リンネルで連載していた『お皿のラブレター』が書籍になって登場! 気になる誰かを思いながら作る一皿と、まつわるエピソードを毎月一皿ずつ、100人に向けて作り続けた竹花さん。
連載誕生の秘話から、料理と向き合うときの竹花さんらしいエピソードまで、インタビューで聞きました。
調べていくうち、もっと好きになっていく。疑似恋愛の連続みたい
「それ最高じゃん、私が一番やりたいやつだ! って」と、ポンポン言葉を弾ませる竹花いち子さんは美大を卒業後、コピーライターを経て料理の道へ。レストラン『タケハーナ』を18年間営んだのち、舞い込んできたのが弊誌「リンネル」連載の話。「編集部の人たちとうちでごはんを食べながら話をしていた時、編集者のひとりが『食べる人のことをすごく考えて作っている感じがするから、誰かへの思いをこめて作る料理をテーマにしたらよさそう』と言ってくれた瞬間に、もうページが見えたというか」
それは生きている人のみならず、歴史上の人物でもいい。とにかく自分が好きだ! と思う人のために料理を探して、写真と文章に残す。
「お店って基本的には『今の時季のこれをみんなに食べてもらおう』と、マスのお客さんを待つという感じだったので、これからはもっと個のためにやりたくて」もともと「どうしてもこの料理が作りたいというタイプではない」という竹花さん。「世界に誇る何とか料理、なんてのはできないかもしれないけど、自由に組み合わせられる。ジャンルもなくて、全部がクロスオーバーしてて、それもわざとそうしてるわけではなく、ただそこにあるものを生かしていく。そういう作り方を、私はするので」
そうして始まった連載。まずは好きな人を見つけるところから。日々の中で気になる人がいたら、早速リサーチ。その人のインタビュー記事や著書を読み、映画やドラマに出ていれば作品を観る。噺家さんがゲストの時には、演芸場にも足を運ぶ。
「もともと興味を持ってる人だからおもしろいですよ。一生懸命調べていくうち、もっと好きになっていく。疑似恋愛の連続みたい」そうこうしていくうち、料理のアイデアがパッとひらめく。そして絵に描いたそれを撮影当日、スタッフに披露。「練習はしないんです。私は常に本番でないとダメなタイプだから。したほうがいいものもあるんだけど、ちゃんと集中して作った最初の料理が、やっぱりいいから」
毎回「もうこれで終わり」って言われてもいい、というほど全力で駆け抜けた連載も100回で一区切り、ついに書籍化されることに。「前に写真だけ綴じたものを誕生日にもらって『何これ、何これ!』って言いながらめくってた(笑)。それで確信したんです、これは本にすると、きっとうれしいものになるって」
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