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:【俳優・小関裕太さんが旅する長崎県 雲仙:宿泊編】 星野リゾートの温泉旅館「界 雲仙」で伝統を感じる癒やしの五感旅
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古くから避暑地として、ヨーロッパの人たちから愛されてきた雲仙温泉。俳優の小関裕太さんが雲仙地獄に面した星野リゾートの温泉旅館『界 雲仙』に滞在し、「和華蘭」文化を感じながら、充実した時間を過ごしました。
雲仙の歴史的背景と、地獄のパワーを感じる温泉宿
雲仙天草国立公園内、標高700メートルの雲仙温泉にある『界 雲仙』。客室すべてが雲仙地獄に面し、蒸気が吹き出す、ほかにはない景観が特徴。館内のデザインには、日本(和)・中国(華) ・オランダ(蘭)の要素を取り入れ、異国情緒あふれる長崎ならではの文化を感じられます。
現在も活発に活動を続ける「雲仙地獄」と地続きの立地を活かして、給湯や温泉の加温、館内には地熱を使った給湯設備「燗付け」を利用するエコな取り組みも。
特に小関さんの印象に残ったのは、ロビー前に作られた温泉の池だったのだそう。
「酸化して、温泉の色が変化していくのが興味深いです。次はどんな景色になっているのか、またここに来る楽しみができました」
「界」シリーズとは?
星野リゾートが全国展開する温泉旅館ブランド。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、良質な温泉はもちろん、土地の個性を反映したご当地部屋、伝統工芸品、地域の風情を取り入れた文化体験、名物食材を使った会席料理などを通して、それぞれの場所の魅力に触れることができます。現在全国23施設を展開中。
■まずはトラベルライブラリーで、旅の予習を

『界 雲仙』にあるトラベルライブラリーは、24時間閲覧可能。本棚に並んだ、長崎や貿易を感じさせる船などの骨董品を鑑賞したり、コーヒーやハーブティーを飲みながら、思い思いの時間を過ごすことができます。
「目の前に広がる雲仙地獄の景色を見たり、朝日を浴びながらゆっくり過ごせるのは、泊まった人ならではの特権かも」と小関さんもすっかりくつろいだ様子です。

長崎の食に関する本もずらり。
1. 雲仙に伝わる文化を体験する
■はじまりの地・長崎で「活版印刷体験」

ジャケット¥39,900/Desigual(デシグアルストア 銀座中央通り店)、シャツ¥28,600/LOVELESS(LOVELESS青山)、パンツ¥36,300/Juha(Juha)、シューズ¥39,600/YOAK(ヘムト PR)
1590年頃、ヨーロッパから初めて印刷機が持ち込まれた、活版印刷の発祥の地でもある長崎。 凸凹の質感が出る活版印刷は、印刷の力加減によって文字の濃さが変わるのが魅力です。
『界 雲仙』では、自分で版を転写する活版印刷体験が可能。 昭和40年代に使われていた活版印刷機を使って転写したポストカードは、持ち帰ることができます(40分、予約制)。小関さんも初めて、活版印刷を体験しました。

説明を聞きながら、さまざまな書体のアルファベットやひらがな、漢字の活字を自由に選んで丁寧に配置します。

壁一面に飾られているのは、かつて新聞を作るために使われていた印刷所から譲り受けた活版文字。活版文化を伝えるために装飾に使われています。

インクをつけて自分で印刷。「意外と力が必要です」

小関さんが作ったのは「じゃがいものたね地獄」。タクシーの運転手さんが見せてくれた、じゃがいも畑が印象的だったとか。

■雲仙伝統の菓子「湯せんぺい」の手焼き体験

職人の加藤さんと。
ベスト¥46,200/DISCOVERED(DISCOVERED)、シャツ¥41,800(SHEIK YERBOUTI/スタジオファブワーク)、その他/スタイリスト私物
続いて、小関さんが挑戦したのは「湯せんぺい」の手焼き体験。『界 雲仙』から歩いてすぐの「遠江屋本舗」は、今でも手焼きで一枚一枚焼き上げる、雲仙で唯一の湯せんぺい店です。
『界 雲仙』のご当地文化体験「手業のひととき」では、職人さんから湯せんぺいの歴史を聞きながら、湯せんぺいの手焼きを体験することができます。


生地のなかに小浜温泉の源泉を使った「湯せんぺい」は、雲仙で130年愛されるお菓子。

手焼きしたせんぺいは、機械でたくさん焼いたせんぺいと比べて、軽やかな仕上がりになるのが特徴。 もちっとした耳が格別なおいしさです。
「せんぺいは甘味だけでなく、塩気も感じられます。せんぺいの型が重くて、均一に焼くのが大変。 細かく調整して仕上げる職人技を知りました」

2. 個性のある温泉と部屋を堪能
■温泉につかり、湯上がり処でリラックス

雲仙温泉は「酸性、含鉄、単純温泉」。雲仙地獄から湧き出た鉄と硫黄を含み、鉄分が強いと赤褐色に、硫黄が強いと白色に、と毎日お湯の色が変わるのが特徴。
また雲仙温泉中に広がる硫黄の香りによって、単純温泉なのに香るのが珍しいところ。殺菌効果が高く肌への刺激が強いため、1日に1〜2回の入浴に留め、しっかり洗い流して保湿するのがおすすめだそう。

