今年も楽しみなアート鑑賞。 『リンネル』本誌のアート&イベント連載ページを担当しているライター赤木真弓さんおすすめの、今見ておきたいアート&イベントを厳選してご紹介します。
1. マリー・ローランサン ー時代をうつす眼
■独自の画風を模索した、女性画家の幅広い画業
パステルカラーの独自の画風を生み出し、20世紀前半に活躍した女性画家マリー・ローランサン。国内外の美術館から作品、挿絵本などの資料に加え、画業を始めた初期に出会ったジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソをはじめ、藤田嗣治など、ローランサンと同時代の画家たちの作品の合計約90点を展示。幅広く活動した、ローランサンの魅力を多角的に紹介します。
『マリー・ローランサン ー時代をうつす眼』
開催中~3月3日(日)/アーティゾン美術館/10:00~18:00 ※2月23日(金・祝)を除く金曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/月曜、2月13日(火)休館(ただし2月12日〈月・祝〉は開館)/日時指定予約制。ウェブ予約チケット¥1,800/https://www.artizon.museum
2. 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために
■現代アートから、環境危機を考える
環境危機に対して現代アートがどのように向き合い、私たちの問題としての意識を喚起できるか。国内外のアーティスト34名による歴史的な作品から新作まで、多様な表現約100点を4つの章で紹介しています。できるだけ作品の輸送を減らす、前の展覧会の壁を一部再利用するなど、環境に配慮した展示方法にも注目です。
森美術館開館20周年記念展
『私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』
開催中~3月31日(日)/森美術館/10:00~22:00 ※火曜のみ17:00まで(ただし、3月19日〈火〉は22:00まで)。入館は閉館30分前まで/会期中無休/一般¥2,000(土・日・祝¥2,200)/www.mori.art.museum
3. 特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
■発酵や出汁も科学的に解説する、和食のおいしさと魅力
和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて10年。世界からますます注目されている和食を、標本や資料とともに、科学や歴史などの多角的な視点から紹介。日本列島の自然が育んだ多様な食材や、人々の知恵や工夫が生み出した技術、歴史的変遷、未来まで、意外と知らない和食の魅力に迫ります。
特別展『和食 ~日本の自然、人々の知恵~』
開催中~2月25日(日)/国立科学博物館/9:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで/月曜、2/13〈火〉休館(ただし2/12〈月・休〉、2/19〈月〉は開館)/一般・大学生¥2,000/https://washoku2023.exhibit.jp
4. みちのく いとしい仏たち
■素朴でユニークな、北東北に伝わる民間仏
厳しい風土を生きる、みちのくの人々のささやかな祈りの対象として、江戸時代から民家やお堂に祀られてきた仏像や神像。仏師ではなく、大工や木地師(きじし)らによって作られた民間仏は、素朴でユニークな造形と表情が特徴です。
本展では青森、岩手、秋田の北東北に伝わる約130点の木像を紹介。穏やかな表情で、思わず「かわいい」と言いたくなるような個性的な木像を通して、日本の信仰のかたちについて考えます。愛にあふれたキャプションも要チェック。
『みちのく いとしい仏たち』
開催中~2月12日(月・振)/東京ステーションギャラリー/10:00~18:00 ※金曜は20:00まで。入館は閉館30分前まで/月曜休館(ただし2/5〈月〉、2/12〈月・振〉は開館)/一般¥1,400/https://www.ejrcf.or.jp/gallery/index.asp
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text & edit:Mayumi Akagi
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
赤木 真弓編集者・ライター
雑誌やウェブ、書籍で、主に暮らしまわりの記事を手がける。イベントで国内外の古本や雑貨を扱う「greenpoint books & things」、旅好きライターユニット「auk」としても活動。旅にまつわる著書多数。趣味は映画、アート、K-POP鑑賞、書店巡りなど。リンネル本誌では「アート&イベント」、リンネル.jpでは「今月のTO DO LIST」「清水みさとの食いしんぼう寄り道サウナ」などの連載を担当。
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