CULTURE
:【キース・ヘリング展開催中】 俳優・磯村勇斗さんが魅了された、ポップカルチャー
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:ストリートアートの先駆者ともいえる、1980年代に活躍したアメリカのアーティスト、キース・ヘリング。森アーツセンターギャラリーで開催中の『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』でスペシャルサポーター、音声ガイドを務めたのは、俳優の磯村勇斗さん。かねてよりヘリングのファンだという磯村さんに、その魅力を伺いました。
【キース・ヘリング展開催中】 俳優・磯村勇斗さんが魅了された、ポップカルチャー
ヘリングとの出会いは大学生の頃
子どもの頃からよく、家族と美術館に出かけていたという磯村さん。
「父や兄が絵を描いたり、ものを作ったりするのが好きだったので、その影響もあると思います。小さな頃から美術館に行くことが特別感のあることではなく、どこかに出かけても旅先にある美術館に行ってみたり、アートと触れ合う機会はとても多かったと思います」
ジャケット¥34,100/トミー ジーンズ×キース・ヘリング、シャツ¥19,800/トミー ジーンズ(ともにトミー ヒルフィガー カスタマーサービス)、パンツ¥39,600/タンジェント、その他/スタイリスト私物
《アンディ・マウス》 1986年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
そんな磯村さんとヘリングとの出会いは、大学生の頃。専攻していた美術の授業でアメリカンポップカルチャーを学び、ヘリングを知ったのだとか。
「ポップカルチャーといえばアンディ・ウォーホルも好き。そこからヘリングに繋がりました。この二人は実はすごく歳が離れているけど、ものすごく仲がよかったと知り、自分の好みがわかった気がしました。
ヘリングの作品は色使いもカラフルで、こんなアーティストがいるんだ!とひと目惚れしました。カラフルな色使い、たくさんの人が描かれていて、これはどういう意味なんだろうと、見ている側の想像力が豊かになるような楽しさがあります。解釈は自由だし、ずっと見ていられるなと思いました」
オリジナリティのあるスタイルに共感
Photo by ©Makoto Murata
明るくポップなイメージで、世界中から愛されるキース・ヘリング。1980年代のニューヨークで絵画のほか、映像やインスタレーションなど多様な美術表現を学び、美術館や画廊ではなく、公共空間でアートを展開する方法を模索しました。
《無題》 1983年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
31年間という短い生涯のなか、活動期間は10年ほどですが、社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見など、社会へのメッセージをアートで訴え、国や世代を超えて、今なお響き続けています。
《沈黙は死》 1989年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
「僕と同じ31歳で、ひと目見てキース・ヘリングだとわかるオリジナリティをしっかり残しているのは、本当にすごいと思います。また資本主義に対する思いや、生と死についてなど、自分の人生で感じていること、生まれたものをちゃんと絵に残していったのが素敵だなと感じました。役者として、自分の核となるスタイルについて考えさせられました。
今回の展示では、ウォーホルをはじめ、こんなにたくさんのスターたちとコラボレーションをしていたことを初めて知りました。ヘリングの心情的な部分を知ることができ、絵だけではなく、人柄も評価されていたことを知り、人としての魅力も感じました」
磯村さんが考える、キース・ヘリングの魅力
活動初期のサブウェイ・ドローイングから彫刻、ポスター、晩年の大型作品まで、改めてヘリングのアートを体感できる本展。磯村さんが特にお気に入りの作品が、子どもたちに向けて描かれたこの作品「楽しさで頭をいっぱいにしよう!本を読もう!」だそう。
楽しさで頭をいっぱいにしよう!本を読もう! 1988年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation
「この絵を初めて見たとき、頭の中に何が詰まっているんだろうと楽しくなりました。キース自身の頭の中なのか、おもちゃがたくさんあるから子どもの頭の中なのか、あるいは子ども心を忘れないようにというメッセージなのか、などいろいろ考えられる絵だなと思って。想像力が膨らむし、メッセージ性もちゃんとあって好きですね」
“アートはみんなのために”という思いで活動したヘリングの作品は、どんな人も受け入れてくれるところが好きだという磯村さん。
「どんな人にも届く絵のタッチで、ぱっと目で見て楽しいと思える作品が多いですよね。アメリカの学校の教材になるくらい、シンプルな絵も描いていて、子どもも絶対に好きだと思います。楽しめて、その中にちゃんとメッセージ性がある、そういうところも好きなんです」
『キース・ヘリング展 アートをストリートへ 』
開催中~2024年2月25日(日)/森アーツセンターギャラリー/10:00~19:00 ※入館は閉館30分前まで。金・土曜は20:00まで/会期中無休/一般¥2,200 ※事前予約制(日時指定券)/https://kh2023-25.exhibit.jp
いそむら・はやと/俳優。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』で注目を浴びる。主な出演作に大河ドラマ『青天を衝け』、映画『月』や『正欲』などがある。2024年に主演映画『若き見知らぬ者たち』も公開予定。
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photograph:Chihaya Kaminokawa styling:Tom Kasai hair & make-up:Tomokatsu Sato edit & text:Mayumi Akagi
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