露天の岩風呂では、地獄の湯けむりを眺めるロケーションを楽しめます。

内風呂は色鮮やかなステンドグラス。
■伝統工芸を取り入れた「ご当地部屋」

「客室付き露天風呂」という、日本初のコンセプトの部屋が16室ある『界 雲仙』。
露天風呂とベッドルームの間には、湯上がり処を設置。部屋のなんと半分以上が、露天風呂スペースに。雲仙地獄の景色を見ながら、ゆったり過ごせます。
また、和と蘭を融合させた設えが特徴。長崎の伝統工芸品である波佐見焼のプレートや和紙のスタンドライトも素敵です。

長崎ビードロ(ガラス)を使ったライト。

オランダから長崎に伝わったというカラフルなステンドグラス。

部屋の入り口には、長崎の伝統工芸品である波佐見焼のプレートも。

ニット¥57,200/YOKE(エンケル)、パンツ¥68,200/A-POC ABLE ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)
「景色を一人占めできる露天風呂はとにかく最高! 木をふんだんに使った空間で、落ち着いて過ごせました」

3. 長崎発祥の料理と食文化を楽しむ
卓袱料理をイメージした宝楽盛りや、あご出汁を味わう会席

長崎発祥の卓袱(しっぽく)料理とは、和・華・蘭をミックスした長崎を代表する料理のひとつ。人数分の料理が盛られているので直箸で取りわけ、お刺身に甘いしょうゆをかけて回します。
「全部おいしい! 野菜の旨みを生かした料理に感動しました」と小関さん。円卓を囲みながら、おいしい料理をいただく文化も楽しんで。

夕食は湯せんぺいと豚角煮リエットの先付けからスタート。メインは、あご(とびうお)を使った出汁を最大限に楽しめるしゃぶしゃぶ。和牛ロースに伊勢海老、フグ、島原の手延べうどん「紅椿麺」という贅沢尽くし! 壱岐のゆずの皮を使った薬味「ゆべし」とともに、出汁文化を堪能して。

長崎・壱岐島のクラフトビールも。
\ 地域色を感じるご当地朝食 /

山と海に囲まれた島原半島の、豊かな食材を使った朝食。
郷土料理の「具雑煮」は野菜、鶏肉、穴子、お餅が入って、具だくさん。
地元で採れた焼き魚から、温泉の蒸気で蒸したにんじんのジャムが入った自家製ヨーグルトまで、お腹いっぱいになります。
今回訪れたのは…「界 雲仙」
界 雲仙は、雲仙地獄を間近で感じることのできる地に立ち、和(日本)、華(中国)、蘭(オランダ)の要素が混ざり合った長崎文化を表現した、館内の設えが特徴の施設。滞在を通して、地獄パワーに触れられるよう温泉入浴や地獄を活用したアクティビティを提案。異国情緒あふれた華やかな文化に触れ、地獄からの大地のエネルギーに触れることができる温泉旅館です。
長崎県雲仙市小浜町雲仙321
JR諫早駅より車で約1時間、長崎空港より車で約1時間30分
※諫早駅、長崎空港から施設までの送迎バス運行中
050-3134-8092(界予約センター)
料金:1泊 28,000円~(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込、夕朝食付き)
雲仙で見つけたお土産
1. 使い古しの漁網がエコたわしに

長崎県橘湾のいわし漁で使い古された網は、漁師の間でたわしとして重宝されるアイテム。使いやすいサイズに切って使います。漁網 ¥300
2. お土産店「宅島海産」で見つけた絶品おあげ

一枚一枚丁寧に揚げられた、「岡田商店」の大きなおあげ。味噌汁やお鍋などに、小さく砕いて入れれば、深い味わいに。南関あげ ¥684
3. 物憂げなシスターの 「クルス」のオリジナルグッズ

洋画家・鈴木信太郎さんのシスターの絵がかわいい、長崎銘菓「クルス」のオリジナル。ほかにポーチや手ぬぐいも。ガーゼハンカチ ¥1,500、ペンケース ¥1,500
4. ステンドグラスのキーホルダーとヘアゴム

『界 雲仙』で見つけたアイテム。教会の窓に使われていたステンドグラスが身近なアイテムに。キーホルダーはホテルの鍵にも使用。 Arte.M STAINEDGLASS キーホルダー¥6,050、ヘアゴム¥6,600
5. 長崎銘菓をオリジナルパッケージで

こちらも『界 雲仙』で発見した、長崎の老舗「福砂屋」の伝統カステラ。2切れ入った「界」オリジナルパッケージは、お土産にぴったりです。フクサヤキューブ¥400
こちらもチェック!
model:Yuta Koseki photograph:Miho Kakuta styling:Satoshi Yoshimoto hair & make-up:Chika Horikawa text:Mayumi Akagi
リンネル2025年6月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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「版を組むのは集中しました。文字が反転するので、「獄」の字が逆になっちゃいましたが、きれいに転写できてうれしいです!」