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【今みたいアート案内】 もうすぐ会期終了! 見逃せない展覧会5選 【今みたいアート案内】 もうすぐ会期終了! 見逃せない展覧会5選

4. 再開館記念 「不在」ートゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル

■「不在」から考える、二人のアーティストの表現した「存在」

左からアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《『イヴェット・ギルベール』表紙》、1894年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ミルトン》、1895年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵

ポスター画家として高く評価されている、フランスのアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックと、現代フランスを代表するアーティストのソフィ・カル。二人のアーティストが時代を超え、「不在」という同じテーマでゆるやかにつながる展覧会が開催中です。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《『彼女たち』 行水の女―たらい》、1896年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵

1864年に名門伯爵家に生まれたロートレックは、1891年に初めて手がけたポスター《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》で、一躍人気画家に。パリ・モンマルトルの歌手や芸人、娼婦など、素早いデッサンと大胆な構図で生き生きと描き、ポスター制作を通して習得したリトグラフの技法を用いた、多彩な版画作品や油彩画も数多く残しました。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《54号室の女船客》、1896年、リトグラフ/紙、三菱一号館美術館蔵

一方、1953年にパリに生まれたソフィ・カルは、自伝的な作品をまとめた《本当の話》や、自身の失恋体験による痛みとその治癒を主題とした《限局性激痛》など、テキストや写真、映像などを組み合わせた作品で知られる、コンセプチュアル・アーティスト。見ることとは何かを追求した『盲目の人々』『最後に見たもの』などの作品を通して、美術の根幹に関わる視覚や認識、「喪失」や「不在」についても考察しています。

ソフィ・カル氏ポートレート Sophie Calle Photography : Yves Géant

本展は、そんなソフィ・カルが提案した「不在」がテーマ。三菱一号館美術館のコレクションを含む、136点のロートレックのポスターや版画などの作品を展示。描かれる人物の不在や、色彩の不在など、さまざまな「不在」から作品を見ていきます。さらにソフィ・カルは、多くの作品に通底する「不在」をテーマに、代表的なシリーズ「なぜなら」をはじめ、多様な創作活動を紹介。「不在」を通して、その表裏の関係にある「存在」にまで思いを巡らせながら見ることができそうです。

再開館記念 「不在」ートゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル

 

開催中~1月26日(日)/三菱一号館美術館/10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで。金曜と会期最終週平日、第2水曜は20:00まで/月曜休館(ただし1月20日〈月〉は開館)/一般¥2,300ほか/https://mimt.jp/ex/LS2024

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