【女子旅 岐阜県】 里山の趣きを感じる飛騨古川へ。おすすめ宿と手仕事スポット案内 【女子旅 岐阜県】 里山の趣きを感じる飛騨古川へ。おすすめ宿と手仕事スポット案内
特集女子旅おすすめスポット 暮らすように心地いいリンネル旅ガイド町の中に流れる瀬戸川を悠々と泳ぐ1000匹の鯉、趣のある白壁の土蔵、町の東側に連なる飛騨山脈。飛騨古川の象徴ともいえる懐かしい風景に、町を散策するたびに出合えるのがこのエリアの魅力です。小さな町ながら古民家の並ぶ通りや手仕事の工房、山での楽しみ方を多様に学べる宿など、女子旅におすすめのスポットが満載です。
薬草の宝庫、飛騨の山麓には小京都の城下町がありました
岐阜県の最北端に位置する飛騨市。付近には3000m級の山脈が連なり、広大な森林が奥深く広がります。市の93.5%が森林で、その68%が広葉樹林。それゆえ、昔から飛騨の山は薬草の宝庫。郷土料理にも多用されています。
今回はそんな自然豊かな「飛騨古川」を旅ライターが訪問。江戸時代、京都の街並みを模したことで、隣の飛騨高山と共に「飛騨の小京都」と呼ばれる城下町を巡ります。
飛騨の木造建築技術を堪能できる老舗旅館をはじめ、豊かな里山をじっくり学べるコミュニティや、昔ながらの手仕事など、飛騨古川のおすすめスポットを紹介します。
飛騨古川のおすすめ宿と手仕事スポット
伝統的な飛騨の建築が圧巻! 「料亭旅館 八ツ三館」に宿泊
江戸時代に創業した「八ツ三館(ヤツサンカン)」は、約160年もの歴史を誇る料亭旅館。飛騨古川に流れる荒城川に面した宿で、飛騨の伝統的な建築物や料理が楽しめます。どこもかしこも古き良き日本の風情が漂う宿は、建物のうちの三棟が有形文化財に登録されています。
広々とした館内は、散策するのが楽しくなるつくり。大正や明治時代に作られた工芸品や骨董品が、いたるところに並んでいます。部屋から大浴場に向かう廊下を歩くだけでも、昔話の世界に迷い込んだよう。
館内の装飾は「季節の移ろいを五感で感じてほしい」と女将が毎月趣向を凝らして変えています。畳の上を足袋で歩きながら、広い敷地内でお気に入りの場所を見つけるのも八ツ三館に泊まる醍醐味。
薬草の朴葉に味噌、ねぎ、しいたけなどをのせ、焼きながら食べる飛騨の郷土料理「朴葉みそ」。古くから林業が盛んだった飛騨地方で、山仕事を営む人が皿代わりに朴葉で焼き味噌を行ったのが始まりとか。朴葉には抗菌作用があり、包むと食材が日持ちすることから、おにぎりを包んで山へ持参したそう。
朴葉みそはご飯によく合うほか、酒の肴としても絶品。地酒と一緒につまみながら、旅の計画を練るのも楽しい時間。
岐阜県飛騨市古川町向町1-8−27
0577-73-2121
飛騨古川駅より送迎あり(要予約)
滞在しながら飛騨の森を学べる「FabCafe Hida」
飛騨古川の中心に佇む「FabCafe Hida」。ここは江戸時代から続く元酒蔵の古民家で、美しい格子の窓や組木技術が見られる建物。地域の資産として活用したいとのことから、滞在しながら飛騨のことが学べる宿泊施設&カフェとして生まれ変わりました。
館内では飛騨の食材を使った料理をはじめ、近くの社有林で採取してきた香木・クロモジのコーヒーやクラフトコーラなど、この地域ならではのフードが楽しめます。
ユニークなのは、飛騨の広葉樹を用いた木工づくりが体験できる工房が備わっていること。元酒蔵を改装した工房には、木工機器やレーザーカッターなどの最新機器が並びます。地域の家具職人をはじめ、地元の方々が気軽に訪れては、ウェディングボードやお店のポップをDIYしています。
参加費1,500円(税込)
参加費3,300円(税込)
ドリンク500円(税込)〜
不定期開催
参加費:無料
土地の面積の大半が森林で、そのほとんどが広葉樹林という飛騨。そんな森に深く関わる専門家から山や森の知識を得られ、飛騨の地域や人と交流できる新しい宿が「FabCafe Hida」。滞在しながら飛騨の里山、日本の山のことを知りたいという山好きな女子にもぴったりのコミュニティスペースです。
岐阜県飛騨市古川町弐之町6-17
0577-57-7686
水曜定休
神様が宿る和ろうそくを求めて
240年以上続く、全国でも希少な和ろうそくの老舗「三嶋和ろうそく店」。原料すべてが天然の植物性なのでススが出にくく、風が吹いても消えにくいのが特徴です。
手づくりの和ろうそく屋は、今や全国に20数軒。すべてが手作業の工程を守り続けているのは「三嶋和ろうそく店」のみです。内側が空洞になっているので、風もないのに炎が上下に優しく揺れるのが特徴。この様子を地元のお年寄りは「神様が揺らしにいらっしゃる」と教えてくれました。
ゆらゆらと揺らめく姿で、人々に癒やしを与える和ろうそくの灯り。店内の作業場では、ご主人の説明を聞きながら和ろうそく作りを見学できます。飛騨古川を訪れたらぜひ購入したいお土産のひとつ。
岐阜県飛騨市古川町壱之町3-12
0577-73-4109
9:30~17:00
水曜定休
https://mishimacandle.stores.jp/about
薬草と上手に付き合う、生活の知恵
森林が広がる飛騨市では、245種類もの薬草が自生しています。飛騨で暮らす人にとっては、里山は昔から薬箱のような存在。そんな薬草をもっと身近に楽しめる体験施設が「ひだ森のめぐみ」です。ここでは、飛騨地方の薬草を用いたワークショップや、薬草商品の販売、試飲サービスなどを実施。気になる症状を伝えると、おすすめの薬草茶もアドバイスしてもらえます。
岐阜県飛騨市古川町弐之町6-7
0577-73-3400
10:00~16:00
無休
飛騨古川の山めぐりを「ヒダクマ」スタッフと体験
今回、飛騨古川の旅では「FabCafe Hida」を運営する「ヒダクマ」スタッフとともに、社有林・ヒダクマの森へ入らせてもらいました。そこに広がるのは、20haの鬱蒼とした広葉樹の森。
クマの爪痕が残る木々を分け入りながら、食べられる薬草を収集し、現地の草木を用いて青空カレーをいただく。そのすべてが、初めての体験で刺激的でした。
100年先の未来に向け、森の価値を考えたい人。ぜひ一度「ヒダクマの森」を訪れてはいかがでしょう?
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PROFILE
photograph & edit & text:Tokiko Nitta
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
仁田 ときこライター・編集者
衣食住をテーマにさまざまな媒体で執筆するライター。趣味は普段の暮らしに薬膳を取り入れること。男児二人を育てる母。最近は自身のカメラで撮影した写真とともに旅コラムを寄稿する。
リンネル.jpでは、旅記事のほか、「yujiさん・仁田さんの福めぐり」連載を担当し、いま行くべきパワースポットを紹介!
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