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かご作家・いたしおりさんに聞く 手をかけてつくる暮らしの余白 かご作家・いたしおりさんに聞く 手をかけてつくる暮らしの余白

いたしおりさん

家で過ごす時間がたっぷりあったなかで、居心地よくするために何かを始めたり、ものを減らしたり、暮らしに向き合った人は多かったはず。素敵なあの人たちはどう工夫しているのでしょう。 今回は、義祖父母の古い家屋を受け継いで手を入れながら暮らす、かご作家のいたしおりさんにお話を伺いました。

目次
時間はかかっても手をかけた場所が暮らしの余白に
  1. 無心になれるキッチンで 少しずつ「時」を貯める
  2. 伸びやかなサンルームがもたらす余白の時間
  3. 古道具の温かみで安堵感を覚える
  4. プレイルームで家族で音を共有する時間
お話を伺ったのは……かご作家 いたしおりさん
  1. Profile

時間はかかっても、手をかけた場所が暮らしの余白に

4年前、義祖父母が残したこの家に移り住んだいたさん夫婦。二人の好きな古いものを取り入れセルフリノベーションしているうちに、娘の凪ちゃんが生まれ、生活も家とともに変化していきました。

「部屋のつくりかたも、時間も、余白のようなものをわざと残しているかもしれません。子どもの世話に一生懸命になっていればそれだけで1日は終わってしまう。たとえば酵素シロップをつくらなくたっていいけれど、やったほうが暮らしに余白ができるといいますか。おじいちゃんの代からあった床の間も、自分たちで収納に変えることだってできたけれど、あえてそのままに。サンルームも子どもの遊具で埋めることもできます。でも、それはしないようにしているんです」

部屋の中にふんだんに取り入れられた古道具もそのひとつだと、いたさんは言います。

「誰かにとっては不要なもの、価値のないものだとしても、異なる視点を持つことで価値を感じられます。捨てるより大切にして楽しむほうが自分自身も元気が出るんです。ここも築50年で古いけれど、夫と義祖父母の思い出がたくさん詰まった大切な家なんです」

無心になれるキッチンで少しずつ「時」を貯める

まだ1歳になったばかりの子育ては待ったなし。
「隙間時間を積み重ねていくことでできることもたくさんあるんだと気づきました。シロップを仕込んだりお菓子を焼いたり。日々お母さんとして生きているなかで、自分に戻れる時間です」
(左)酵素シロップは季節の果物をたっぷりと。今日は近くの土手で摘んできたミントも一緒に。
(右)梅干しや、桑の葉や野草のお茶、塩こうじなど、できるときに少しずつ手作りで。

伸びやかなサンルームがもたらす余白の時間

義祖父母が住んでいた頃からあるサンルーム。ここでは生業にしているかごを編んだり、野 菜を乾燥させたり、摘んできた野草の虫食いをよけたり。
「ここがあるのとないのとでは、自由度が違います」

古道具の温かみで安堵感を覚える

床の間には野花や、いたさんの作品であるタペストリーを飾って。
「花器やランプ、竹のボールは夫婦で集めた古道具。少々不便でも古いものを大事にすることは自分たちの生き方に合っています」

プレイルームで家族で音を共有する時間

家族みんなで遊べる部屋には、おもちゃだけでなく、夫婦それぞれのギターや、娘の凪ちゃんの太鼓や木琴などの楽器が並んでいます。
「娘はまだ言葉を話せないけど、楽器で遊べば家族で空間や気持ちを共有できるんです」

お話を伺ったのは……かご作家 いたしおりさん

いたしおりさん

Profile

5年前よりかご作家として活動を始める。「絵を描くように編む」をコンセプトにした自由な曲線が特徴。イラストも手がける。埼玉県川越市で、1歳(取材時)の娘と夫と暮らす。@itashiori

モデル・チェルシー舞花さんの模様替えしてできたくつろげる居場所

料理研究家・門倉多仁亜さんのモーニング&ナイトルーティン

ニットデザイナー・宮本直子さんのモーニング&ナイトルーティン

photograph : Aya Sunahara edit & text:Nao Yoshida web edit:Liniere.jp
※写真・文章の無断転載はご遠慮ください

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