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:宮﨑あおいさん「たくさんのご縁がつながって、今の自分はここにいる」【リンネル創刊15周年リレーインタビュー vol.7】
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リンネルの15周年を記念し、ゆかりのあるみなさまへのインタビュー第七弾!
今回はリンネルの創刊当初から、変わらない透明感で私たちを魅了してきた宮﨑あおいさん。
節目の年齢を迎える今、“これまで”と“これから”の暮らしについて語ってくれました。
今回お話を伺ったのは…
宮﨑あおいさん PROFILE

“手を動かすこと”はずっと変わらず大好き。
これからも形を変えながら、続けていきたいです

人見知りがなくなって
自然体で会話を楽しむように
― 初めてリンネルの表紙に出ていただいたのは2012年です。この頃も今も、宮﨑さんの穏やかな空気感と透明感は変わらないですね。
懐かしい! この頃はまだ顔立ちが幼いですね。ちょうど昨日、マネージャーさんと「あの頃は、毎日現場に行っていましたね」と話していました。
もちろん、今もお仕事が好きなことに変わりはないけれど、当時は生活の中心がお仕事だったので。
そのときと比べると、仕事とプライベートのバランスは変わりましたが、好きな気持ちを継続できているのは幸せなことだと思います。
― 今は作品に参加できる時間が限られているかと思いますが、作品との向き合い方は変わりましたか?
作品の一部になれることの幸せと責任感が増したと思います。
たとえば先日『秒速5センチメートル』の試写を観たときに、幸福感と同時に「自分でよかったのかな?」という気持ちが湧いてきて。
みんなで作品を作ることが大好きだからこそ、「きちんと自分は役に立っているのかな」と感じるようになったのだと思います。
今年で40歳になって、これからの自分の人生や、ひとつひとつの作品について考える時間が増えたことも、その理由かもしれません。

ストライプワンピース¥272,800/ケイシーケイシー、デニムジャケット¥154,000/forme(ともにランデヴー オー グローブ)、ピアス¥61,600、ネックレス¥48,400、ヴィンテージリング¥30,800/すべてソウス・オブジェクツ(ソウス・オブジェクツ)、その他/スタイリスト私物
― 今までの誌面の中でも印象的なのが、刺しゅう作家のatsumiさんとの対談です。刺しゅうは今も続けていらっしゃいますか?
はい! 相変わらず、手を動かすことがが大好きで、お仕事の待ち時間には以前と同じようにちくちく刺しています。
昨日もちょうど、atsumiさんの図案を刺していたところです(笑)。
お仕事でエプロンを使う予定があるので、そこにワンポイントで刺しゅうが入っていたらかわいいよね、とスタイリストさんと相談して。
最近は、洋服のほつれや穴を直したり、汚れたところを刺しゅうでカバーする「ダーニング刺しゅう」も始めました。
汚れてしまったTシャツも、刺しゅうをすればまた新鮮な気持ちで着られるのがうれしいです。
金継ぎもしているので、ものに手を加えて、また使えるようにすることが好きなんでしょうね。
― 刺しゅうを始めたきっかけは何だったのでしょうか。
始めたのは10年以上前で、ちょうどリンネルに初めて出た頃ですね。
もともと絵を描くのが好きで、自分の絵が立体になったらおもしろいだろうなと思って始めました。
その前は編み物が好きでしたから、形を変えながら、ずっとものづくりは続けています。
刺しゅうを始めた頃はとても人見知りで、現場でもなかなか共演者の方と話せなかったんです。
人の目を見て話すのが恥ずかしくて……。でも刺しゅうをきっかけに、話が弾むことがあって、とても助けられました。
私も刺しながらだと、面と向かうよりも話しやすくて。
たくさんのご縁がつながって、今の自分はここにいる。
「ありがとう」が増えていくことに、幸せを感じています

