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片づけアドバイザーに教わる! 収納・家事が効率アップする「7割収納」のテクニック 片づけアドバイザーに教わる! 収納・家事が効率アップする「7割収納」のテクニック

片づかない原因は、ものを管理できる量、収納できる量を超えているから。ものを減らし、7割収納にすれば、動きもシンプルに。片づけについて考える必要がなくなり、家事もうまくまわるはずです。収納、家事が効率よくまわるテクニックを、片づけアドバイザーの石阪京子さんに教えていただきます。

目次
片づけアドバイザーに教わる! 収納・家事が効率アップする「7割収納」のテクニック
  1. 収納スペースに対して“7割”がベスト 一体なぜ?
  2. いざ実践! 7割収納を叶えるステップ
  3. 出しっぱなしにしがちなバッグや小物類も定位置収納に
  4. 教えてくれた 石阪京子さん profile

収納スペースに対して“7割”がベスト
一体なぜ?

片づけられない原因は、ものの量にあります。自分で管理しきれない量の服や生活用品が部屋や収納スペースを圧迫し、生活動線を悪化。結果、部屋も片づかず、いつも何かを探していて、毎日イライラしてしまうと悪循環に。まずは、ものを手放すことが片づけの第一歩となります。

石阪さんが長年、片づけレッスンをしてきた経験上、ものの量は、「収納スペースに対して7割」がベスト。ものを探し&戻しやすく、整理も簡単になり、何より生活しやすくなります。たとえ新しいものが家に入ってきても、空きスペースがあればどこにしまおうかと考える必要もなくなり、出しっぱなしやものの散乱、リバウンドも防ぎます。

石阪さんが大切にしているのは、片づけ前に行う「思考改革」。「なぜ片づけをしたいのか」をはっきりさせ、「理想の暮らし」を思い描く作業です。自分にとって何が必要で、大事なものが何なのかが浮き彫りになり、何を手放せばいいかが明白になります。

とはいえ、家の中を整える際は、どうしても家族のことが関係してきます。片づけに悩む人の多くはやさしく真面目で、自分より家族の気持ちを優先する方も少なくないとか。「まずは自分の幸せのために、自分軸で考えること、そして間取りや収納のせいにしないことが大事です」と石阪さん。

狭くても、間取りが悪く収納が少なくても、住まい全体を片づければ必ず快適な暮らしが手に入るのが、石阪流片づけメソッド。気持ちの整理が9割と言ってもいいくらいです。

【片づけ成功例】

BEFORE
AFTER

3人の子どもの洋服やおもちゃが置きっぱなしだったリビングも、部屋の役割を明確にし、2階を子ども部屋に決めたところ、ものがなくなり自然にきれいに。衣類も数を厳選したところ、子どもたち自身で片づけられるようになりました。

BEFORE
AFTER

この方はサロンを開くという夢を叶えるべく一念発起。トラック1台分のものを手放しました。「いつか使うかも」と取っておいた手芸道具も最小限に絞り込み、押し入れケースに入れて収納。インテリアも一新し、以前の物置から人気のサロンに変身しました。


いざ実践! 7割収納を叶えるステップ

<STEP 1>「全部出し」が鉄則

まずやるべきことは、収納されていたものをすべて外に出し切ること。全部出すことで、自分が持っているものの量や種類を初めて把握することができます。想像をはるかに超えた量の遺物がザクザク出てくるはずです。手放すときは、「いらないもの」を探すのではなく、「大好きなもの」と「使っているもの」をピックアップ。まずは、捨てやすいものが多い物置部屋やクローゼットなどのバックヤードから、次にキッチン、リビングの順で全部出しして片づけます。

キッチン関連のアイテム。全部並べて見ると、似たようなアイテムのオンパレード!

①チームに分け、
残すもの、手放すものを厳選

②もし途中で迷ってしまったら…

【子どものおもちゃ】

解決策:
子どもが小さいうちは
親が取捨選択し、管理する
どのおもちゃが子どもにとって大事かというのは遊んでいる姿を見ていればわかるもの。小さい間は親の責任で、必要ないものは手放します。「年長さんくらいになると、話せばわかるようになるので子どもに意思決定をさせて」

【思い出のもの】

解決策:
フォトブックなどにまとめて
量を少なくする
子どもの工作や作品は、今までの成長は全部子どもの中にあると信じて、これからの学びのためにスペースを空けてあげましょう。写真に撮って、ノハナ(nohana)などのフォトブックにまとめるのも手。本当に大切なものは無理に捨てなくてOK。

【「もったいない.….…」と思い、捨てられない】

解決策:スペースのムダこそ
もったいないと考えます

ブランドものだから、新品だからと、ものに焦点を当てて、もったいないと言いがちですが、ものが溢れ身動きできないスペースのムダ使いこそもったいないし、お金のムダです。

