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【今見たいアート案内:2~4月】 注目の美術展4選 春のおでかけがてら立ち寄りたい! 【今見たいアート案内:2~4月】 注目の美術展4選 春のおでかけがてら立ち寄りたい!

赤木 真弓
2月アート フィンランドのテキスタイル

日本では数十年ぶりに開催される注目の展示から、小規模でも見応えのある展示まで。リンネル本誌のアート&イベント連載ページを担当しているライター赤木真弓さんおすすめ。美術館やギャラリーで見られる、現在開催中のアート&イベントを厳選してご紹介します。

目次
【今見たいアート案内:2~4月】 注目の美術展4選 春のおでかけがてら立ち寄りたい!
  1. リュイユ ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション
  2. 特別展 佐伯祐三 自画像としての風景
  3. レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才
  4. ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END

1. リュイユ ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション

■フィンランドのテキスタイル・アートの変遷をたどる

2月アート フィンランドのテキスタイル
アイノ・カヤニエミ 《おとぎの国》 2015年 トゥオマス・ソパネン・コレクション Photo: Katja Hagelstam

フィンランドの伝統的な織物リュイユ(Ryijy)に焦点を当て、その歴史をたどる日本で初めての展覧会「リュイユ ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」が開催中。

フィンランドのアイデンティティが表れているといわれるリュイユは、毛足の長いウールの織物。一本一本の糸で点描のように構成される、複雑な色彩表現が魅力。1950年代にはガラスや陶芸と同様に「フィンランド・デザイン」として国際的な評価を高め、現在では作家が自ら手がける作品も多くなり、造形や素材も多様化。表現の幅はより広がりを見せています。

2月アート フィンランドのテキスタイル
左から、ウフラ = ベアタ・シンベリ = アールストロム 《採れたての作物》 1972年、アクセリ・ガッレン = カッレラ 《炎》 1899年(デザイン)/1983 年(再制作) すべて トゥオマス・ソパネン・コレクション Photo: Katja Hagelstam

本展では、リュイユのコレクションとして著名なフィンランドのトゥオマス・ソパネン・コレクションから、18世紀から現代までの作品約40点を厳選して展示。特に、国際的に評価を高めた1950年代以降の作品を中心に、繊細な色彩や異なる素材を組み合わせたテキスタイル表現を紹介します。
近代以降のテキスタイル・アートの変遷を凝縮した物語ともいわれるリュイユ。糸が織りなす色彩表現と手仕事の魅力を感じられ、デザインやテキスタイル好きは必見です。


リュイユ ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション

開催中~4月16日(日)/京都国立近代美術館/10:00~18:00 ※金曜は20:00まで(4/14を除く)。入館は閉館30分前まで/月曜休館/一般¥430/https://www.momak.go.jp


2. 特別展 佐伯祐三 自画像としての風景

■東京では18年ぶり。洋画家の回顧展

2月アート 佐伯祐三展
《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》 1927年 大阪中之島美術館

大阪、東京、パリで短く鮮烈な生涯を送った画家、佐伯祐三の回顧展。本展では3つの街に焦点を当て、厳選した代表作約100点を一堂に展示。重厚な石造りの街並みやプラタナスの並木道、カフェなど、パリの街並みを描いた風景画のほか、人物画や静物画を含めた作品の魅力を再認識します。

2月アート 佐伯祐三展
左から、《コルドヌリ(靴屋)》 1925年 石橋財団アーティゾン美術館、《郵便配達夫》 1928年 大阪中之島美術館

『特別展 佐伯祐三 自画像としての風景』

開催中~4月2日(日)/東京ステーションギャラリー/10:00~18:00 ※金曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/月曜休館(ただし3/27は開館)/一般¥1,400/https://www.ejrcf.or.jp/gallery/


3. レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才

■30年ぶりに集結。夭折の天才の大規模展

2月アートエゴンシーレ
エゴン・シーレ 《ほおずきの実のある自画像》 1912年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna

わずか28年の短い生涯の間に、鮮烈な表現主義的作品を残したウィーンの画家エゴン・シーレ。本展では、世界有数のコレクションで知られるウィーンのレオポルド美術館の所蔵作品を中心に、油彩画やドローイングなど50点のほか、クリムトなど同時代作家の作品も合わせた約120点を紹介します。

2月アート エゴンシーレ
エゴン・シーレ 《モルダウ河畔のクルマウ(小さな街Ⅳ)》 1914年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna
2月アート エゴンシーレ
エゴン・シーレ 《縞模様のドレスを着て座るエーディト・シーレ》 1915年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna

『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』
開催中~4月9日(日)/東京都美術館/9:30~17:30 ※金曜は20:00まで。入室は閉室30分前まで。日時指定予約制/月曜休館/一般¥2,200/https://www.egonschiele2023.jp


4. ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END

■空想と現実を行き交う、人気画家の世界

2月アート ヒグチユウコ
《終幕》 2022年 ©Yuko Higuchi

生きものや少女、きのこなどをモチーフに、自由な発想とタッチで作品から絵本まで、幅広く活躍する画家のヒグチユウコさん。今回は、2019年からの大規模個展で全国を巡回した作品のほか、紹介しきれなかった作品を合わせた約1500点を展示。楽しくもどこか切ないサーカスのような世界観を堪能できます。

2月アート ヒグチユウコ
左から、「ふたりのねこ」 23ページ原画 2014年 ©Yuko Higuchi、長野会場描きおろし作品 《CIRCUS TREE》 2021年 ©Yuko Higuchi

ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END

開催中~4月10日(月)/森アーツセンターギャラリー/10:00~18:00 ※金・土曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/会期中無休/一般、大学生・専門学校生¥2,000/https://higuchiyuko-circus.jp


text & edit:Mayumi Akagi
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

編集者・ライター

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雑誌やウェブ、書籍で、主に暮らしまわりの記事を手がける。イベントで国内外の古本や雑貨を扱う「greenpoint books & things」、旅好きライターユニット「auk」としても活動。旅にまつわる著書多数。趣味は映画、アート、K-POP鑑賞、書店巡りなど。リンネル本誌では「アート&イベント」、リンネル.jpでは「今月のTO DO LIST」「清水みさとの食いしんぼう寄り道サウナ」などの連載を担当。

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