個人的にはもっと緑がほしい!笑

ホテルのアメニティ、こんなものまで用意されてる!、
飲食店のおしぼりありがたい、
百貨店のお手洗いが綺麗で助かる、
日本のコンビニってすごい…、
敬語って難しいなあ、
会釈はするけど言葉はあまり交わさないんだな、
なんだか度々恐縮しすぎてるなあとか(笑)。

続・バンクーバー滞在を通して気づいた大切なこと

さて、今回は後編ということで、
前回に続き、バンクーバー生活を通じて思っていること、の更新です!

■バンクーバー滞在を通して気づいた大切なことを前編から読む↗

3:感情との付き合い方

気持ちの対処方法についても、
自分の価値観に柔軟性が加わった気がしています。

帰国直前のことですが、
和菓子を作るお姉さんとの出会いがありました。
彼女は栄養学も勉強されていて、
その中で、感情を抑えすぎるということはあまり健康に良くない、と習ったそうです。
怒ったり悲しんだりすることも自然な感情の流れであり、
我慢しすぎないで、ちゃんと流すことが大切、と。

その話とふと繋がったように思ったエピソードがあります。

いつも明るいドライバーさんを見て感じた、適切な感情の出し方

いつも本当に明るく振る舞う現地のドライバーさんがいて、
(私たちといるときの彼女の口癖は「サイコー!」。もちろん日本語で!)
仕事の日も、休みの日も私は本当に彼女に救われたのですが、
彼女とご飯に行ったときに、なんでそんなにいつもポジティブというか、元気なのか、と聞いたら、
明るくいられるようにトレーニングをしてる!
たとえば、すごく仲の良い人には愚痴を言ったりしてるんだよ。そういうことあるでしょ?と言っていました。

大好きなドライバーさん。私の撮影初日には、私をリラックスさせたい、とJ-popヒットメドレーを探して流してくれました。

思えば、確かに彼女は、適切に感情を出している人でした。
彼女は、戦争のことに胸を痛め、家で涙が止まらなかったと話していたし、
私が自分のSNSに攻撃的なメッセージがきたことを話したら私よりも怒った。

でも、悲しんだあと、
泣いていても仕方がないから、と考え方を変えて、カナダ政府にメッセージを送ったんだ、と。
怒ったあと、そのアカウント、報告した?! 報告するべきよ。と私にアドバイスをくれました。

彼女の心が健康で豊かで、
思考も前向きなのは、
そういった、負の感情と呼ばれるものもまず認めて、
無視しないところにも起因してるのでは、と思いました。 

彼女が私のオールアップの日に個人的にくれたお花。最後まで至れり尽くせり。

負の感情も抑え込まずに上手く流していきたい

あ、これは良くない感情だ…と思って、その気持ちを消そうと頑張る人を、
小さい頃から幾人も見かけてきました。

先日も友人と電話をしたとき、
ああ、悪口を言ってしまった…と落ち込んでいたのですが、
私は彼が悪口を言ったとは思わなかったし、彼を嫌なやつだとも全く思わなかった。

本当に親しい人なんかには、苛ついたんだよね、
と出していいと思うのです。
本当は、自分の中に生まれる憤りや哀しみも、
喜びと同じように大切なのでは、と思います。

理不尽な辛さの渦中にいるのに、
自分が少し耐えれば、と我慢強く感情を抑える人を見ると、
もはや何も感じなくなってしまうのではないか…とか、
或いは、そうして、なかったことにされた感情が知らぬ間に蓄積し、
いつか爆発してしまうのでは、と心配になることがありました。
実際に爆発してしまった人を見たことがあるし、
私も爆発してしまったことがあります。

いつだって! 自由に! 感情を撒き散らせ!という話ではなく、
ただ、我慢はしすぎないで、
自分で紙に書き出したり、
友人や家族や、ときには専門家に話すこと(カナダではカウンセリングもとても一般的)で、
心が健康に保たれ、感情も豊かに巡る。

最初の栄養学の話、
感情を我慢しすぎることは健康に良くない、
つまり、適切に感情を流すことで健康が保たれるというのは、説得力があるように思います。
心と身体は密接ですものね!

4:日本人としてのアイデンティティ

色んな国をルーツに持つ方たちと接した結果、
日本のことをもっと勉強したくなりました。

皆自分の国について興味や知識があったし、
誇りを持っているんだなと感じることもありました。
世界196か国の中の、“日本人”であることに誇りを持つためには、
ちゃんと日本のことを知らないとならないなと思い、
歴史や伝統、文化など、様々な方面に興味が出てきています。

カナダにいるときに突然ロリータファッションについて気になって調べたり…、
今はSHOGUNを経て、宣教師やキリシタンのことを知りたくなり、長崎に行ってみたいなとか、
日本は世界唯一の被爆国だから、資料館にも足を運びたいなとか。

バンクーバーで日本のお料理や工芸品などを模倣したものを見かけては、ワ、本当はこんな感じではないから、
みんなぜひ日本に来てほしいな〜!と思ったり。

模倣品の面白さもあったりするのかもしれないですが、
正しく、日本の良いものが世界に伝わってくれたらいいな、と思い、
そのためにはまず自分が、本物について、説明できるような知識を身につけなければな!と思っています。

バンクーバーで、多方面から日本について知ってもらう活動をしている、声優でもあり、イラストレーターでもあるYurie Hoyoyonちゃん。先月開かれた日本がテーマのお祭り「Japan Market」では企画にも入ったそう。彼女の活動をこれからも応援したいです。

バンクーバーがもう一つの帰る場所に

私がお世話になったお店などに、日本に帰る挨拶をすると、
辛くなったらいつでもまた遊びに来てください、帰ってきてください、
というお言葉をいただきました。
その言葉たちに本当に心が震える想いでした。

もう一つ帰る場所ができたような気持ちです。

脚本家さんたちにいただいたシャンパンを、バンクーバーでできたお友だちと一緒に飲みました。

出会った方たち、皆さんに、めいっぱいの感謝の気持ちです、
本当にありがとうございました!

また遊びにいきます、いや、また海外の作品の撮影でも行きたいな!
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

Thank you so much!

穂志もえかさんバンクーバー滞在記最終話
ちゃんと私のことを覚えていました。お互い寂しかったね、これからもよろしくネ!

PROFILE

穂志もえか
穂志もえかさん
女優。1995年生まれ、千葉県出身。講談社主催「ミスiD2016」にてグランプリを受賞。2018年公開の映画『少女邂逅』で初主演を務めたほか、映画『愛がなんだ』、『街の上で』などでも注目を集める。連続ドラマCX「アンサング・シンデレラ」や、KTV/CX「大豆田とわ子と三人の元夫」など話題作に多数出演。ハリウッドドラマFX「将軍 SHOGUN」撮影のため、2021年9月から約8か月間カナダのバンクーバーに滞在。
Instagram:@moekappa823

■穂志もえかのバンクーバー通信「colorful days」連載記事一覧はこちら

photograph:Jun Imajo[profile]
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