捨てるときは、「まだ使える」でも、「もったいない」でも、「人からもらった」でもなく、「本当に大好きなもの」か「今、使うもの」だけをピックアップして残しましょう。ひとつひとつ向き合うと選べなくなるので、時間をかけずに7割まで減らします。石阪さんも、お子さんからもらった手紙などは小さな箱に入れて取ってあるとか。思い出のものもスペースを決めて、その中で収めましょう。

<STEP 2>
部屋の役割を考える

夫婦と4歳・2歳男児の4人家族のA様宅のBEFORE。リビングに個人のものが溢れたり、混沌状態でしたが、ものを捨て、家族それぞれのゾーンが決まりすっきり。共有スペースに個人のものは無し。

片づけられない家の特徴のひとつに、1か所にものが集中していることがあります。特にリビングにはおもちゃや勉強道具、バッグなど細々とした家族のものが集まり、無法地帯になりがちです。本来、パブリックスペースであるはずのリビングには、家族共有のものだけを、個人のものは個人の部屋に置くのが鉄則。まずは間取り図を見ながら各部屋の役割を明確にし、どこに誰の荷物を置くのか決めていきましょう。

上の間取り図のような一般的な3LDK(洋室2、和室1)の場合、クローゼットの一番大きい部屋(洋室2)が夫婦の寝室になります。夫婦の持ち物は寝室のクローゼットに収納。みんなで寝ていた部屋(洋室1)は子ども部屋にし、リビングに散らばっていたおもちゃなどもここで管理。和室は今はまだ誰の部屋でもないので、リビングの延長と考え、押し入れにはレジャー用具や季節外の布団や家電など、家族で共用しているものを収納します。

【片づけ成功例】

BEFORE
個人のものが置かれたリビング。家族が集まる場所だけに、子どもの勉強道具やバッグなど個人のものが集まりがち。
AFTER
個人のものは個人の部屋やスペースに移動したところ、リラックスでき人を招けるすっきりと大人のリビング空間に。
BEFORE
みんなで寝ていた寝室。夫婦と子どものベッド&家電が部屋を占領し、歩くスペースがかろうじてあるくらい。
AFTER
今までなかった子ども部屋に。物置が寝室になったので、子ども部屋を新設。おもちゃも片づき、友だちを呼べるように。

家の間取りや収納が不十分だから片づかない、と思っていませんか。「理想の間取りに住むのは難しくても、片づければ理想の暮らしは手に入ります!」と石阪さん。間取りやスペースのせいにせず、心持ちを変えることが、片づけの大きな一歩です。

<STEP 3>
片づけたあとは仮置きする

片づけは、収納アイテムで解決すると思ったら、大間違い。実際に石阪さんのレッスンでも不要ゴミNo.1は収納ボックスだそうです。

家中に散らばる同じカテゴリーのものを集めて、残すものを厳選したら、収納場所と大きさに合わせて折った紙袋に入れてひとまず仮置きします。ビニールではなく紙袋がいいのは、立てておけるから。しばらくその状態で仮置きしてみて、使い勝手やサイズ感を試し、使いづらかったら置き場所などを変えてみます。書類や細々したものだけでなく、服も同様。片づけ前には、大小さまざまな大きさの紙袋や通販で届いた箱などを用意しておきましょう。

ものを処分・厳選後、カテゴリー別に分類&選別したアイテムを紙袋に入れ、マスキングテープなどでラベリング。

<STEP 4>
仮置きして1か月後、収納グッズ購入

1か月ほど仮置きしてみて、必要な種類と個数がはっきりしたところで、ここでようやく収納グッズを購入します。


出しっぱなしにしがちな
バッグや小物類も定位置収納に

<テクニック 1>
カバンは一か所に収納する

小ぶりのバッグなどはまとめてコンパクトに収納可能。帰宅後はバッグを置きっぱなしにせず、毎日きちんと定位置に収納します。おすすめアイテムとして、IKEAのSKUBBボックスは、軽量かつ取っ手がついているので、背の高い場所でも出し入れ簡単。使わないときは平たくたためます。オフシーズンの収納や洗濯かご代わりにも。

<テクニック 2>
帰宅したらカバンの中身を出す

帰宅後はその日使ったバッグから財布類を取り出し、毎日使うものはIKEAのVARIERAボックスに収納。バッグを替えても、忘れ物知らずに。VARIERAボックスは、洗えて衛生的。食器のつけ置きや食品ストックの収納、洗剤をまとめるなど家中どこでも使える優れものです。


教えてくれた
石阪京子さん profile

片づけアドバイザー・石阪京子さん
片づけアドバイザー。宅地建物取引士でもあり、夫と不動産会社を経営する中で、どんな家でも片づけきるメソッドを完成。レッスンは2年先まで予約待ち。著書に『夢をかなえる7割収納』(講談社)など。

photograph:Jun Fujiwara,Hiroshi Matsui,Noriko Yoshimura text:Ema Tanaka,Azusa Shimokawa,Rie Suzuki illustration:Nao Anami web edit:Riho Abe
リンネル2018年2月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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