CULTURE
:Omoinotake「僕らの音楽の面白さ、聴き心地のよさを多角的に表現できました」/アルバム『Pieces』インタビュー
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              ストリーミング累計3億回再生を突破し、2024年を代表する一曲となった「幾億光年」をはじめ、暮らしのあらゆる風景をドラマティックに変える〈踊れて泣ける〉サウンドで人気のOmoinotakeのみなさん。最新アルバムは、メンバー3人の現在の音楽に対する情熱が伝わる、感動と興奮がちりばめられた仕上がりになっています。

それぞれの思いがピースになり完成したアルバム(藤井さん)

━━シングル「幾億光年」のヒットによって、バンドの環境に大きな変化があったのでは?
藤井さん:本当にこの1曲で僕たちのことを知ってくれた方がたくさんいらっしゃって。1曲の力の大きさというのを感じております。どの楽曲を制作する際も、ヒットを目指しているのですが、 ここまで多くの人に親しまれる楽曲になることは、想定できなかったですね。
冨田さん:ライブやフェスでも、この楽曲を聴きたい人がいっぱいいらっしゃる雰囲気が伝わってきました。僕にとっても人生を変えてくれた、大切な楽曲ですね。
━━この楽曲のヒットを含め、みなさんにとって2024年はどんな一年でしたか?
福島さん:数々のフェスやTV番組など、結成以来ずっと目標にしていた、 いつか出てみたいと思っていた場所に、毎月のように立てる機会がいただけた一年だったなと。その感慨を深く噛みしめながらも、今後もコンスタントに出演できるようヒット曲を制作し続けていかなければならないという気持ちになりましたね。
━━そして、2025年の幕開けと同時にアルバム『Pieces』が完成しました。
藤井さん:もともと僕たちは、自分が曲やアレンジを決めて、 エモアキ(福島さん)が歌詞を、ドラゲ(冨田さん)がドラムを叩くという、メンバーそれぞれが役割分担をして制作し、バンドとして成立しているのですが、ここ1〜2年で改めてそのスタンスで活動していくことの大切さを実感しているというか。メンバーひとりひとりができることを精いっぱいに取り組み、さらにスタッフの皆さんの力も借りながら、ようやく自分たちの思いを伝えることができるということに。今回のアルバムに関しても、それぞれの持っている力がピースとなり、素晴らしい作品に仕上がったという手ごたえがあったというか。それぞれができることに集中し、現在の最大限を表現することができたアルバムになったのかなって思います。
━━そうすると、メンバーのみなさんが持ち寄ったアイデアをスタジオで合わせていくという制作だったのでしょうか?
藤井さん:自分はメロディやアレンジをすることにより力を注いでブラッシュアップすることだけに注力しました。ほかのメンバーも、それぞれができることに集中していましたね。
冨田さん:前作のアルバムでは、打ち込みだけで完成した楽曲があって、それは自分が寂しい気持ちになるからやめてとお願いしました(笑)。
━━そうすると、本作はよりバンドの呼吸を感じられる作品になったということなのでしょうか。
冨田さん:そうですね。今回は、ドラムのチューニングを自分でするようになったりだとか、音の細かい部分にもこだわったというか。挑戦したフレーズがたくさんありますね。
福島さん:今回の収録曲は、本当に幅広いタイプの楽曲が収録されていて、大きなコンセプトやテーマみたいなものはなく、それぞれに深い世界があります。だから、楽曲ごとに没入できる感覚を楽しんでいただけるのではないかなって。
今後も〈思いの丈〉をどんどん伸ばしたい(福島さん)

