CULTURE
:【今見たいアート案内:12月〜1月】 年末年始に観たい、感性を磨ける展覧会5選
CULTURE
:
この年末年始、ゆっくりアート鑑賞するのはいかがでしょう。 『リンネル』本誌のアート&イベント連載ページを担当しているライター赤木真弓さんおすすめの、今見ておきたいアート&イベントを厳選してご紹介します。
exhibition
01
- つぐ minä perhonen
■30年間の活動で広げた、ものづくりの波紋

刺繍工場での補修作業 手元風景 Photo: Yayoi Arimoto
2025年に創設30周年を迎えた、ファッション・テキスタイルブランド「ミナ ペルホネン」。デザイナーの皆川 明さんの、「せめて100年つづくブランド」という思いのもと、一着の服を長く愛してほしいという願いが込められています。

“one day” 2018-19→a/w
ミナ ペルホネンは、共鳴する人々を繋ぎ、手技を生み、新たなクリエイションへとその活動を広げています。本展では、さまざまな「つぐ」の形を感じながら、ものづくりについて見つめます。

“swing camellia” 2022-23→a/w 原画 Photo: sono (mame)

“pot-au-feu” 2015-16→a/w

“sea sky” 2025-26→a/w Photo: Keita Goto(W)

『つぐ minä perhonen』
開催中~2026年2月1日(日)/世田谷美術館 1・2階展示室/10:00~18:00 ※入場は閉館30分前まで/月曜、12月29日(月)~2026年1月3日(土)、1月13日(火)休館(ただし1月12日〈月・祝〉は開館)/一般¥1,700/https://tsugu.exhibit.jp
展覧会告知ポスター(アートワーク:皆川 明 《クルクル うねうね》)
exhibition
02
上野アーティストプロジェクト2025
『刺繍―針がすくいだす世界』
■針と糸だけで作られる、多彩な刺繍表現

岡田美佳《ハーブの庭》1996年 作家蔵
上野アーティストプロジェクト第9弾として開催する本展では、布地などに針で糸を刺し、縫い重ねる手法によってかたちづくられた多彩な造形と表現に注目。

尾上雅野《秋》1974年 公益財団法人日本手芸普及協会蔵
大正末から現在に至る、平野利太郎、尾上雅野、岡田美佳、伏木庸平、望月真理の5人のつくり手たちの活動を通して、「刺繍」といういとなみがもたらす、さまざまな意味と可能性について考えます。

平野利太郎《サボテン》(部分)1955年 町田市立博物館蔵

望月真理《象は森の王様》2020年頃 個人蔵
また同時に、「刺繍がうまれるとき—東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形」を開催。
東京都江戸東京博物館、東京都写真美術館、東京都現代美術館の所蔵品から、「刺繍」や「刺子」と呼ばれるような糸・針・布による造形物と、それに関連する資料を時代ごとに4つの章に分けて紹介。特別に、女子美術大学工芸専攻研究室が所蔵する明治末~昭和初期の学生たちが制作した「刺繍画」も展示。

コレクション展「刺繍がうまれるとき―東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形」 髙田安規子・政子《ジョーカー》2011年 東京都現代美術館蔵 Photo: Ichiro Otani

コレクション展「刺繍がうまれるとき―東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形」 青山悟《Map of The World》2014年 東京都現代美術館蔵

上野アーティストプロジェクト2025
『刺繍―針がすくいだす世界』
開催中~2026年1月8日(木)/東京都美術館 ギャラリーA・C/9:30~17:30 ※金曜は20:00まで。入室は閉室30分前まで/12月22日(月)~2026年1月3日(土)、1月5日(月)休室/一般¥800/https://www.tobikan.jp/2025_uenoartistproject/
※「刺繍がうまれるとき—東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形」は観覧無料
exhibition
03
アール・デコとモード
京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に
■アール・デコ博覧会から100年。当時の服飾の流行を検証する

ジャン・パトゥ イヴニング・ドレス(部分) 1927年 京都服飾文化研究財団 撮影:来田猛
1920年代を中心に世界を席巻し、生活デザイン全般におよんだ装飾様式「アール・デコ」。
世界有数のファッションアーカイヴである京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションから、アール・デコ期の選りすぐりのドレスや服飾小物などを一挙に公開。現代にも影響を与え続ける、100年前の「モード」をひもときます。