― 今は変わりましたか?
今はかなりオープンになったので、刺しゅうがなくても自分から話しかけられます(笑)。
そこは15年間でも特に変わった部分ですね。街を歩いていても、困ったときは誰かに助けを求められるようになりましたし。
もちろん年を重ねたことも理由ですが、子どもを育てていることが大きいと思います。
子育てを通じて私の世界も広がって、人とのコミュニケーションは楽しいことだと教えてもらった気がします。
相手との間に感じていた壁もいつの間にかなくなっていたのかもしれません。
― 20代の宮﨑さんは、シンプルな黒の服で現場に来ることが多かった印象です。ファッションの好みにも変化はあるのでしょうか。
最近は黄色が好きです。黄色いコートやワンピースを見るとつい買ってしまって、気づいたらエコバッグまで黄色です(笑)。
子どもの好きな色が黄色で、持っていると喜んでくれるので。ファッションでは6年くらい前にピアスを開けたのも大きな変化ですね。
それまでは、衣装で華やかなドレスを着たときも、耳元にはおもちゃのようなピアスシールを貼って遊んでいました(笑)。

ニットセーター¥45,100、サテンパンツ¥42,900/NATIVE VILLAGE(NATIVE VILLAGE)、林檎ピアス ¥27,500(SHINGOMATSUSHITA)、ネックレス¥11,000、ブレスレット¥6,930/すべてヘレン ヘイジ(ヘレン ヘイジ)
― 今年で40歳を迎えますが、ファッションも含めて、どんな大人を目指していきたいですか?
特別に若づくりをしたいわけでも、大人っぽく見せたいわけでもないので、そのときの自分にとって無理がなく、しっくり来るものを選んでいきたいです。
そうすれば、きっと周囲からも似合っていると思ってもらえそうなので。たくさんの服を買うよりも、1着1着に愛着を持って、長く大切にできるものを選びたいですね。
今はそれほど物欲もなくて、自分のものよりも、家族のものを選ぶ方に興味があります。
― 「こういう役を演じたい」「こういう形で作品に携わりたい」という理想はありますか?
具体的な目標はあまりないんです。
「たくさんのご縁がつながった結果、今ここに自分がいられる」と感じているので、これから年を重ねていく中でも、そのご縁をいい形で続けていけたらいいなと思っています。
俳優のお仕事はひとりでできるものではなく、まわりの支えがあってこそ成り立つものだと思ってきました。
さらに多くの方に気に掛けてもらう機会が増えた今、「ありがとう」の気持ちが深まっていくことが、とても幸せです。
Liniere × Aoi Miyazaki’s History
憧れだった刺しゅう作家さんとのコラボレーションも!

宮﨑さんが初めて表紙に登場したのは2012年。
以来、たびたび誌面を飾ってくれましたが、なかでも思い出に残っているのは刺しゅう作家・atsumiさんと一緒に糸仕事をするコラボレーション企画。
「あの企画のおかげで、大好きだったatsumiさんにお会いできました。今でも仲良くしています」
\素敵な方々がそろう連載も大好きです/

リンネルへのメッセージ

「リンネルの撮影はいつも楽しくて、かわいいお洋服を着られるのがうれしいです。楽しみながら続けることは、きっと難しいときもあると思いますが、私にとって“安心のリンネル”として、これからも変わらずにいてほしい。そのなかで、私もときどき参加できたら幸せです」
リンネル創刊15周年記念インタビューをもっとチェック!
model: Aoi Miyazaki photograph: Emiko Tennichi styling: Makiko Fujii hair&make-up: Minako Suzuki text: Hanae Kudo
リンネル2025年11月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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みやざき・あおい/1985年、東京都生まれ。2001年公開の映画『EUREKA』で多くの新人賞を受賞。2008年には22歳で大河ドラマ『篤姫』の主演に抜擢される。映画『秒速5センチメートル』が10月10日公開予定。10月からはドラマ「ちょっとだけエスパー」(テレビ朝日系)に出演。