━━歌詞に関してはいかがですか?
福島さん:30代を迎え、これまでいろんな経験をしてきて、ものごとって決して一面的ではないと感じるようになりました。また「幾億光年」に関しても、リスナーのみなさんからは恋愛だけではない感情や風景を、この楽曲にかさねて聴いている方もたくさんいらっしゃることもわかったので、できる限り多面的なとらえ方のできる言葉や表現にしようと心がけましたね。
━━アレンジに関しては、いかがでしょう?
藤井さん:前作に比べてより多彩な音色を描けたというか。僕らが持っているサウンドの面白さ、聴き心地のよさみたいなものを、より自由に表現できたような気がしています。
━━先行トラック「アイオライト」のジャズな雰囲気とか、今までにはない軽やかさが漂っている気がしました。
藤井さん:僕らは〈踊れて泣ける〉音楽を軸に、結成以来楽曲を制作しているのですが、今回は〈踊れる〉部分を、より多角的に表現できたのかなって。ビートの部分においても、かなりバラエティに富んだアルバムになったんじゃないかなと思います。
━━ボーカルに関してはいかがですか? 今回も緩急のある、とても難しい展開の楽曲が多い印象ですが。
藤井さん:バラエティに富んだ楽曲がそろった影響で、どの楽曲もまったく異なるキャラクターや声色を求められたので、それを表現するのは大変でしたが、それぞれの楽曲の世界や特徴を、自分なりの解釈で歌うことができたと思います。ぜひ、そこにも注目していただきたいですね。
━━また〈踊って泣ける〉バンドということで、〈泣ける〉要素も楽しめる作品にもなっているかと思いますが。
冨田さん:もちろん、たくさんちりばめていますよ。ドラムにも〈泣ける〉要素があるかと思うので、じっくり聴いていただきたいですね。
━━アルバムで新録の書き下ろし曲を含め、今回の制作を通じて何か収穫はありましたか?
福島さん:バンド名のとおり、僕らの現在の〈思いの丈〉がこめられていると同時に、その長さが前作よりさらに伸びたアルバムになったと思います。今後も〈丈〉をどんどん伸ばしていくのが、僕たちができることであり、永遠のテーマであることを、今回の制作を通じて改めて感じることができました。
藤井さん:今回は、スタジオでのやり取りのなかで、楽曲にどんどん磨きがかかっていく過程を体感することが多々ありました。前作においても、最大限を表現できた満足感があったのですが、本作を完成させてみて今の自分たちの名刺と胸を張って言える作品になったと思っていると同時に、今後はこのアルバムを上回る作品を作り続けていかないといけないという気持ちが強くなりましたね。
物干しは芸術だと気づきました(冨田さん)

━━3月からは全国ツアーもスタート。観客のみなさんにどんな姿を届けられそうですか?
冨田さん:僕らの楽曲に対して、優しさが前面にでたものが多い印象を持たれている方もいらっしゃると思うのですが、それとは異なるアグレッシブな一面も楽しんでいただけるようなステージになると思いますので、楽しみにしていてください。
━━バンドにとって2025年はどんな一年になりそうですか?
福島さん:昨年同様、多数のフェスや音楽番組に出演し続けることができるよう、いい楽曲をたくさん届けたい。それと同時に、新しいことにたくさん触れて、さらに表現力を深めていくことができたら。
━━アルバム『Pieces』は暮らしのどんなシーンで聴いていただきたいですか?
藤井さん:サウンドも歌詞も、今回は特にバラエティに富んだ作品になっているので、みなさんの暮らしのどこかに寄り添える楽曲がひとつでもあるといいなと。なので、このタイミングでこういうふうに聴いてほしいというより、みなさんの気持ちにおまかせして自由に楽しんでいただきたいですね。
━━そんなみなさんの最近の暮らしのこだわりはありますか?
福島さん:昨年は多忙すぎて、プライベートの時間がなかなかなくて外食ばかりの日々でしたので、今年は自炊をがんばりたいですね。以前は圧力鍋でスペアリブのカレーとか作っていたのですが、そういう手の込んだものにも挑戦できたら。
冨田さん:僕は、最近は洗濯にこだわっているというか、物干しって芸術だなって思うようになりました(笑)。干し方で見た目が大きく変化していくので、例えば色分けをしたり、アイテムごとにしたり、できるだけ統一感をもたせて配置させるのが、とても楽しくて。また、そのほうがたたむときの効率がよいので。
藤井さん:エモアキと一緒なのですが、自炊をちゃんとしたいですね。僕は、これまであまり料理をすることはなかったのですが、ちゃんと自分の体を管理するために。また、体力が衰えないよう、筋トレをする時間も増やせたらと思っています。
アルバム『Pieces』

ソニー・ミュージックレーベルズ
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「幾億光年」のほか、アニメのエンディングテーマに起用された「蕾」、GLOBAL WORK TVCM『メルティニットはまちがいない服。篇』タイアップ楽曲「ホワイトアウト」など話題曲が多数収録された、メジャー2作目となるオリジナル・アルバム。「踊って泣ける」バンドの魅力を思う存分楽しめる内容です。また表情豊かな藤井さんの歌声は圧倒的。
PROFILE
おもいのたけ/メンバーは、冨田洋之進/ドラゲ (Dr)、 藤井怜央 /レオ (Vo&Key) 、福島智朗/エモアキ (B)。島根県出身の3人が2012年に東京にて結成、21年メジャー進出。3月より全国ツアー『Omoinotake One Man Tour “Pieces”』がスタート。5/2には、東京・LINE CUBE SHIBUYAにて公演。
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photograph: SEIYA FUJII  text:Takahisa Matsunaga
リンネル2025年3月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
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