【シンプルライフ“もたない暮らし”の収納術】都内42㎡賃貸二人暮らしでもすっきりさせるコツ(素敵なおうち訪問:夕街さやさん宅後編) 【シンプルライフ“もたない暮らし”の収納術】都内42㎡賃貸二人暮らしでもすっきりさせるコツ(素敵なおうち訪問:夕街さやさん宅後編)
素敵なおうちを訪ね、家づくりにおいてこだわったところやお気に入りのポイントなどをお聞きする連載「素敵なおうち訪問」。
今回訪れたのは、都内二人暮らしのシンプルライフをInstagramで発信している夕街さやさん。こちらの後編では、コンパクトな住まいで実践する収納術をご紹介。ものを増やさず、心地よく暮らすための工夫とは?
夕街さやさんのおうちDATA
・世帯人数:二人暮らし
PROFILE
夕街さやさん(専業主婦)
都内の複数路線が通る好立地の街に暮らす。千葉から東京に引っ越し、コンパクトな家に住み替えたことがきっかけで、「ものを持たない、シンプルな暮らし」をスタート。
>> 【前編】都内42㎡で二人暮らしの北欧インテリアのお話も読む↗
「収納の見える化」で、ものを増やさない
Instagramで発信しているシンプルなインテリアが人気の夕街さやさん。東京都内の42㎡賃貸マンションに夫婦で二人暮らし。
比較的コンパクトな住まいながら、本当に必要なものだけを選びながら、お気に入りに囲まれて心地よい暮らしを実現しています。
コンパクトな暮らしをはじめたきっかけは?
「以前は千葉の広い家に住んでいたのですが、夫の仕事の都合で都内に引っ越すことになりました。アクセスなどを考えて便利な都心を選んだこともあり、住まいは必然的にコンパクトに。そのまま持っていくことはできなかったので、多くのものを手放したんです。引っ越し後は、ものを増やさないように“もの選びの基準”が自然とできてきて、今のようなライフスタイルが定着しました」
少ないものでも豊かに暮らす大きなポイントは「収納の見える化」。特に、クローゼットと食器棚をオープン収納にしたことで、「足りないから欲しい」と思うことがなくなったそうです。
「コンパクトな住まいなので、ものをむやみに増やすことはできません。収納を隠さず可視化したことで、ただなんとなくものが増えていくということがなくなりました。普段、よく見えるところにお気に入りのものがあるので、自然と満足感や安心感も得られている気がします」
「引き出しの中も、開けたらそのカテゴリーのものがすべて把握できる状態にしています。そうすることで、無駄に買いすぎたり、買ったことを忘れてしまったりすることがなくなりました。特に洋服や器は大好きだからこそ、意識をしないとどんどん欲しくなる…。なので、『ここに入る分だけ』と適量を決めています」
また、新しく何かを買うときは、『今あるものを手放してまで欲しい?』と自分に問いかけてから、必要なものかどうかを判断しているそう。
オープンクローゼットで「洋服を見える化」
リビングに設置している身支度スペースには、今シーズンの洋服やバッグ、アクセサリーやコスメなどを集約しています。身支度を整えて出かけるまでの準備が、ここですべて完結します。
「間取り1LDKなので、もう一つ部屋があるのですが、夫の仕事部屋兼寝室として使っています。その部屋のクローゼットがものすごく小さくて、夫のものでいっぱいになってしまいました。最初は成り行きでリビングに自分の身支度スペースを作りました。一日を気持ちよく始めて、ほっとした気持ちで終えられる、そんな大切な場所になっています」
「お気に入りのものがいつも目に入ることで、気分も上がるし、日々のコーディネートに迷うこともなくなりました。クローゼットに洋服をしまっていた頃は、たくさん洋服があるのに『着るものがない…』とよく感じていました。“持たない暮らし”を始めてからは、ここに収まる分だけ。プチプラの服を1シーズン着倒して、潔く手放すことが増えました」
「年齢を重ねるにつれて、昔の服が似合わなくなってきたり、トレンドの移り変わりもどんどん早くなっていて…。今の自分に似合うものを、その都度選ぶようにしています。洋服の数が少ないほうが、クローゼットの中もよく回りますし、買い物欲も満たされる気がします」
バッグやキャップなどの小物は、どんな服にも合わせやすい“黒”を選ぶのが夕街さんの定番。着まわしのきくアイテムを選ぶことで、自然とものが増えにくくなるのだそうです。
オープン食器棚で「器を見える化」
