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【浅草で大人気の老舗洋食店「グリルグランド」】 一口食べると懐かしくてほっとする、特別なごちそう 【浅草で大人気の老舗洋食店「グリルグランド」】 一口食べると懐かしくてほっとする、特別なごちそう

連載 #東京おいしいお散歩マップ

二人が生み出す居心地のよさも、店の味わいのひとつ。

「毎日味見して、同じ味になっているか確かめる」と良太郎さん。

ホールで次々とかかってくる予約の電話にきびきびと応対するのは、良太郎さんの兄の昌一さん。顔も体格もよく似た3歳違いの兄弟は、厨房を遊び場にして育ちました。昌一さんは「料理屋に生まれたら店を継ぐのがこの街のしきたりのようなもの。いつかはそれぞれ修業に出るんだと、当たり前に思っていた」と言います。

身だけでなく茹で汁の旨みまで閉じ込めたカニクリームコロッケは「ぜひソースなしで味わって」と昌一さん。
身だけでなく茹で汁の旨みまで閉じ込めたカニクリームコロッケは「ぜひソースなしで味わって」と昌一さん。

転機は10代の頃、二人でキャベツの千切りを競ったこと。「速さは僕が上。でも、僕のはゴワゴワのに弟のキャベツの食感はフワフワだったんです」と昌一さん。学業を終えて料理修業に出た良太郎さんに対し、昌一さんは企業に就職。しかしそれも、いずれ弟と家業を営むのに備えて実地で経営を学ぶ、もうひとつの修業でした。

「そういえば小学生の頃から厨房を手伝うのは弟で、近所の料亭に出前をするのは僕の役目だった。祖父母も父母も、僕たちの違いを見抜いていたんですね」と昌一さん。会社員生活を終えて店に戻ってからは、料理一筋の弟を支え、営業経験で培った緻密な顧客対応で店の業績を大きく伸ばしました。良太郎さんも、オムレツを割ってとろりと卵を絡ませる新しいオムライスを加えるなど、自身のカラーを発揮。地元の昔なじみにえ、今ではより幅の広いお客さまが、懐かしく、でもどこか新鮮な味わいを求めて店を訪れます。

次のページ目標は自分たちの代で店舗を建て替え、創業100年を迎えること

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