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【今見たいアート案内:2~3月】 絵画から食文化、環境問題まで。幅広く楽しめる展覧会4選 【今見たいアート案内:2~3月】 絵画から食文化、環境問題まで。幅広く楽しめる展覧会4選

赤木 真弓

今年も楽しみなアート鑑賞。 『リンネル』本誌のアート&イベント連載ページを担当しているライター赤木真弓さんおすすめの、今見ておきたいアート&イベントを厳選してご紹介します。

目次
【今見たいアート案内:2~3月】 絵画から食文化、環境問題まで。幅広く楽しめる展覧会4選
  1. マリー・ローランサン ー時代をうつす眼
  2. 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために
  3. 特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
  4. みちのく いとしい仏たち

1. マリー・ローランサン ー時代をうつす眼

■独自の画風を模索した、女性画家の幅広い画業

マリー・ローランサン《プリンセス達》1928年、大阪中之島美術館

パステルカラーの独自の画風を生み出し、20世紀前半に活躍した女性画家マリー・ローランサン。国内外の美術館から作品、挿絵本などの資料に加え、画業を始めた初期に出会ったジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソをはじめ、藤田嗣治など、ローランサンと同時代の画家たちの作品の合計約90点を展示。幅広く活動した、ローランサンの魅力を多角的に紹介します。

左から、マリー・ローランサン《手鏡を持つ女》1937 年頃、石橋財団アーティゾン美術館、マリー・ローランサン《花束》1939 年、マリー・ローランサン美術館
マリー・ローランサン《二人の少女》1923年、石橋財団アーティゾン美術館
《三人の若い女》を制作中のマリー・ローランサンの1953年頃の写真、マリー・ローランサン美術館

『マリー・ローランサン ー時代をうつす眼』

 

開催中~3月3日(日)/アーティゾン美術館/10:00~18:00 ※2月23日(金・祝)を除く金曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/月曜、2月13日(火)休館(ただし2月12日〈月・祝〉は開館)/日時指定予約制。ウェブ予約チケット¥1,800/https://www.artizon.museum


2. 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために

■現代アートから、環境危機を考える

エミリヤ・シュカルヌリーテ《時の矢》2023年 ビデオ・インスタレーション 16分

環境危機に対して現代アートがどのように向き合い、私たちの問題としての意識を喚起できるか。国内外のアーティスト34名による歴史的な作品から新作まで、多様な表現約100点を4つの章で紹介しています。できるだけ作品の輸送を減らす、前の展覧会の壁を一部再利用するなど、環境に配慮した展示方法にも注目です。

ニナ・カネル《マッスルメモリー(7トン)》2022年 海生軟体動物の殻を利用した造園材料 展示風景:「Tectonic Tender」ベルリーニッシェ・ギャラリー(ベルリン)撮影:Nick Ash ※参考図版
モニラ・アルカディリ《恨み言》(イメージ図) 2023年

森美術館開館20周年記念展

 『私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』

 

開催中~3月31日(日)/森美術館/10:00~22:00 ※火曜のみ17:00まで(ただし、3月19日〈火〉は22:00まで)。入館は閉館30分前まで/会期中無休/一般¥2,000(土・日・祝¥2,200)/www.mori.art.museum


3. 特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」

■発酵や出汁も科学的に解説する、和食のおいしさと魅力

明治天皇の午餐会(1887(明治20)年5月13日)の料理の再現模型 明治記念館蔵

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて10年。世界からますます注目されている和食を、標本や資料とともに、科学や歴史などの多角的な視点から紹介。日本列島の自然が育んだ多様な食材や、人々の知恵や工夫が生み出した技術、歴史的変遷、未来まで、意外と知らない和食の魅力に迫ります。

奈良時代の貴族の宴会料理の再現模型 奥村彪生監修 奈良文化財研究所蔵
魚介類の展示

特別展『和食 ~日本の自然、人々の知恵~』

 

開催中~2月25日(日)/国立科学博物館/9:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで/月曜、2/13〈火〉休館(ただし2/12〈月・休〉、2/19〈月〉は開館)/一般・大学生¥2,000/https://washoku2023.exhibit.jp


4. みちのく いとしい仏たち

■素朴でユニークな、北東北に伝わる民間仏

《山神像》江戸時代 兄川山神社/岩手県八幡平市

厳しい風土を生きる、みちのくの人々のささやかな祈りの対象として、江戸時代から民家やお堂に祀られてきた仏像や神像。仏師ではなく、大工や木地師(きじし)らによって作られた民間仏は、素朴でユニークな造形と表情が特徴です。

本展では青森、岩手、秋田の北東北に伝わる約130点の木像を紹介。穏やかな表情で、思わず「かわいい」と言いたくなるような個性的な木像を通して、日本の信仰のかたちについて考えます。愛にあふれたキャプションも要チェック。

《観音菩薩立像》江戸時代(貞享5/1688年) 松川 二十五菩薩像保存会/岩手県一関市
《童子跪坐像》右衛門四良作 江戸時代(18世紀後半) 法蓮寺/青森県十和田市

『みちのく いとしい仏たち』

 

開催中~2月12日(月・振)/東京ステーションギャラリー/10:00~18:00 ※金曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/月曜休館(ただし2/5〈月〉、2/12〈月・振〉は開館)/一般¥1,400/https://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp

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text & edit:Mayumi Akagi
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

編集者・ライター

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雑誌やウェブ、書籍で、主に暮らしまわりの記事を手がける。イベントで国内外の古本や雑貨を扱う「greenpoint books & things」、旅好きライターユニット「auk」としても活動。旅にまつわる著書多数。趣味は映画、アート、K-POP鑑賞、書店巡りなど。リンネル本誌では「アート&イベント」、リンネル.jpでは「今月のTO DO LIST」「清水みさとの食いしんぼう寄り道サウナ」などの連載を担当。

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