キッチンを少しでも居心地のいい場所にしたいと、食器も見せる収納に。
「お気に入りの器が目に入るたびにうれしい気持ちになりますし、料理へのやる気も湧くようになりました。食器は棚の上段に入る分だけと決めています」
「イッタラやマリメッコなど、北欧の食器が好きです。特にイッタラは、和洋どちらの食卓にもなじみますし、何より丈夫。飽きのこないデザインも、さすがだなと感じます。長いもので、もう15年以上愛用しているものもあるんです」
なかでもお気に入りの一枚は、ティーマのスクエアプレート。あえて華やかなピンクやイエローなどの色ものをチョイス。
また、最近購入したコンパクトなオーブンレンジ、象印のエブリノ(18L)がお気に入り。
「わが家の小さな冷蔵庫の上に置いても圧迫感がないサイズ感や、かわいいフォルムがお気に入りです。このオーブンレンジのおかげで、キッチン全体の景色がより好きになりました。ボタンもシンプルで、トーストは両面焼きなど、機能性も抜群なんです」
すっきり整頓されたキッチン
夕街さんのキッチンは、ものが少なく、料理がしやすいミニマムさが特徴。ストレスフリーに動ける家事動線も魅力です。
調理台には、最低限の調理器具のみを置いてすっきりとした印象を叶えています。ごちゃっと見えがちな調味料のボトルは、収納内へ。
また、キッチン後ろの空きスペースには、ちょっとした収納スペースを作っています。ベンチの下には、防災のためにアンカーのポータブル電源を設置。
「非常用に購入したのですが、普段スマホなどはここで充電しています。存在感がありますが、普段からも使えるので買ってよかったです」
「今、このスペースに新しく棚が欲しいなと色々と妄想中です。チボリオーディオなどを置いて、音楽やラジオを聴きながら料理ができたらいいなぁと思っています」
「飾る」と「使う」を兼ね備えたもの選び
夕街さんが少ないものでも気分が上がる暮らしを実現させるためにやっていることは、「実用性があって、かつインテリアにもなるものを選ぶ」こと。
「使わないときはインテリアとしても機能するものを選べば、持ちものの総量は少なくなります。『見てうれしく、使って便利』がわたしのもの選びの指針です」
出しっぱなしでも気分が上がるかどうか。たとえば、こんな名品たちです。
スウェーデンで100年を超える老舗の道具ブランド、イリスハントバークのミニほうきとちりとりのセット。
「主にオーブンレンジのパンくずを掃除するために使っています。冷蔵庫のとびらにひっかけておいて、さっと取り出してすぐに掃除できます。掃除道具でありながら、かわいらしいフォルムもお気に入りです」
キッチンのシンク上には、ラッセントレーの鍋敷きを飾るように収納。使わないときも、まるでオブジェのように美しく、シンプルな空間のアクセントになっています。
「手放すとき」のことも考える
そして、ものを増やさないコツは、買うときに「捨てるとき」や「手放すとき」のことまで想像すること。処分に手間やお金がかかるものは、それだけで“買わない理由”にもなるそうです。
「たとえば大きな家具は『次の家に入らないかもしれない』『粗大ゴミに出すのは大変だし、お金がかかる』と、購入を見送ることもあります。買うときに、ものをストレスなく手放せるルートまで考えておくことが大切だと思います」
また洋服は、ZOZOTOWNの買取サービスを利用しているそう。
「袋が送られてきて、手放したい洋服を入れるだけなんです。ヤマトの方が取りに来てくれるので、発送の手間もほとんどかかりません。査定金額に応じてポイントが付与され、次の買い物にも使える仕組みに。こうして、洋服の循環もスムーズになっていきました」
コンパクトな住まいで、シンプルかつ心地よい暮らしを見せてくれた夕街さん。
決して多くのものを持たなくても、自分なりの「もの選びの基準」を大切にすること。そして収納を工夫するだけで、きちんと満たされる感覚と豊かな日常が手に入る——そんなことを教えてくれました。
>> 【前編】都内42㎡で二人暮らしの北欧インテリアのお話も読む↗
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photograph:Tsubottle edit & text:Riho Abe illustration(間取り):Kayo Yamaguchi
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