内田彩仍さん「暮らしになじむおしゃれを楽しむ日々は今も昔も変わらない」【リンネル創刊15周年リレーインタビュー vol.8】

― 登場はムック時代。多くの方に共感いただいているリンネルのナチュラルな世界観は、内田さんなしでは確立できませんでした。

好きなものを気負わずに自分の暮らしに心地よく取り入れているような、リンネルのゆったりした世界観が好きです。

創刊当時、長年本作りをご一緒していた編集長から、リンネルという媒体ができると伺ったときは、すごくワクワクしたのを覚えています。

暮らしにまつわる取材やブランドとのコラボなど、いろいろな経験をさせていただきました。

― 誌面で内田さんが身に着けられていた洋服や小物は、本当にたくさんの問い合わせがあり、編集部は毎回驚きと嬉しさでいっぱいでした。

自分が愛おしいと感じるものを紹介して、それを見てくださった読者のみなさんに喜んでもらえると、好きなものが一緒なのだと実感できてとても感激しました。

― この15年でファッションに変化はありましたか？

私はずっと暮らしになじむおしゃれをしたいと思っていて、そこは変わらないですね。結婚した当初は夢中で家事と向き合っていたけれど、ちょうどリンネルに出させていただくようになったころは、自分に目を向けられるようになったタイミングで。そのときの暮らし、家になじむような着こなしを楽しんでいました。

好きなものは変わらないけれど、年齢とともにインテリアもだんだん大人らしくなっていき、着るものもそれに合わせて少しずつ変化していっていると思います。

― 丁寧な暮らしぶりやセンスのよい家具や雑貨選びは、取材をさせていただくたび参考になります。

今の家にあるものは、マンション住まいのころから大切にしている愛着のあるものばかりなんですよ。

― 手に取りたくなるもの、家具の選び方に変化はありますか？

だんだん無理がきかなくなってきたので、こまめな手入れが必要な経年変化する家具を持たないようにしたり飾る雑貨も手入れが苦にならない程度のしつらえにしたり。肩の力を抜いて暮らせるもの選びをするようになりました。

―内田さんといえば髪を1本に結ぶのがすっかりトレードマーク。

家事や仕事をしているとき邪魔にならないように結ぶのが習慣に。パサつきやすくなってくるので、トリートメントをしたり、まとめやすくなるようなお手入れはしています。

― 大きな変化といえば、最近、車の免許をとられたとか！

じつは60代になり、初めて運転免許を取得しました。これまで運転は家族任せだったのですが、免許を持っていたほうが生活しやすくなると思い、挑戦することに。

― 内田さんの運転姿は新鮮です。

カスタムした軽自動車を購入して、シートカバーを選んだり、収納を考えたり、暮らしに楽しみが増えました。家で駐車の練習をしていたら、近所の方が声をかけてくださって、親しくなり、私の運転で出かけることも。今は自分の興味が広がっていくことを楽しんでいます。

内田さんにとって暮らしの基盤になっているという北欧の旅のほかに、フランスや国内も京都や福岡の糸島など、訪れた場所は数知れず。

内田さんが初めて表紙を飾ったのは、3号目となるムック。白を取り入れた冬の着こなしを披露してくれました。