少しずつ積み重ねていくことで、体も心も健やかになれるだけでなく自分を好きになれるのが漢方養生。 漢方養生とは春夏秋冬、朝昼晩、自然に沿った暮らしをすること。 山梨県で鍼灸院を営む夫婦のユニット、moxies(モクシーズ)さんに教えてもらいました。 毎日更新しますので、琴線に触れるものがあれば実践をしてみてくださいね。
5月31日
五行論を用いて季節の体調を知る
東洋医学の基本的な考え方に、五行論があります。
五行論は、自然界にある基本的な物質を象徴的な木、火、土、金、水の5種に分類した
東洋医学の考え方で、「五行色体表」を用いて体の状態を判断し、治療や養生をとりいれています。
五行色体表を応用すれば、季節ごとにおこりやすい症状が分かり、体調を改善するために選ぶべき食材や、色、味つけなどの判断基準になります。
五行論は、昨日ご紹介した「陰と陽」と同じく、木、火、土、金、水が相互関係で成り立っています。
木が燃えると火が生じ、火からは灰が生じて土になります。
土の中からは金属が出土し、金属は空気中の水分を水に変えます。
水は木を成長させます。
一方で、木は土の養分を減らし、火は金属を溶かします。
土は水をせき止め、金属は木を傷つけ、水は火を消します。
こういった自然の摂理を人間の体の仕組みに応用して考えるのが、東洋医学の特徴の1つです。
たとえば、日本の梅雨の季節は、五行論の表(五行色体表)では"土"に相当します。
土のカテゴリーにある臓腑の“脾”とは現代医学での胃腸の働きである、水分や栄養の消化吸収機能を意味します。
五季(季節の特性)は"湿"で、脾が苦手とするのが梅雨の湿気です。
五行色体表にはそれぞれに配当される臓腑や五臓の求める味(五味)、臓腑の不調が現れやすい体の部位(五官)、感情(五志)も配当されているので、自分の体調の変化や内臓、季節との関係性を紐解くと、日々の養生に役立てられるかと思います。
明日はこの表についてさらにご紹介しますので、明日の投稿もチェックをしてくださいね。
今日もよい一日をおすごしください。
PROFILE
moxies(モクシーズ)/2014年結成の鍼灸師のユニット。山梨県と長野県にある鍼灸院での治療を主軸にお灸のセルフケアワークショップや勉強会などを不定期に開催。手軽にセルフケアをできるお灸アイテムの開発や漢方薬局とコラボレーションした漢方茶の制作、古材を使用したよもぎ蒸しスツールの開発など、精力的に活動している。
※参考文献:『図説東洋医学』 (著/山田 光胤・代田 文彦 企画・構成/はやし浩司 学習研究社)
illustration:moxies edit:Nao Yoshida
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