ロベール・ボンフィス ポスター「現代産業装飾芸術国際博覧会」 1925年 京都工芸繊維大学美術工芸資料館

ルースパウダー入りコンパクト(二種) 1920年代初頭 カネボウ化粧品(アンティークコンパクトコレクション) 撮影:若林勇人

ジャクリーヌ・マルヴァル《ヴァーツラフ・ニジンスキーとタマラ・カルサヴィナ》 1910年頃 個人蔵/ジャクリーヌ・マルヴァル委員会(パリ)協力

『アール・デコとモード
京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に』
開催中~2026年1月25日(日)/三菱一号館美術館/10:00~18:00 ※2026年1月2日(金)をのぞく金曜、会期最終週平日と第2水曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/祝日をのぞく月曜、12月31日(水)、1月1日(木)休館(ただし12月29日〈月〉、1月19日〈月〉は開館)/一般¥2,300/https://mimt.jp/ex/artdeco2025/
exhibition
04
永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル
—— ハイジュエリーが語るアール・デコ
■ハイジュエリー作品を通して見る、アール・デコの影響

絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット 1924年 プラチナ、エメラルド、ルビー、オニキス、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション © Van Cleef & Arpels
通称「アール・デコ博覧会」の100周年を記念し、ヴァン クリーフ&アーぺルの「パトリモニー コレクション」を中心とした、歴史的価値が認められたジュエリーや時計、工芸品などを厳選して展示。
アール・デコの魅力と、メゾンのジュエリーに引き継がれる匠の技の数々を堪能できます。

- ロングネックレス 1924年 プラチナ、エメラルド、ルビー、サファイア、オニキス、エナメル、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション © Van Cleef & Arpels

- コルレット 1929年 プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド エジプトのファイーザ王女旧蔵 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション © Van Cleef & Arpels

- カメリア ミノディエール 1938年 イエローゴールド、ミステリーセット ルビー、ルビー ヴァン クリーフ&アーペル コレクション © Van Cleef & Arpels

- クリサンセマム クリップ 1937年 プラチナ、イエローゴールド、ミステリーセット ルビー、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション © Van Cleef & Arpels

『永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル
—— ハイジュエリーが語るアール・デコ』
開催中~2026年1月18日(日)/東京都庭園美術館/10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで/月曜、12月28日(日)~2026年1月4日(日)、1月13日(火)休館(ただし1月12日〈月・祝〉は開館)/一般¥1,400 ※日時指定予約制/https://art.nikkei.com/timeless-art-deco/
exhibition
05
21_21 DESIGN SIGHT企画展
『デザインの先生』
■魅力に満ちた、先生たちに出会う

ブルーノ・ムナーリ「Canarie(カナリア)」(1958年デザイン)
ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスの6名を「デザインの先生」として紹介。
デザインを通して多様な視座を示した巨匠たちの活動を振り返り、社会に対して投げかけたメッセージについて考えます。

ヴァネチア・ビエンナーレ スイス館の模型をもつマックス・ビル(1948年) Ernst Scheidegger, max bill / pro litteris

マックス・ビル「ひとつのテーマによる15のヴァリエーション」(1935-1938年制作)

エンツォ・マーリ「Samosシリーズ『磁器のデザイン G』」(1973年) 撮影:エス・アンド・ティ フォト ©︎2022

エンツォ・マーリ「Timor(ティモール)」(1967年デザイン)

ブルーノ・ムナーリ「Falkland(フォークランド)」(1964年デザイン)

21_21 DESIGN SIGHT企画展
『デザインの先生』
開催中~2026年3月8日(日)/21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2/10:00~19:00 ※入場は閉館30分前まで/火曜、12月27日(土)~2026年1月3日(土)休館/一般¥1,600/https://www.2121designsight.jp
こちらもチェック!
text & edit:Mayumi Akagi
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
おすすめ記事 RELATED ARTICLES
Recommend
SNAPRanking
DAILY
/
WEEKLY





































