北欧

国への信頼が幸福に直結⁉ フィンランドと日本、ここが違った! 幸せの根っこはどこから? 香菜子さんがフィンランドに詳しい2人に聞く 国への信頼が幸福に直結⁉ フィンランドと日本、ここが違った! 幸せの根っこはどこから? 香菜子さんがフィンランドに詳しい2人に聞く

介護や少子化問題、フィンランドではどうなの?

ノーラ:あとフィンランドでは子どもが独り立ちしたらそのまま実家に戻らない人が多いので基本核家族化します。

香菜子:例えば親が年老いて同居するとか一緒に住んで介護するとかもないんですか。

ノーラ:家族として困り事はサポートはしますが、介護福祉も国と社会の責任です。

香菜子:すごい! でもこれだけ福祉が充実しているのに、フィンランドも少子化なんですか?

堀内:お金や援助の不足で産めないわけではなく、子どものいない生活を選択する人もいるってことです。すべては個人の選択。あと、フィンランドはいま移民が増えてきているので人口は増加傾向です。なので、日本ほど少子化対策をしなければならないというわけではないところもポイントです。

ノーラ:フィンランドはお父さんのほうが小学生の子どもと過ごす時間がお母さんより長いんですよ。

堀内:両親ともフルタイムで働いているので子どものために定時で帰ることは男性の権利でもあります。

香菜子:フィンランドのジェンダー平等って、女性の権利を訴えるというよりみんなが幸せになるためにある気がします。

他人軸ではなく、自分軸を基準にする

堀内:フィンランドは独立したのが約100年前と、とても若い国で昔は本当に貧しい国でした。戦争も多かったし。

ノーラ:石油やガスなどの天然資源にあまり恵まれていないので他に頼らなくてはいけません。

堀内:当時は今のような社会制度がなかったので今の日本と同じような悩みがありました。女性の声を伝える代表の人たちをどんどん政治の世界に送るようになって、フィンランドが変わっていきました。

香菜子:あと、日本の女性ってがんばりすぎかもな、と思うときがあります。私もかつて家族のご飯を全部ちゃんと手作りじゃなきゃって思っていた時期がありました。

堀内:日本のお弁当も、彩りよくおかずも4〜5種類ぐらい入れなきゃって感じですよね。

ノーラ:私、食事はシンプルなもので健康的だったらいいかなあと思う。フィンランドって、食べ物の盛り付けや見た目にこだわらないんですよね。見た目よりも、味や栄養バランスが整っているほうが重要かなって。

香菜子:日本は誰かに見られているとか、どこか他人軸で動いているんですよね。

堀内:今日本でブームのサウナでも、サウナ時間を周りに合わせたり、推奨時間を気にしたりしますよね。

ノーラ:状況や体調もさまざまですから、内側に耳を傾けて、気持ちがいいなって、心地よさを感じるのが一番体によいことだと思います。

香菜子:なにごとも自分軸で過ごすのが幸せに近づく秘訣なのかもしれない。子どもが大きくなって「卒母」を宣言してみたり、海外留学を考えたり、フェーズによって女性が自分らしく生きることを肯定していきたいなと思うし、いいんだなって勇気をもらいました!

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photograph:Chiharu Fukutomi hair&make up:Yuka Takamatsu text:Asami Asai, Miho Iwai(Kokohore Japan Inc.)illustration:Toshinori Yonemura web edit:Riho Abe
リンネル2023年12月号より
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